2012/02/11 10:04:23
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初めての第九

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12月21日・土曜日。ついにこの日がやってきました。浜松フロイデ合唱団のベートーヴェン第九交響曲演奏会です。7月からずっと、この日のために毎週+αの楽しくも厳しい練習を続けてきました。印刷物の作成やポスター貼りなど運営の仕事も手伝って、チケットの販売ノルマも何とか達成し(達成できないと舞台に上がれない…という厳しい掟があるのです)、風邪を引くこともなく、無事この日を迎えることができました。

練習を始めた頃は、演奏会が近づいてきたら緊張するのかな?と思っていたんですが、前日までは全くそんなことはありませんでしたね。合宿など特別な練習日を入れると全部で20回以上の練習のうち、どうしても参加できなかったのは2回。あとはちょっと遅刻したこともありましたが全て出席して、一生懸命練習してきました。自分の出来る限りのことはやって来た…という思いがありますから、ここまで来たら後は練習どおりに本番の1回を通すだけです。緊張よりもむしろ初めての体験に対する好奇心の方がずっと強かったですね。どんな演奏になるんでしょうか?


開演は午後3時半からなんですが、私たちは午前中から会場のアクトシティに缶詰になりました。発声練習、舞台入退場の練習などがあって、そのあといよいよゲネプロとなります。

ゲネプロというのは要するに本番通りの構成で行うリハーサルのことなんですが、ここで初めてオーケストラの皆さんと一緒に歌うことになります。本番の指揮者・大町陽一郎氏の指揮で歌うのもこれが2度目。オーケストラと何度も練習合わせをするのはいろいろな面で無理があると思うんですが、それでもこんな直前に一度合わせるだけで大丈夫なのかな?と思っていました。まあ、どんなに緻密に打ち合わせても、本番で指揮者の腕の振り方が突然変われば全員それに合わせるしかないんですが。

ゲネプロでは第4楽章を1回通しただけで合唱団は退場となりました。上手く歌えていたので直されなかったのか、それとも時間がないのでさっと終わらせたかったのか…おそらく後者でしょうね。時間がありませんし、今さらそんなにいろいろ直せませんし。それでも、これまでのピアノ伴奏とは全く違う雰囲気を知ることは出来ました。一番違うのは、自分の出した声が全然耳に返ってこないこと。ちゃんと声が出ているのかどうかよくわかりません。これまで比較的狭い部屋で練習していたのと違い、広いホールではどうしてもそうなってしまうんですが。

舞台に上がる前に気が付きました。もちろん第九を歌うのはこれが初めてなんですが、それ以前に第九の演奏をライブで聴いたこと自体一度もないんですよね。ということは、私は生まれて初めて聴く第九のライブ演奏をステージの上から聴くと言うことになります。どんな体験になるのだろう?…期待感こそ高まりましたが、それでもまだ緊張はありませんでした。


ベートーヴェン交響曲第9番は、4つの楽章からなる演奏時間70分前後の大作なんですが、合唱が出てくるのは最後の第4楽章だけです。曲全体のことを考えると、合唱団は1時間ほどの間全く出番がなく待っていることになります。だからといってのんびりしているわけにはいきません。楽団の中でめったに出番のないパート…例えばシンバルや大太鼓の人たちが、自分の出番を緊張しながら待ち続けるのと同じです。第3楽章までは用意された椅子に座って待ちましたが、ずっと指揮を見ていました。テレビ中継でもなければなかなか見られないアングルですし。ただ、緊張した状態で椅子に座り続けているのも結構辛くて、腰が痛くなってきましたが。

歌自体は、自分の現状で出来る範囲のことは出来たんじゃないかな?と思います。練習のときよりも思い切って声が出せたような気がしました。あまり品のない話ですが、周囲で自分のものも含めて唾の飛びまくっている飛沫が照明に当たって光っているのが見えました。

日本では、第九の演奏会は年末の風物詩のようになっていて、重厚なオーケストラ演奏に乗って「フロイデ(Freude ; 喜び)!」を連呼するのでおめでたいイメージがあるのだと思いますが、先週NHK総合テレビの番組でも取り上げられていたように、もともとは自由と平等を勝ち取る喜びを表現したものだと言われています。…と、そんな難しい話をするまでもなく、曲のうちに秘められた巨大なエネルギーに、身体の震えるような感覚がありました。それこそ、演奏の終わった瞬間、不覚にも涙が出てきてしまったくらい。

演奏が終わって、観客席を見回してみました。暗かったのでチケットを渡した人たちは確認できませんでしたが、一番上・4階席の端っこの方まで目線が移ったときに別の涙が溢れてきてしまいました。6月に母と松山千春を聴いた席です。やっぱり、母にもこの演奏は聴いて欲しかったですね。


この第九演奏会では、なかなか出来ない貴重な経験を出来たと思います。ただ、来年以降も続けるの?と訊かれると即答できないんですよね。確かに歌うことそのものは楽しいんですが、半年間頑張ってきて結構疲れを感じています。他のこともいろいろやってみたい私にとっては、このために使うエネルギーはあまりに多すぎました。ひとまずゆっくり休んで、それから考えようかな?と思います。

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