2012/05/19 14:56:09
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【号外】 回るだけじゃない

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一昨日の記事の続きです。まだお読みでない方は、まずはこちらから先にご覧ください。


お約束通り、早めに続きをお話ししましょう。回転席で劇団四季の「キャッツ」を見ることになった私でしたが、その名前から期待していた「座席回転シーン」は、結局一番最初の一度だけ。しかし、全然不満はありませんでしたね。というのも、ここに座ったおかげで「キャッツ」の楽しさ、演劇の楽しさを満喫することができたと思うんです。

まず、普通に「ステージから近い席」としてのうまみが確実にあります。キャッツ・シアターは、最後部の座席でもステージからの距離は20メートル未満…という、実にステージと観客が近い劇場なんですが、回転席はその中でも特別に近い席ですからね。ステージから猫たちの歌声が伝わってくるダイレクト感は、もう最高級と言っていいでしょう。

さらに、前回はお知らせしていなかった劇場の造りがもう一つあります。回転席の通路は、ステージの高さから全く段差がなく、外側(というか、後ろ側というか)の客席に向けてなめらかなスロープになっているんです。このため、猫たちはステージから勢いを付けてこのスロープを何度となく滑り降ります。回転席のすぐ後ろも彼らは歩き回りますから、四方を猫たちに囲まれている状態になります。

特に、私はかなり通路に近い側の一番後ろにいましたから、触れそうなくらいのすぐ近くを走り回って、そりゃもう大変。ときには至近距離で目も合ってしまいますが、これにはドキッとします。すっかりキャッツ・ワールドに飲み込まれてしまいました。一番通路側に座っていると、さらにとんでもない特典があるかも知れないんですが、この辺りのお話は一番通路側の一番後ろに座ったかば姉さん水上紫緒さんのご両人に伺ってみましょう。

通路に近いおかげで、最後に猫たちと握手をすることもできました。皆さん、とても嬉しそうな顔で握手してくれるので、こちらもついつい顔が緩みます。ステージを通して、皆さんが回転席に座るのを熱望するのがとてもよくわかりましたね。これを「回るだけでしょ」なんて言ったら罰が当たりますよ。


実は、今回の舞台を見ていてもう一つ気付いたことがありました。とにかく座席が良く揺れるんです。ステージの上で猫たちが揃ってステップするだけでも、地響きが伝わってきます。しかも、公演中には空から靴(もちろん1mくらいあるビッグサイズの)が降ってきたり、雷が落ちたりしますが、下からの揺れが臨場感を高めています。

もちろん、ステージから近いので振動が伝わりやすいのは確かですが、回転席という構造になっていることがさらに効果を高めているような気がします。回転すると言うことは、裏を返せばその部分は基礎には固定されていないことになりますから、それだけ振動しやすいはずです。やろうと思えば、意図的に回転する部分全体を揺らすこともできそうですが、そこまでしてしまうと回転席のお客さんが「座席酔い」してしまうかも。

回転席以外にも、キャッツ・シアターにはいろいろな仕掛けがあります。先にも触れたように靴が突然空から落ちてきますし、猫も空から現れたり、地面から顔を出したりします。やっていること自体は高度なテクニックでもない筈なんですが、仕掛ける場所とタイミングが絶妙で、楽しませてもらいました。縦横無尽なところは専用劇場ならではですよね。


キャッツ・シアターの構造の話ばかりしてしまいましたが、もちろん今回楽しめた最大の理由は「キャッツ」という作品自体の良さだったと思います。美しいメロディーに乗った歌声も、楽しく激しいダンスも、思わず涙するストーリーも、ミュージカルでこれまで感動してきた要素は全部「キャッツ」の中に揃っています。そんな点でも、まさに今回のツアーは集大成と呼んで良かったかも知れません。

「キャッツ」の最後を飾るナンバーが「猫からのごあいさつ」。実は、かば姉さんがブログに書いていたところとほとんど同じ場所で、不覚にも感動して泣きそうになってしまったんですよね。私は、いろいろな場面で、本当に理解してほしい相手に対して、理解してもらえるように努力をしてきたでしょうか。…全くしていないとは思いませんが、努力がまだ全然足りないと断言できます。ありのままを理解してもらえなくては意味がないんだから、変に飾ったり繕ったりしても仕方ない…と思っていたんですが、それは真実ばかりではないような気がしました。


前回の「最初に回るだけ?」の続きを書いた号外記事です。振り返ってみると、Weelly SSKに号外を書いたのは昨年11月以来で、今年初めてです。それだけ話題が少なくなっているのかも。…確かに、いろいろなコーナーやSSK World Blogに振り分けられている面もありますが、ちょっと寂しさも感じます。

「キャッツ」も、実に登場人物(じゃなくて猫か)の多い作品ですが、「コーラスライン」のときのこともあるので、あまり心配していませんでした。それに、今回はJonathan氏がブログに解説記事をずっと連載していてくれましたからね。すんなりと猫たちの世界に入ることができました。歌と踊りだけでも十二分に楽しめますが、見る前にある程度の予備知識があった方が、さらに理解が深まると思いますね。

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