SSK World

我が家のメインのパソコンが、久しぶりに2台になりました。2台になったことで再び考えなくてはならなくなったのが、共有のデータの扱い。大量に撮り溜めた写真など、私の自作デスクトップと妻のノートパソコンのどちらからもアクセスしたいデータは、意外にたくさんあります。

デスクトップ機2台を動かしていた頃は、どちらからもアクセスできるように、ネットワークに接続するハードディスクであるNAS（Network Attached Storage ; そのものズバリ「ネットワークに接続するハードディスク」の英文直訳）を用意していました。それまで我が家で現役だった「玄箱（くろばこ）」KURO-BOX/HGは、既に導入から足かけ8年目。冷却ファンは轟音を上げ、もうお疲れさま！と言ってあげたい状態です。

そんなわけで、この度NASを新調することにしました。玄箱を徹底的にメンテナンスする…という方法もあったんですが、そうしないからには、プラスアルファを求めたくなります。

今回選んだのは、HDL2-A2.0。アイ・オー・データ機器の、1TBのハードディスクドライブ2基が内蔵された製品です。2TBの容量を確保するためだけなら、2TBのドライブをひとつ用意した方が安価に済みますが、この一見無駄のある構成にはもちろん意味があります。2基のドライブでRAID 1を組むことが出来るんですね。常にドライブ全体の複製を取りながら、大事なオリジナルデータをNAS単独で保護します。RAID 0で高速化を図ることもできる仕様になっているんですが、どうせネットワークがボトルネックになります。せっかくの2ドライブ構成なら、やっぱりRAID 1をおすすめしたいところです。

デザイン上の特徴と言えそうなのが、そのあまりにもシンプルな外観。のっぺりとした、味も素っ気もない真っ黒な箱です。底面近くに仕掛けられたLEDのインジケーターも、実に控えめです。我が家では、液晶ディスプレイ脇の物陰に設置してあります。控えめながらも、そこそこの自己主張はしています。

HDL2-A2.0は、DLNA対応でデジタル放送の録画・再生が可能だったり、iTunesサーバーの機能があったり、外出先のスマートフォンからリモートアクセスできたり…と、何でもありのてんこ盛り仕様なんですが、私にとって一番嬉しいのは、読み書きの基本性能が高いことです。新チップ採用により「USB 2.0を超える高速転送を実現しました」と謳われています。

そこまで言うのなら、測ってやろうじゃないの！というわけで、試しにベンチマークを走らせてみました。例によって、CrystalDiskMarkの登場です。

HDL2-A2.0(RAID 1)のアクセス速度は、KURO-BOX/HGの4～5倍は高速で、確かにUSB2.0接続のハードディスクを上回りました。さすがにUSB3.0接続のハードディスクには及びませんが、十分高速になったことが実感できます。

写真のデータは、全てHDL2-A2.0に転送しました。そして、これまでと同様に各ユーザーのドキュメントや設定のバックアップもHDL2-A2.0に保存しています。さらに、私のデスクトップにつないだままのポータブルのハードディスクにもバックアップを取っています。本当は、HDL2-A2.0のUSBポートに直接ハードディスクをつなげればもっとシンプルになるんですが、残念ながらバスパワー駆動のハードディスクは非対応。データの行き来がちょっと複雑な経路になってしまうのは仕方ありません。