プロ野球のない週末

ついに最悪の事態になってしまいました。日本プロ野球、70年の歴史始まって以来初めてのストライキ突入です。先週末は何とかストを回避したものの、そのとき感じた私の不安は的中してしまったわけです。

昨日と今日予定されていた12試合はすべて中止となりました。ペナントレースは終盤の山場にさしかかっています。セ・リーグでは中日ドラゴンズの優勝へのマジックが相変わらず点灯していませんし、パ・リーグではプレーオフへの進出を賭けた3位争いが熾烈です。行われればきっとこの週末も熱戦が繰り広げられたことでしょう。やっぱり試合がないのは寂しいですね。

昨晩の試合を中継する予定だったNHKでは、中継開始予定時刻・午後6時10分からの「週刊こどもニュース」でプロ野球ストライキの特集を組んでいました。「ストライキってなあに?」というところから説明を始めていました。いつものことながら、わかりやすい説明には感心します。それでも、仕事をしないことで抗議する…というのは、子供たちにはなかなか理解しにくい概念だと思いますね。そういえば、最近は公衆の面前でストライキが行われることもすっかりなくなりました。昔はときどき電車がストで止まったりしたんですが。


プロ野球選手会側がストライキを掲げたことには、十分に意味があったと思います。何より、団体交渉自体がストライキを掲げたことで初めて行われたわけですし、交渉の中でも経営側はかなり譲歩を見せたようです。さらに、球団経営への新規参入を促進しようという話が出る中で、実際に手を挙げる企業も現れました。ライブドア楽天もネット業界ではおなじみの名前で、既に球団経営のできるだけの体力も蓄えていると思います。一ヶ月もない短期間にこれだけ大きな変化があったのは、やはり「ストライキ」という劇薬が効いたからだと言えるでしょう。

また、ストライキが実際に行われたことにも十分に意味があると思います。ストライキというのは本来そのこと自体では誰も得をしない行為です。経営者たちは試合が行われないことにより損害を受けますし、選手たちは仕事をしない訳ですから減俸されます。そして、ファンたちは楽しみにしていた試合を見ることができません。ですから、本当は誰だってストライキなんかやりたくない、やってほしくない…と思っているはずです。

もちろん、一番良いのはストライキが交渉のカードに使われつつも実際には行われないことなんですが、先週のような先送りが続いてしまうと、「本当はやる気がないんだな」と思われかねません。一昨日の交渉が、当初の期限を大幅に延ばして続けられたのは、ストライキを回避しようとするぎりぎりの努力だったのでしょう。それでも、選手会が、自らがイソップ寓話の「オオカミ少年」ではないことを示すためには、ストライキが決行されることは必要だったのかも知れません。自らも痛みを負う彼らの並々ならぬ決意を経営者たちに、そして私たちファンに見せてくれました。


ただ、ストライキが決行されたことで、交渉の流れは決定的に変わるはずです。これまでは、ファンやマスコミに後押しされて、選手会側が優位に立って話を進めていたと思うんですが、ストライキにより大きな損害を受ける経営側の対応は変わってくるでしょう。「損害賠償を求める」という話も出ています。本来ストライキは労働者に認められた権利で、損害賠償を求めることはできないはずなんですが、ストライキの目的の正当性を巡ってもややこしい話になっています。

これからもまだ話し合いは続きます。一部で言われているような「ファン離れ」は、今回の争点が争点なだけにそれほど起こらないと思いますし、それどころかニュースになることでプロ野球に関心を持つ人が増えて、ファン層を広げられるチャンスですらあると思っています。しかし、ストライキの本来の目的である彼らの(私たちファンの…とも重なるわけですが)主張の実現のためには厳しい状況を作ってしまったかも知れません。私の思う「チャンス」も、生かせるかどうかは今後の交渉次第。どうなることやら。


プロ野球が行われなかったおかげで、他のスポーツをじっくりと見ることができました。オリンピックが終わったあとのアテネではパラリンピックが始まり、障害者の皆さんがオリンピックにも負けない熱い戦いを繰り広げます。日本選手団にも世界のトップで戦う選手がたくさんいます。活躍に期待しましょう。

サッカー・Jリーグでは、ジュビロ磐田が大変なことになっています。かつては嫌らしいほどの強さを見せつけていたジュビロが、第2ステージ5試合を戦った時点でまだ一つも勝てません。昨日の試合でも4対1までリードしておきながら終わってみれば引き分け。見ていると、選手たちが非常に疲れていると感じますね。長い間レギュラーを固定してきたチームで、選手が高齢化してきたところに問題がありそうな気がするんですが…。もう一つ気になるのはサポーターの元気がないこと。私の周囲には結構ジュビロサポーターがいますが、3戦目くらいから既に萎えている人ばかりでした。これでは選手がかわいそうです。

メジャーリーグでは、イチロー選手に早くもメジャーの大記録に挑戦するチャンスがやってきています。シーズン最多安打記録に並ぶためには、あと14試合で21本。さすがに最近は他球団からのマークも厳しさを増し、ちょっと量産ペースを落としている彼には厳しい数字かも知れませんが、そこで超人的な力を発揮するのもまた彼の持ち味です。これにも大いに期待したいですね。


そして、日本の野球場では各チームの選手たちがサイン会などのイベントを開いていました。もちろん試合が見られないのは残念なんですが、選手たちのファンに対する気持ちを見ることができて嬉しいですね。もともと、私たちファンの署名も背負って立ち上がってくれたのが選手たちです。だからこそ私たちも彼らを応援したくなるわけですよね。連休明けには次回の交渉が行われるはずです。どうなっていくのか注目しましょう。



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