まさかの「ただいま」?

携帯電話のキャリアをソフトバンクに乗り換える方針が決まった我が家。次に問題になるのは、端末に何を選ぶのか?です。
お義父さんの端末は、基本的に音声通話にのみ使っているということで、今までと同様の折りたたみ式のガラケーということになりました。しかし、びっくりしたのは色の選択肢が実に豊富なこと。実に8色もの中から選べる機種があります。「そんなにあるのか?」と言いつつも、お気に入りの色を選んでもらえたようです。
妻の端末はiPhone 5に決定。彼女自身には、Androidか、iPhoneか…というようなプラットフォームへのこだわりはあまりなかったらしいのですが、iPhoneにはカバーやケース、周辺アクセサリーなどの選択肢が豊富なのが、以前からうらやましかったようです。同一のハードウェアがグローバルに数千万台売れる世界ですから、それを取り囲む市場が広がるのは当然のことですね。もちろん、前回も触れているとおり、iPhoneなら月額費用の削減効果が大きいのも動機になっているはずです。
そして、一番難航したのが私の端末選び。何しろ妙なこだわりがいろいろあるだけに、そう簡単には決められませんでした。

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さよなら、なのかな。

以前からたびたび話題にしていたことなんですが、モバイルインターネット回線として愛用してきたウィルコムの契約を、6月末までで終了することにしました。
振り返ってみれば、DDIポケット時代からもう10年近い付き合いになるわけで、愛着がないと言えば嘘になりますが、激動の時代の中で、同じものを支持し続けることの難しさも感じています。長年の間「PHSでは最強、最大派閥」ではあり続けたわけですが、私の本来の使用目的であるモバイルインターネット接続としては、強力なライバルたちに抗い続けるのはちょっと辛い状況かも知れません。
解約の手続きについては以前にもちょっとご紹介したことがありますが、電話でウィルコムサービスセンターに解約する旨を伝えると、解約申込書が郵送されてきて、これを記入して返送することになります。所定の期間内に返送すれば、電話で伝えた解約日までで契約は終了します。
電話口で、「よろしければご解約の理由をお聞かせいただけますか?」と聞かれました。思わず、「御社の将来性に不安を感じてしまったので」と本音で答えてしまいそうになりましたが、それではあまりにも身も蓋もない話で、これまでの私自身の「ウィルコム愛」を踏みにじる行為にもなってしまいます。しばらく間を置いた後、「WiMAXに乗り換えようかと思います」と答えると、これまたしばらく間のあった後、「ご回答いただきありがとうございます。長年のご利用ありがとうございました」と返ってきました。愛のある、心の通じ合うやりとりができたような気がします。

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またしてもその手か

先の記事でも触れましたが、3月12日にウィルコムの会社更生手続きの開始が決定されました。これに合わせて、企業再生支援機構ソフトバンクなどとの間で取り決めた再建への基本合意書を締結し、発表しています。
基本合意書によると、PHS事業については出資や融資を受けてウィルコム自身が継続することになっています。そして、私が一番注目していたXGPについては、ソフトバンクなどが設立する新会社に譲渡されるのだそうです。
ソフトバンクといえば、かつて携帯電話事業への新規参入が認められずに、その後当時のボーダフォンを買収する…というとんでもない荒技で参入した過去があります。モバイルブロードバンドへの参入争いでも、選ばれたのはUQコミュニケーションズとウィルコムで、ソフトバンクは勝ち残れませんでした。今回ウィルコムからXGPを「分捕る」ことで、この分野でも一角に割り込むことになります。経営が立ちゆかなくなっている会社を支援する…という建前はあるものの、見方によってはどんな手段を使ってもこの業種に参入してやるんだ!という、強固な意志を感じます。
Yahoo!BBから始まった固定回線ブロードバンドも含めて、強引なやり方ばかりが目に付き、はっきり言ってソフトバンクは嫌いな企業ですが、今のところ「投げて」しまった事業があるわけでもなく、一応企業責任は果たしている…と言えなくもありません。ともかく、せっかくの新技術・XGPを、何とか実用サービスにつなげてほしいと思っています。
しかし、これでウィルコムという会社のいちばん「とんがった」牙が抜かれてしまい、すっかり枯れた技術であるPHSを維持していくのが目的の会社になってしまうわけで、会社とサービスを守るためとはいえ、あまりにも寂しい選択ではないかと思います。

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ウィルコム、ついに法的整理へ

ちょっと古い話題になってしまいましたが、今月18日にウィルコムが東京地裁へ会社更正法の適用を申請しました。 以前から、累積した債務の整理手続きに入っている…との報道はあったわけですが、ついに裁判所が間に入った法的整理に向かうことになります。

これで、会社の経営が立ちゆかなくなっていることの、いわば公式のお墨付きをもらうわけで、全く褒められた状況ではないわけですが、会社更生法はその名の通り経営危機に陥った会社を建て直していくためのものです。廃業するわけではなく、今までの事業を続けながら復活を目指すわけです。ひとまず、今持っているAIR-EDGE端末がすぐに使えなくなるようなことはなさそうですね。

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残念な足し算

ウィルコム先月に発表した新しいスマートフォン・HYBRID W-ZERO3が、年明けの1月28日に発売されることが決まったそうです。一見普通のスライド型携帯電話…という筐体にWindows Mobile 6.5がインストールされた端末です。ウィルコム伝統のPHS回線での音声通話・データ通信の他に、NTTドコモのFOMA HIGH-SPEED回線を借りたWILLCOM CORE 3Gによるデータ通信もできるところが「HYBRID」…ということのようです。
この製品の魅力を決定する重要な要素は、どんな料金プランが用意されるのか?という点だと思っていたわけですが、料金プランについてはこの機種専用の「新ウィルコム定額プランG」というものが用意されます。HYBRID W-ZERO3では、新ウィルコム定額プランG以外のプランは契約できないことになるようです。

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その足し算の意味は?

ウィルコムから、来年初頭に発売される予定の新しいスマートフォン・HYBRID W-ZERO3の情報が公開されています。W-ZERO3といえば、スライド操作でQWERTY配列のキーボードが現れる仕掛けが特徴的な、シャープの開発による製品のシリーズですね。日本における「スマートフォン」というジャンルの起爆剤になったブランドだと思っています。…という話は、昔からここを訪問してくれている方には説明の必要もないくらいですよね。私も、シリーズの端末を2台持っています
ただ、このHYBRID W-ZERO3はQWERTY配列のキーボードは持たず、通常の電話と同じ10キーを持つ「普通のスライド型端末」の形状をしています。それでも、Windows Mobile 6.5をOSに採用し、Microsoft社のオンラインサービスであるWindows Live!を一発で呼び出せるボタンを持っているなど、「Windows系スマートフォン」の血統は守っています。

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山手線内から出られるのか

ウィルコムから、「次世代PHS」として準備されてきた新しいデータ通信サービス・WILLCOM CORE XGPの開始が発表されました。4月から始まっていたエリア限定サービスが、期間を「9月30日まで」と区切っていたので、10月1日からのことについて何らかのアナウンスがあるはず…と思って待っていましたが、残り1週間になってからのギリギリの発表でした。
しかも、サービスエリアはエリア限定サービスのときとほぼ変わらない山手線の内側の一部。2010年3月までは基本利用料の4,380円とPRIN接続料の935円をいずれも免除、募集人数も東京23区内在住のウィルコムユーザー400人に限定…と、内容は「エリア限定サービスを半年延長しただけ」と言わざるを得ません。もう少し規模を拡大してサービスが始まるのではないかと思っていただけに、落胆は大きいですね。
WILLCOM CORE XGPのライバルと目されていたモバイルWiMAXは、既にUQコミュニケーションズにより3大都市圏でのサービスが始まり、Webサイトでのサービスエリア案内によると、年内には静岡県内の主要部でも使えるようになりそうです(もちろん下田市は対象外ですが…涙)。ずいぶん差を付けられています。
しかも、ここに来てウィルコムが債務返済の延期を求める事業再生手続きを進めていることが明らかになりました。まだ倒産したわけではないので、サービスは継続される予定ですが、巨額の投資が必要な通信事業にとって、大きな不安材料です。WILLCOM CORE XGPのサービスエリア拡大は、2010年初頭にも発表される予定…となっていますが、これもおそらく資金計画次第なのでしょう。
大きなシェアを獲得すればするほど有利になっていくのがこの業界の構造であることも考えると、現時点から事態を劇的に好転させるのは至難の業ではないでしょうか。WILLCOM CORE XGPが山手線の内側からサービスエリアを拡大できるのか、それどころか来年、再来年と生き残れるのか…よっぽどのどんでん返しがない限り、見通しは厳しそうです。

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