劇場内は全てステージ

先にちょっとお知らせしたとおり、土曜日・30日に名古屋に出かけてきました。名古屋といってもずいぶん広いわけですが、今回の行き先は新名古屋ミュージカル劇場。劇団四季のミュージカル・「ライオンキング」を見に行ってきたんです。

ミュージカルの舞台を見に行くのは全くの初めてでした。きっかけになったのは映画「オペラ座の怪人」。この作品は位置づけとしてはミュージカルの映画化ですから、元になった舞台を是非見てみたいと思ったわけです。しかし、あのときには「見に行こうと思えばいつでも見に行ける」なんて書いたわけですが、実際には人気作品のチケットを買うのはとても大変です。平日の昼なら幾分ましなんでしょうけど。

今回は、合唱団に「四季の会」(劇団四季の後援会みたいなものですね)の会員さんがいたおかげで、会員先行予約の良い席を確保することができました。それでも、電話受付の予約窓口になかなかつながらない電話をかけて…という作業が大変なのは変わらないはずです。今回は、他の合唱団員の皆さんの分とまとめて、劇場の1列分の座席を押さえてもらいました。とても感謝しています。

本命の「オペラ座の怪人」も9月に見に行くことになっていますが、そのチケットを予約したのは4月。今回の「ライオンキング」はその前哨戦…という意味合いもあるわけですが、予約したのは3月でした。そのくらい前から用意周到にしていかなくてはならないんですね。行き当たりばったりで行動することも多い私には良い教訓です。


ミュージカル「ライオンキング」は、ディスニー制作の同名のアニメ映画が原作で、1997年に初公開。翌年には日本に上陸し、他にも世界各地で人気を博しています。名古屋では2003年からロングラン公演が続いています。その名古屋公演も来年1月9日で千秋楽を迎えることが決まり、今年は「最後の夏」ということで再び盛り上がりを見せているようです。

原作はアフリカの大地でのライオン親子の生き様を描いた大河ドラマ。これって日本のアニメ作品のパクリじゃないの?という話もあるわけですが、真似されるほどの文化を生み出したことを誇りに思うくらいの懐の深さが私たち日本人には必要なのではないか?という気がします…前にどこかでした話のような気がしますが。


チケットを見ると、「開演後しばらくの間はご入場いただけません」との記述があります。裏を返せば、しばらく経てば入場ができる…ということになります。「開演後はご入場いただけません」ならともかく、どうしてこういうことになっているのか?と思っていましたが、理由は開演してすぐにわかりました。といっても、これから初めて見る方にはネタばらしになってしまうので、詳しく書くのはやめておきますが、確かに開演後しばらくの間は入れないんです。目の前にある舞台だけでなく、観客席も含めた全体を使った演出が行われます。

舞台の前にはオーケストラピットがありました。とはいえ、フルオーケストラが陣取っているわけではなく、ここにはパーカッション担当の楽団員2人がスタンバイしていました。他の楽器はカラオケになるわけですが、一部の楽器だけでもその場所で鳴っているのがわかるだけで、音楽全体の存在感が全然違ってきます。楽団員のコスト、演奏パフォーマンスの維持など、いろいろな面を考慮すると毎日公演をこなすにはカラオケしか考えられないわけですが、この楽器配置は効果的な演出だと思いました。

舞台の上で演技が行われている間も、一人ひとりの俳優さんが確かにそこにいる…という感覚が楽しかったですね。息遣いが確かに伝わってきます。声も電気を通さず直に声帯を震わせた空気が届きます。同じように観客席から見る芸術である映画との決定的な違いです。チケットの価格が映画の何倍もするのは、コスト面から仕方のないことなんですが、私たちの経験できる内容からしても、価格に十分見合うものだと感じます。

ところで、ライオンキングといえば一つ有名なのが、ご当地言葉での演技。「あるよ」とだけ聞かされていて、どこで出てくるかは知らなかったんですが、出てきた瞬間には思いっきり笑ってしまいました。何しろ「ライオン」ですらなく「りゃ~おんだがね」でしたからね。他にも、何故か「燃えよドラゴンズ」が歌われてしまうシーンがありました。同じ作品でもその場によって柔軟に対応できる…というのも、映画とは違ったいいところですよね。


私の隣に座っていたのが、このチケットを手配してくれた演劇鑑賞では大ベテランの方。休憩時間にちょっとご不満そうにしていました。聞いてみると「拍手が起きないなぁ」とのこと。前に来たときには、場の合間ごとに拍手がわき起こっていたのだそうです。後半に入ると、その隣の席から拍手が始まり、それが全体に広がるようになりました。最後に立ち上がって拍手を送る人がいなかったことにもちょっとご不満だったようです。

一生懸命演技している俳優さんたちに向けて拍手やねぎらいの言葉(「ブラボー!」などですね)を送るのはとても良いことだと思います。しかし、私のように見るのが初めてだと、その気持ちをどこでどう示せばいいのかわかりません。彼のような経験豊富な方にリードしていただければ、それに乗っていけるんですが。

劇団の皆さんは、毎回の公演に同じように情熱を傾けているはずです。場ごとの拍手やスタンディングオベーションが起こるか起こらないかは、演技している人たちの出来栄えではなくて、観客の側がそれをできるだけの知識を持っているかどうかの問題ではないかな?と感じました。


演劇は、基本的には舞台の上で行われるわけですが、それ以外の部分…観客席も、そこに座っている私たち一人ひとりも、それを包み込む空気も、全てがこの日の、この一回だけの舞台を作り上げていると感じました。劇場の中は全てがステージなんですね。

「オペラ座の怪人」を見に行くのが、とても楽しみになりました。あの作品にも、観客席を巻き込んだ有名な演出が仕掛けられています。そもそも、劇中劇が一つの見せ場ということで、観客席は本当に舞台装置の一部になるわけですからね。今からわくわくしています。映画のように月に何度も見られるものではありませんが、演劇の世界、ちょっと病みつきになりそうです。


この日の名古屋行きは、他にもいろいろと盛りだくさんの一日でした。

ETC通勤割引を利用するため、朝8時半に浜松を出発しました。7人が2台の乗用車に乗り込んで出かけたわけですが、もう一台の車にはETCが付いていなかったので、料金所を通るたびにどうしても差が広がってしまいます。今後のことを考えると、待ち合わせ場所をきっちり決めておくなど、何らかの対策は必要ですね。

道中面白かったのは、伊勢湾岸道・刈谷パーキングエリアの施設。大観覧車、天然温泉、さらには「デラックストイレ」なんてものまであります。入ってみたら、完全個室でウォシュレット付きの豪華トイレでした。女子トイレはさらに内装まで超豪華だったらしいんですが。

10時過ぎには名古屋市内に到着してしまったので、愛知県美術館のゴッホ展を見に行きました。招待券を持っている方がいたので、それを使わせてもらった訳なんですけどね。ビルの10階にある愛知県美術館。下ではエレベーター待ちで行列があり、上では入り口までまた行列ができていました。時間にあまり余裕がないので、さっと通り抜けて…のつもりが、結局30分近くかかってしまいました。絵は平面上の芸術ではないと強く感じました。色合い、筆のタッチなどが、絵の世界の中に確かに奥行きを作っています。

昼食は、当日分の「ライオンキング」入場券を持っていれば1割引…というサービスをしていたパスタ屋で食べました。ちょっと目を引く、なかなかのアイデアもののサービスでしたね。

舞台の終わった後には、名古屋名物の一つ、手羽先を食べに行きました。結構盛り上がりましたね。メニューに「まずい青汁」があるのを見て、ついつい乗せられて注文してしまい、ほぼ全部一気飲みしました。普通の青汁でしたね。…「まず~い、もう一杯!」とギャグを飛ばすほどの余裕はなかったんですが。

帰り道には、浜名湖付近で花火の上がっているのが見えました。ちょうど、舘山寺の花火大会が開かれていたんですね。浜名湖サービスエリアには「満車」の看板が出ていました。ちなみに、帰りも8時前に名古屋南インターの改札をくぐったのでETC通勤割引が適用。片道1,200円は劇的にお得です。



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