先日、ソフトバンクモバイルが900MHz帯の周波数を割り当てられることが決まりました。900MHz帯は、物陰などに回り込みやすく携帯電話での使用に適した周波数帯ということで、「プラチナバンド」と呼ばれ注目されていました。現在携帯電話サービスを提供する4事業者全てが割り当てを希望していましたが、既に近隣の800MHz帯を持っているNTTドコモやKDDIの優先順位が下がり、その上で現状のユーザー数を考慮した結果ソフトバンクに割り当てることになったのだろう…と容易に推測できます。自らが割り当てられて上機嫌の孫正義社長はともかく、今回の決定には他社も納得せざるを得ないでしょう。
900MHz帯を使ったソフトバンクのサービスは、早速今年7月から開始されます。現在発売されている製品の中では、iPhone4/4Sや一部のスマートフォンが既に900MHz帯に対応できるそうで、さらに今夏発売の新製品も全て対応するのだそうです。ソフトバンクユーザーの中で相当量を占めるであろうiPhoneユーザーが新周波数に移ることで、他のソフトバンクユーザーにも好影響があるかも知れません。
ソフトバンクにとっては長年待望していた新しい周波数帯なだけに、対応のアナウンスは実に迅速です。弟・ささっちを始めとして、ソフトバンクユーザーからの期待も大きいようです。未だiPhoneが発売されないNTTドコモユーザーの中からも、ソフトバンクに移ろうか…なんて声が聞こえてくるほど。今回のプラチナバンド獲得が、業界の勢力分布まで変えるのではないか?というほどの期待を感じます。
しかし、重要なのは単に特定の周波数帯が割り当てられることだけではなく、それをどう活用してサービスを展開していくかではないでしょうか。まずは、本当に宣言通りにサービスを開始した上で迅速にエリアを広げられるのかが問題になります。プロ野球球団を経営するほどの資金力があるソフトバンクですから、あとは実際にやるかどうかの問題。あの会社には、理想こそ高く掲げるものの、肝心の提供されるサービスの「質」という面で不信感を持っているんですが…さて、どうなるんでしょうか。
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