母を偲んで

今日・8月25日の午前3時12分、私の母は57歳でこの世を去りました。…というこの文章を書いているのは通夜を終えたすぐ後なんですが、こうしたある種の極限状況の中で不気味なほどに冷静な自分に驚いています。明日は私が初めて喪主として取り仕切る告別式となるわけですが、一体自分がどうなるのか自分でも想像できなくて怖いです。まあ、実際には葬儀屋さんが全ての手はずを整えてくれて、私たちのやること自体はそれほど多くないんですが。

お通夜には、びっくりするほど多くの人に来ていただきました。親戚以外には職場と母の友人の一部に連絡したわけですが、特に職場は休日で連絡が難しかったはずなのに多くの人が来てくださって、ずいぶんいろいろと励ましていただきました。本当に感謝しています。人間、誰でも非常に多くの人に支えられて生きているものなんですね。それを素直に感じることが出来ました。

実は、ここ1、2週間くらいは自宅で母の面倒を見たり、病院で付き添ったりとかなりな修羅場だったんですが、SSK Worldの方ではなるべくそんな状況は見せたくなくてあんな記事を書き続けていました。それでも、さすがにこの私にとって重大な事件にはやはり触れないわけにはいかなかったんです。つまらないお話かと思いますがお付き合いください。


母の左胸を最初に病魔が襲ったのが19年前。そのときには手術をしてひとまず快復となった訳なんですが、母が1ヶ月入院することになったとき、「僕を置いて行っちゃ嫌だ」とごねたのをよく覚えています。でも、「お母さんは今入院しないといつか死んじゃうんだよ」と諭されて、仕方なく我慢したんですよね。それが乳ガンの切除手術だと聞いたのはずいぶん後のことでした。母自身は、そのときから迫り来る死の恐怖と正面から向き合っていたんです。

しばらくは健康な日々を過ごしていましたが、8年前に転移が発覚。その後は身体のいろいろな部分に変調を来しながら、それでも何とかやってきました。一昨年北海道に母を連れて行った時点で、病院の先生からは既に「余命半年」とか「是非行かせてあげたい」とかほとんど最後通告に近いことを言われていたそうです。それを全て開けっぴろげに私に伝えた母の精神力も驚くべきものだと思いますが、その話を聞いて「これは絶対に連れて行くんだ」と思ったことはよく覚えています。それにしても、まさか2,000m級の登山まで達成できるとは思っていませんでしたね。今振り返ると、少々無茶な旅行が出来たのもこのときまでだった気がします。行っておいて本当によかった。

その後は、試してみた新薬が効果を上げるなどの幸運もありましたが、主に肝臓の腫瘍が悪化して、だんだん動かなくなる身体と戦いながらも、息を引き取る1週間前までは自宅から通院での治療を続ける…という驚異的な頑張りを見せました。その間母の面倒は私が主に見る形になったわけですが、もともと非常に我慢強い性格で痛みなど全くと言っていいほど訴えなかった母が「だるい」とか「疲れる」とか言う言葉を発するようになり、病状の深刻さを感じました。それでも最後まで黙々と戦った母。そのせいか、母の最期を見取った直後、号泣する弟の肩を抱いていた自分は不思議なほど穏やかな気持ちになれました。よく頑張ったね、ご苦労さま…と。



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