2004年8月9日(月)
いざ、メインイベントへ
浜名湖花博では期間中に実に数多くのイベントが開催されますが、その中には全体を象徴する「シンボルイベント」と呼ばれるものが3つあります。そして、シンボルイベントの筆頭に位置づけられているのが「つんく♂Wave」と呼ばれるイベント群です。まさに花博のメインイベントと呼べそうなこの企画は、もちろんその名の通り、かつてロックバンド・シャ乱Qのヴォーカルとして活躍した…というより、今やモーニング娘。や松浦亜弥を世に送り出したプロデューサーとして有名になったつんく♂の企画によるものです。それにしても、世界に情報を発信する国際博覧会の一番大事なところを彼に依頼してしまう主催者側のミーハーさ加減といったら…ついつい笑ってしまいます。
そのつんく♂Waveの第一弾として行われたのが、ミュージカル「ロックンロール花咲かじいさん」。地元からオーディションで出演者が募集され、公開は7月31日から8月11日まで12日間にわたって毎日行われるもっとも大がかりな「Wave」です。開催されている間に一度訪れたのに、残念ながら見て来られなかった私。改めて出直すことにしました。前回の翌々日という日程になりましたが、全期間入場券を持っていますからもったいないという意識は全然ありません。
二兎を追ってみる
今回は、単にミュージカルを見に来るだけではなく、もう一つ目的がありました。7月の富士登山を案内してもらったおいおしくんから「花博を案内してよ」と頼まれていたので、富士登山のときのお礼も兼ねて、彼と休日を合わせてこの日に行くことにしました。彼にとっては初めての花博、私にとっては合唱も含めれば通算7度目。まさにあのときとは立場逆転です。
初めての人を案内するのに、ミュージカルだけ見て帰ってくる訳にもいきません。やっぱり花博の美味しいポイントはひととおり回りたいところです。花博会場の常設展示で一番美味しいところと言えば、やっぱり厳しい入場制限がかかっているきらめきタワー。それでも、開場直後にタワー前に走ってチケットを購入すればすぐに登ることができます。一方、ミュージカルの方は観覧のためには開場と同時に配られる入場整理券が必要です。開場前に、しかも二人で行くわけですから、上手く行けばタワーのチケットもミュージカルの入場整理券も手に入れられるはずです。両方とも狙ってみることにしました。
私は、ときめきゲート外側脇の、ミュージカルの入場整理券を配布する行列に並びました。開場45分前の8時45分頃に到着しましたが、すでに100人弱の行列ができていました。入場整理券の配布が「一人あたり2枚まで」と決められていたおかげで、私たちの作戦は空振りせずにすみました。9時半きっかりから入場整理券の配布は始まり、2枚を受け取った私はすぐにゲートをくぐってきらめきタワーへと走りました。
一方のおいおしくんはときめきゲート前に並び、9時半の開場と同時にきらめきタワーに向けてダッシュ。マラソンも走る強靱な体力を持つ彼は、同時に入った人たちの中ではトップでタワー前に着きました。しかし、タワーにはすでに先客もいました…理由はもうちょっと後で明らかにしましょう。余裕で9時半からのチケットをゲットした彼に、後から追いかけた私が合流。見事この日のきらめきタワー一番乗りとなりました。前に登ったときよりも天気が良かったので、浜松駅前名物のアクトタワーもより鮮明に見えました。
ミュージカルの開演は午後1時からだったので、午前中にひととおり会場内を回って、食事も済ませてから水辺の劇場に向かいました。「ロックンロール花咲かじいさん」は、その名の通り昔話をモチーフにして軽快な音楽で踊られる作品です。子供からお年寄りまで、さらには海外からの来場者までも対象にしなくてはならないのがこうしたイベントでの作品作りの難しさだと思うんですが、音楽と踊り、身振りでの表現が非常に大事にされていたのは良かったのではないかと思いました。これらは年齢層や国籍には無関係の共通語ですからね。その上にさらに台詞のやりとりが乗って楽しませてくれました。
私も初体験
きらめきタワーと並んで、いつでも行列ができている人気のアトラクションが、会場内の運河で船に乗って展示を見る「いろどりクルーズ」。今回は、これにも乗ってみることにしました。いつも長い行列を見て敬遠していた私にとっても、今回が初めてになります。ただ、実際に並んでみると列の進み方は意外に早かったですね。船がかなりたくさん同時に運行されているおかげかも知れません。
これまでは見たことのない角度から、百華園や国際庭園の様子をのんびりと見ることができます。そして、それ以上に楽しかったのが舵を取る船長の会場ガイド。ちょっとした裏話も絡めながら、軽妙な語り口で聞かせてくれました。一見とても高く感じる片道500円の乗船料も、このガイド込みなら安いもののような気がします。
夏の花を楽しむ
相変わらず暑い時期ですが、こんなときでも花博会場にはいろいろな花が咲いています。百華園では、夏を代表する花々であるヒマワリやアサガオの姿を見かけました。
午前中に見て回れたおかげで、アサガオにもまだ元気がありました。
花博の目玉展示の一つ、モネの庭に咲く睡蓮も夏の午前中の花です。昼過ぎには閉じてしまうんですよね。フランスの印象派画家・モネが晩年に睡蓮の絵を描き続けた庭園が再現されているもので、回廊の所々でカメラを構えている人を見かけます。これが原因で渋滞することもあるのはちょっと困りものです。
私ももちろん写真を撮ってきましたが、見るとやっぱり絵画には勝てないな…と強く感じます。入ってくる光を機械的に記録するだけの写真では、モネの見た光の「印象」はどんなにがんばっても決して写しきれないのです。ただ、家に帰ってからPaint Shop Proを使って油絵風に画像処理をしてみたら意外に雰囲気が出てきて、これはちょっと不思議な感覚でした。
今日のアクセス
自宅~【自家用車】~おいおしくん宅~雄踏バイパス~雄踏駐車場(駐車料金1,000円)~【シャトルバス】(無料)~会場
今回は2人で出かけることになったので、交通手段は2人以上ならより安く上がる自家用車。おいおしくん宅からだとよりアクセスの良い雄踏駐車場を利用しました。駐車場からは無料のシャトルバスで正面のときめきゲート前まで移動。要するに2度目の来場のときと全く同じルートになります。朝8時10分前くらいに到着しましたが、すでに5台ほどの車が待っていました。
駐車場から会場までは、浜名湖上を船で移動する海上交通も選べます。全く同じルート…というのも味気ないので一度は利用を検討したんですが、海上交通でのアクセスだと到着するのは会場南側のしおさいゲートになってしまいます。実はきらめきタワーの朝一チケット購入にはこちらの方が近くて有利なんですが、これではイベントの整理券は受け取れません。仕方なく今回はバス利用となりました。水上交通はまたの機会に是非一度使いたいですね。
今日のお食事
実は少しずつ西へ、西へと進んでいた花博会場での世界味めぐりなんですが、今回は北アフリカ・チュニジアの露店までやってきました。ここで注文したのはクスクス。小麦粉を直径2~3mmの小さな粒状に加工したもので、「世界一小さなパスタ」と言われます。これにかけられている真っ赤なソースは、当然のようにピリ辛風味。今回も汗をかきながら夏を満喫しました。弾力性のある食感が楽しいですね。
今日のお土産
今回のお土産は、ミュージカル「ロックンロール花咲かじいさん」の公式グッズです。一応メインイベントを見に来た印に…ということで、購入して帰ることにしました。左のTシャツが3,000円、右のうちわは350円(いずれも税込)でした。うちわは会場内で涼をとるためにも重宝しましたね。話のあらすじなんかが入っている有料のパンフレットがあれば欲しかったんですが、用意されていませんでした。ちょっと残念。
合計で3,000円以上購入した人への特典として、つんく♂直筆サインがプレゼントされました。別にこれが欲しくて3,000円以上購入した訳でもなかったんですが、もらえるものなら一応もらっておきましょう。ちょっと笑ってしまったのは、名前の下に「シャ乱Q」と書いてあったこと……まあ、「モーニング娘。」とか書いてあったら怖いですけどね。彼自身には「プロデューサーとして売れていても自分の基本は歌手」という考えがあるのかな?と感じました。