積み重ねたもの

プロ野球のセ・パ交流戦が始まって2週間少々が経ちました。リーグ戦中にセ・リーグの球団とパ・リーグの球団が対戦するのは史上初めて。昨年からのプロ野球構造改革の中で実現した試みですね。日々とても楽しく観戦しています。最も端的な違いは指名打者制の有無でしょうか。パ・リーグの投手たちが打席に立つことになります。セ・リーグの打撃自慢の選手たちには指名打者という出場機会が増えます。投手が打線に組み込まれているかどうかの差が、継投や代打にも大きな影響を与えます。

面白いのは、両リーグで4月に抜け出したチームが揃って失速し、首位争いが混沌としてきたこと…中日ドラゴンズファンの私にとっては、ちょっと笑っていられない問題なんですが。ドラゴンズでは、暴力行為で出場停止処分を食らったタイロン・ウッズ選手とチームの勝敗が連動してしまった形ですが、どうも原因はそれだけではなさそうです。

ドラゴンズの落合博満監督が、あの人独特の言い回しで現状を分析していました。「パ・リーグはうちの怖さを知らないからな」。単なる負け惜しみにも聞こえるわけですが、言い方を変えればこれは苦手意識が染みついているかいないかの差が出た…ということだと思います。ペナントレースは100試合以上の積み重ね。苦手意識を植え付けるような長期的な戦略が重要であるという彼の認識が、そんな言葉になって出たような気がします。それにしたってさすがにこれでは負けすぎのような気が…。


ドラゴンズの立浪和義選手が、19日に札幌で行われた北海道日本ハムファイターズ戦で、通算二塁打数の日本記録を更新しました。昨日の試合終了時点まででその数は451。そして、これからもまだ増え続けるはずです。彼の2,000本安打達成のときにも思いましたが、これもまた通過点にすぎません。

試合後のヒーローインタビューで「ホームランを狙っていました」というのはよく聞きますが、「ツーベースを狙っていました」というのは一度も聞いたことがありません。なかなか狙って打てないのが二塁打。そして、わざわざ狙う必要がある機会も少ないのが二塁打です。サヨナラヒットを打った人が二塁ベースまで走ることはまずありませんよね…必要ありませんから。裏を返すと、二塁打数は試合を重ねる中で最も自然に積み重ねられていく記録だと言えると思います。

安打数や本塁打数と比べるとあまり目立たない記録だった二塁打数ですが、私が初めて意識したのは、オリックスブルーウェーブ(当時)の谷佳知選手が2001年に52本を放ってシーズン記録を更新したときだったような気がします。近年広い球場が増えて、二塁打は出やすくなったような気もするわけですが、それでも二塁打は外野手の間を抜くようなある種芸術的なバッティングの象徴だと思います。


日本野球機構のWebサイトには、歴代最高記録のランキングがまとめられています。通算二塁打数を見ると、既に立浪選手の名前がトップにあります。その下を見ていくと、福本豊、山内一弘、王貞治、張本勲、長嶋茂雄…とそうそうたる往年の名選手たちが並び、13位の田中幸雄選手(380本)まで現役選手は出てきません。立浪選手のいる位置がいかにとんでもないレベルであるかを示しています。

他の記録を見ていくと、通算記録に出てくる現役選手の少なさがわかります。もちろん、現役の選手より過去の選手の方がずっと多いわけですから当然なんですが、それでも現役選手が記録を更新する可能性を考えるとかなり厳しいものを感じます。投手記録についてはシーズン記録でも同じことが言えますね。投手の分業が進み、過酷な連投をさせなくなった今、47試合完投、541+1/3回登板あたりの記録はもう更新されることはないでしょう。42勝利、29敗戦あたりもまず無理です。

そんな中で、2部門の通算記録を更新し続けている現役選手がいます。三振数と死球数の通算記録保持者は読売ジャイアンツの清原和博選手。これまでシーズン記録にはなかなか縁がなかった彼ですが、長年主軸選手として君臨し、相手投手から恐れられてきたことは、こうして記録に残っています。特にこの2部門は、投手から執拗な内角攻めを受けてもひるまず踏み込んで、真っ向勝負を挑んできたからこその数字ですよね。個人的には好きではない選手ですが、敬意は表したいところです。


積み上げていくと言えば、長年シーズンを重ねていくことばかりではなく、1試合の中で積み上げていくものもありますよね。13日には、西武ライオンズの西口文也投手がジャイアンツ戦であとひとり抑えれば…と言うところでノーヒットノーランの快挙を逃しました。西口投手は3年前にもあとひとりのところでノーヒットノーランを逃しているんですよね。果たして「3度目の正直」はあるんでしょうか?。案外「2度あることは3度ある」を達成してくれそうな気がしているんですが。

そして、20日にはドラゴンズの川上憲伸投手が千葉ロッテマリーンズ戦で8回2アウトまで完全試合の快投を見せました。ここで打席には長打力のあるイ・スンヨプ選手。歩かせてもノーヒットノーランの可能性は残るところで、バッテリーは勝負に行ってホームランを打たれてしまいました。完全試合どころかノーヒットノーランも完封も吹っ飛んでしまったわけですが、見ている側としては実に爽快感が残りました。川上投手自身、ノーヒットノーランの経験はありますからね。より高いレベルの勲章への挑戦でした。

日付は戻りますが、19日の試合ではジャイアンツの工藤公康投手が完投勝利を挙げ、セ・リーグ最年長完投勝利の記録を更新しました。交流戦で「リーグ記録」というのも微妙な違和感があるんですが、それでも今年プロ24年目の超ベテランがまだまだ元気だという事実は変わりません。しかもこの日は13奪三振で、これも2ケタ奪三振の最年長記録だとか。彼もFA宣言でジャイアンツに移籍したときにドラゴンズが振られた…という思いがあってあまり好きではない選手ですが、やっぱり頭が下がります。


新しいカメラを買って2度目の週末。新緑の山にでも試し撮りに出掛けてみようかと思っていたんですが、あろう事か風邪を引いてしまい断念することになりました。ちょっと仕事で無理をしすぎてしまったせいか、金曜日にはかなり体調が悪く、体温計を買って帰宅して(実は我が家には体温計が置いてなかったんです)計ってみたら38度ちょうど。それでも野球をテレビ観戦しながら盛り上がってしまいましたが。

昨日一日おとなしくしていたらようやく体調は落ち着いてきましたが、今日の天気はあいにくの雨。カメラの本領発揮はまた先送りになってしまいました。まあ、全然あわててはいませんけどね。放っておいてもそのうち出番はやってくるはずです。撮りたいモノはこれからもいくらだって出てくるでしょうし。



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