Alcohol 0.00%

最近巷で話題になっている飲み物に、「ビールテイスト飲料」というのがあります。その名の通り、酒類であるビールの雰囲気に近い飲み口が特徴なんですが、本来ビールには5~6%程度含まれているはずのアルコール分を全く含みません。
以前から「ノンアルコールビール」という商品は確かにありました。しかし、これらの製品ラベルをよく見ると、1%未満ではありますがアルコール分が含まれていました。法律上はこれなら一応酒類ではない(酒税が課税されない)わけですが、飲んだときにアルコールによる身体への影響は全くないとは言い切れません。
特に、道路交通法における酒気帯び運転の判定基準が非常に厳しくなっている(呼気中の0.15mg/l以上で違反点数13点、0.25mg/l以上で違反点数25点)ので、これら「低アルコール飲料」でも、多く飲んだり、飲んだ直後だったりすれば、全く自覚症状もないのに引っかかってしまうかも知れません。しかもそれが原因で運転免許の取消処分を受ける可能性が相当高くなります。
さらに、道路交通法では、飲酒運転が摘発されたとき、運転者だけでなく運転を容認した同乗者、さらには飲酒に同席した者や酒類を提供した者にも運転者に準ずる罰が科されるようになり、「アルコールを飲ませない責任」も厳しく問われるようになりました。こんな情勢の中で、まさに額面通り全くアルコール分を含まない「Alcohol 0.00%」のビール風飲料への需要が高まったわけです。


私自身も普段から車を運転する上に、ビールを飲んで楽しく騒ぐのも好きですから、こうした飲み物への関心はありましたし、以前に飲んだこともありました。しかし、微量でもアルコール分を含んでいるのが気になっていたこと、そして何より味が本物のビールと全然違うことが原因で、もう何年もの間遠ざかっていました。
発泡酒や「第三のビール」が出てきたときにも、一応試しては見たものの、「これじゃビールの代わりになんかならない」と断を下し、ビールしか飲んでこなかった私です。いくらその場の雰囲気に合わせるためとはいえ、大して美味しくもないものを飲むことを受け入れられるはずがありませんでした。
それに、アルコール分が含まれていてこそビールは飲み物として成立するもので、そうでなければただの苦い炭酸飲料に過ぎないと思っていました。昔仕事で付き合いがあった方が、雑談の中で「ビールなんて、アルコール分が入ってなけりゃ、あんなにマズいもんはねぇよ」と話していたのを、今でもしばしば思い出します。私も「全くそのとおり」と相づちを打ったものです。
しかし、昨年6月の道路交通法改正以降に登場した、今どきのビールテイスト飲料は、全くアルコールを含まないのに、味の方も以前のノンアルコールビールよりはずいぶんしっかりしていて、結構ビールっぽく飲める!という話を各方面で耳にしています。ニーズを受けて技術開発も進んでいるのでしょうか。正直なところ、あまり気は進まなかったんですが、ちょっと「怖いもの見たさ」も手伝って、ともかく飲んでみることにしました。


最初に飲んでみたのは「キリンフリー」。その名の通りキリンビールの製品です。今年の鹿島の花火のときに、車を運転していくのに会場でビールを飲むわけにも行かないので、試しに買って持って行きました。
妻の紫緒は同じキリンの「一番搾り」で、そして私はキリンフリーで乾杯をしました。以前飲んだノンアルコールビール(もう銘柄は忘れてしまいましたが)と比べると、確かに味はかなりしっかりしています。350mlの缶を空けるまで、雰囲気を楽しみながら飲むことができました。
ただ、ちょっと甘みが強いのは気になりました。例えばサッポロ「ドラフトワン」のような、麦以外をベースに作られた「第三のビール」に近い味わいです。ただ、この甘みがあるおかげで、アルコール分がなくても飲み物として楽しめる味に仕上がっているのかも知れませんから、一概に問題があるとも言えません。
その後、アサヒのW-ZERO(だぶるぜろ;3本買ってもどこかのスマートフォンにはなりません)も飲んでみましたが、ちょっと風味が違うものの、甘みが強いところはキリンフリーとよく似ています。各社でアルコールフリーを実現するための手法はいろいろ違っているようですが、甘さは一つのポイントのような気がします。本来、酒というものは糖を発酵させてアルコールに変化させているわけですからね。


次に試してみたのが、サントリーの「オールフリー」。これは、あまりの売れ行きで一時期出荷が延期されてしまう…というニュースで、初めてその存在を知りました。そこまで売れまくるのにはきっと何か訳があるのに違いない!ということで、ずっと気にはなっていましたが、ある日、紫緒が店頭で見つけたものを1本買って帰ってきました。
二人でビール用の陶器のタンブラーに移して飲んでみるとびっくり。ちゃんとビールの味がします。何より甘みがほとんどありません。アルコールは全く入っていないはずなのに、飲んでいる間は「酔っ払ってるんじゃないか?」と錯覚してしまうほどです。これなら、酔ってはいけないときの「ビールの代わり」として合格点ではないでしょうか。
その後、今度は350ml缶を2本買ってきたんですが、最初に1本をまたふたりで分けた後、ついつい2本目も空けてしまいました。これはもうホンモノの美味しい飲みものです。これでアルコール分0.00%、さらにカロリーも糖質もゼロだと言うんですから大したものです。
でも、さすがにこれまで飲んでいたビールをすべてオールフリーに替えよう!とまでは思いませんね。後で酔っ払ってしまうところまで含めて、ビールをビールとして楽しみたいことだってあります。代わりにはなるかも知れませんが、やっぱり別物です。


ビールテイスト飲料はアルコール分を全く含んでいないわけですから、法律上は未成年でも飲むことは禁止されていないことになります。しかし、缶の側面を見ると、「この製品は20歳以上の方の飲用を想定して開発しました」と明記されています。ビールをイメージさせてしまう飲み物を未成年に飲ませるわけにはいかない!ということで、こう書かざるを得ないのでしょうね。
それでも、高校生あたりが学園祭などの打ち上げに大量に買い込んで、飲んでいたりしそうな気はします。…というより、私たちの頃にこんな飲み物があったら、きっと飲んでいましたね。それで、万が一先生たちに見つかっても、「でも、これ酒じゃねぇもん」と開き直ったりして。先生方も、それこそ校則でも決めて縛らない限り堂々と叱れるほどの理由がありませんから、どうしたものか困ってしまいそうです。



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