5月末で卒FITを迎えることになる我が家。いよいよその日が近づいてきたわけですが、もちろん、ココまで何もしていなかったわけではありません。というよりも、ようやく次の話ができる段階になった…とも言えるのですが。前回の続きに入る前に、我が家の現状を改めて振り返りつつ、もうちょっと掘り下げてみましょう。

「卒FIT、迫る」のときに、こんなグラフをお見せしました。我が家で月々買電している電力と、中部電力に売電している電力を並べたものです。売電量と買電量がほぼ同じレベルで上下して、微妙にプラスになったりマイナスになったりしている…という形になっています。FITの期間は大幅に優遇された売電価格のおかげで収支がプラスになっていましたが、FIT後は売電料金が買電料金よりも大幅に低くなり、「我が家発電所」としては大赤字になる時代がやってきます。
実際には太陽光発電で発電された電力は全て売られているわけではなく、自家消費されている分もあるので、もう少し話はややこしくなります。右の2本のグラフ(最近5年間平均と太陽光発電導入前の2014年度)を見比べると、買電電力の減少分である約250 kWh / 月は、自家消費分と考えて良いでしょう。そして、これを売電量に加えると、発電された電力は実際には870kWh / 月以上はあるはず…ということになります。
蓄電池については、現在は深夜に充電する設定にしているので、買電して充電した分を後で放電して消費する…言い換えれば電力の消費時間をシフトしているだけになり、このグラフへの影響は差し引きゼロということになります。実際には蓄電池の充放電による損失も数%はあるはずなので、厳密にはもうちょっと面倒な話になるのですが…。

時間帯別の買電量(キャプションは「電力消費量」となっていますが、買電量の方が適切です)を見ると、昼間の電気はほとんど買わず、6割弱が午後11時から午前7時のいわゆる「ナイトタイム」(深夜電力)の購入になっていることがわかります。これは、たまたまそうなっているわけではありません。この時間帯が特別安くなるオール電化住宅向けの時間帯別電力料金契約をしているので、深夜に電気を使う形に誘導しているからです。
FIT期間中は、発電した電気は基本的に高く売って、安い夜の電気をタップリ使う…という戦略が、我が家発電所の収支を考えれば最善でした。しかし、発電した電気が買いたたかれるようになる卒FIT後は、「大しておカネにならない昼間に発電する電気」は「タダで使える自家製の電気」として使った方が有利で、深夜電力は「買わなくてはならない、昼間の電気よりも高い電気」になります。夜よりも昼間にもっと電気を使う形に、我が家の電力消費構造を大転換しなくてはならないのです。
まさにこういう目的のために使えるのが蓄電池なのですが、我が家の蓄電池は容量が4.0kWhしかないので、1日1サイクルを毎日フルに充放電したとしても(4.0 × 30 = 120 kWh / 月)、現在売電している約600 kWh / 月以上の電力はとても使い切れません。さらに数百万円を投資して蓄電池の容量を増やすのも、収支改善したい現在の状況からすると割に合いません。
深夜に動かしている電化製品は、実は結構いろいろあります。これらの運転を全て昼間に移動できれば理想的なのですが、日々の生活の流れで時間が動かせないモノも結構あります。洗濯機はタイマーを掛けて全て昼間に回すようにしたり、夕食と朝食の分をまとめて食洗機に掛けるために食器を2組用意したり…なんて暮らしは、できないわけではないでしょうけれど、これはこれで相当面倒な話で、ストレスも溜まりそうです。
しかし、そんな苦労をしなくても、現状でもっと大量に深夜電力を使っている機器に手を入れることで、劇的に状況を改善する方法があります。結果的に我が家の選択はそちらに動いたわけですが…ちょっと長くなりそうなので、続きはまた回を改めて。
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