ダウングレードへの決断

アップグレードしたばかりなのに

OSをWindows 2000からWindows XPへとアップグレードしたばかりの私の自作機なんですが、またWindows 2000に戻すことにしました。アップグレードしたときには「問題はないだろう」とそれなりに自信を持って判断したんですが、予想もしなかったところから問題が出てきてしまったんです。まあ、後になってから振り返ると見通しが甘かったとも言えるんですが。

順を追って説明します

話は音楽関係から始まります。昨年12月に、YAMAHAから新しいオーディオ/MIDIシーケンスソフト・「SOL」が発売されました。有名な楽器メーカーであり、コンピュータを演奏に使うことについても先鞭を付けたメーカーの一つであるYAMAHAが久々に放った本格派ソフトです。

最近の他社製品と同様、MIDI演奏データとハードディスク上に録音した音声データを同列に扱うことが出来ます。特に音声データの処理は強力で、音程を変えないまま長さを変える(テープの回転速度を変えると曲の長さが変わりますが、音程も変わりますよね)タイムストレッチ、音声からリズムを検出しテンポに同期させた再生を行うタイムスライス、各音声のバランス調整とエフェクト処理を行うミキサーなどは、業務用の機材に匹敵する能力を備えています。さらに、従来の製品である「XG Works」と同様、同社製音源の強力なコントロール機能を持っています。音源コントロール機能のためにだけ「XG Works」を使っていた私としては、ソフト自体の音楽制作機能がアップするなら非常に嬉しいわけです。

Webページから体験版…何とサイズは50MBもあるんですが…をダウンロードして使ってみたところ、想像していたよりも動作は軽快でした。少なくとも、これまで使っていた「Singer Song Writer」よりも軽いです。数値打ち込みだけは「レコンポーザ」に及ばないと思いますが、それ以外では十分に使えると踏んで、早速購入を決めました。既に「XG Works」を持っている私は、優待販売があったので定価(39,800円)よりもずいぶん安く買えました。

ハードウェアの対応も必要

ソフトウェア側に業務用機器に匹敵する能力があっても、それだけでは単なるデジタルデータです。実際の「音」と結びつけるには、それに見合った高音質のオーディオインターフェースが必要になります。もちろん、ここで必要な機能はせいぜいステレオ音声の入出力ですから、本物の業務用機器よりはずっと安価に買えるんですが。

UW500とMU1000EX

Sound Blasterを売り払ってから、光デジタル入力も扱えるオーディオインターフェースをいろいろ物色していたんですが、結局購入したのはこれまたYAMAHAのUW500(写真上)。アナログ・デジタルの音声だけでなく、手持ちの音源・MU1000(写真下)と専用ケーブル1本で直結すればMIDIデータのフルコントロールも可能…という純正品の強みがあります。USBケーブルでの外付け接続ですから、音質面でも有利です。販売価格は2万円台半ばの製品なんですが、大阪で中古品が19,800円で売られていたのを見て購入に踏み切りました。

さらに、MU1000の方もファームウェアのアップデートが行われ、EX仕様になりました。もともとMU1000には内蔵エフェクターを通してデジタル処理できる外部入力が装備されていますが、EXでは外部入力、エフェクター、光デジタル出力に関する機能が強化されました。UW500自体はシンプルなUSBオーディオ/MIDIインターフェースなんですが、MU1000 EXと光デジタルケーブルで接続すると最大8系統のマルチエフェクター内蔵USBオーディオインターフェースとして使えることになります。

結局はドライバが原因

こうして新しい音楽制作環境が整いました。早速自作機にこれらハードウェアやソフトウェアをセットアップし、まずは既存の曲データを読み込んで編集してみたんですが、どうも変です。音声データとMIDIデータのタイミングが合いません。見事なまでに音声データが遅れています。

パソコンの側から音声データやMIDIデータが送られてから実際に音が鳴るまでの間には時間差があります。特に、音声データの方が単位時間あたりのデータが多く、データをバッファにある程度貯め込んでから演奏を始めるので、どうしてもタイミングが遅くなります。バッファを小さくすれば時間差は小さくなりますが、今度はノイズが入る原因になります。

UW500の場合、基本的にはMicrosoft社が提供するWindows標準のUSBオーディオドライバを使います。時間差は数十ms程度に出来ることになっていますが、実際にやってみると雑音だらけ…と言うよりも音にすらなりません。300ms程度にすると音質は安定してきますが、これだけ遅れるとさすがに違和感があります。中くらいのテンポの曲の8分音符に匹敵しますからね。まあ、Microsoft社に音楽制作のための環境まで要求するのは少々酷な気もしますが。

実は、発音の遅れについてはASIO(Audio Stream Input / Output)という素晴らしい解決策が用意されています。ASIOは、シーケンスソフト「Cubase」などで有名なドイツ・Steinberg社がハードディスク録音のために作ったドライバの仕様で、高音質、マルチトラック、そして何と最速数msで発音するという時間差の少なさが特徴ですね。SOLはASIOドライバでの演奏に対応していますし、UW500にもASIOドライバが提供されていますから、ここは是非使ってみたいところなんですが、このドライバがWindows XPにはまだ対応していなかったんです。Windows 2000用のドライバが提供されているので、これが使えるのでは?と踏んでインストールしてみましたが、全くダメでした。

メリットも見つからず

Windows XPにアップグレードはしてみたものの、高速でお手軽なネットワークとして期待していた1394接続には見事に裏切られ、省電力の管理強化で改善するかも?と期待していたスタンバイ状態からの復帰にも失敗し…と、XPならではのメリットが享受できていない状態が続いていました。もう一つの期待の機能・リモートデスクトップは確かに使えます(これについては改めて紹介したいですね)。しかし、これもサーバー側にはWindows XP Professionalが必須なんですが、クライアント側は旧バージョンのWindowsにもインストールできてしまいます。つまり、「デスクトップ機からノートを操作する」ためなら、デスクトップ側にWindows XPは不要なんです。

こんな状況なら、ASIOドライバの使えるWindows 2000の方がいいかも…と思ったわけです。パソコンは自分の使いたいように使えなければどんなに新しくても意味がありません。そんな基本に立ち返ってみることにしました。



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