やっぱりデジタルにこだわる

流れるWindows 2000起動画面

実害はなかったんですが

自作デスクトップの画面を液晶ディスプレイにしてからもうすぐ1年になります。EIZO・FlexScan L465は鮮やかな発色がお気に入りなんですが、ただ一つ気になっていたのが、←DVI接続したときに横に流れたようになるVGA画面。原因は、DVI接続するために購入したRADEON8500 LEなど一部のRADEONシリーズとL465との相性問題だったらしく、問題解決の方法は「アナログRGBで接続する」しかないのだとか。これでは、私にとっては何のためにRADEON8500 LEを買ったのかわかりません……まあ、事前の情報収集が甘かった私の落ち度ではあるんですが。

普段はPCを再起動することもあまりないので(使わないときはスタンバイ状態にしておきますから)それほど実害がないと言えばないのですが、BIOS設定画面も流れてしまうのは不便です。仕方がないのでアナログRGBのケーブルも繋いであったんですが、今度はせっかく薄くなってすっきりしたはずのディスプレイ裏側に余計なケーブルが1本増えることになり、これまた面白くありません。

買い換えは「より高く」の法則?

そんなわけで、今年は一年中頭の中のどこかで「ビデオカードを買い換えよう」と考え続けていました。DVI接続をするためだけならかなり選択肢も多かったんですが、何しろ当時最先端のビデオカードを購入したわけですから、買い換えることによってグレードダウンしてしまうのは寂しかったんですよね。そんなわけでしばらく様子見となりました。

RADEON8500 LEとRADEON9700 Pro

今年の後半にはちょうどビデオカードの大きな世代交代の波がやってきました。その中で話題の中心にあったのがATIのRADEON9700 Pro(写真下)でしたね。DirectX9への完全対応(と言ってもDirectX9自体はまだ出ていないんですが)を謳って登場し、3次元CGの描画では驚異的なパフォーマンスを叩き出します。RADEONということでL465との相性が心配になりましたが、9700 ProについてはEIZOで動作確認が行われていたので購入することにしました。価格はバルク品で37,800円でしたが、前回とは違い手加減無しの最高クラスですからある程度高価なのは当たり前です。しかも、他社の最上級製品と比べると決して高価ではありません。「戦略価格」でもあるのでしょうけど。

こだわってる場合ではない

ボード本体を見てみると、RADEON8500 LE(写真上)と全く同じ大きさのボードに2倍以上の大きさのヒートシンクと冷却ファンが搭載されています。RADEON9700は1億個以上のトランジスタを集積して作られた超高密度のプロセッサですから、発熱もかなり多いのでしょう。もちろん消費電力自体が大きいわけで、AGPからの電力供給だけでは間に合わなくなったのか、電源から直接電力供給を受けるようになっています。各方面の記事の通り、この電源を繋がないと使用できません。

CPUの隣にGPU

実際に取り付けてみると、CPUとビデオカードの二つの強力な発熱源がすぐ隣り合わせに位置していることを改めて実感することになりました。そこで、ケースに付属していたんですがこれまでは取り外してあった側面吸気のファンを、改めて取り付けることにしました。もちろん騒音もその分だけ増えるんですが、冷却が不十分で動作が不安定になったりしては困りますからね。静音を取るか、パフォーマンスを取るか?…と訊かれたらパフォーマンスを選んでしまう私はやっぱりスピード狂なんでしょうか。一番大事なのは全体のバランスだとは思っているんですけどね。

流れなくなったWindows 2000起動画面

最高峰の実力は?

とりあえず起動画面は流れなくなりました。ディスプレイ背面の配線も細いDVIケーブルだけにしたので、実にすっきりしました。というわけで当初の目的はあっさり達成された訳なんですが、せっかく現在最高峰のビデオカードを取り付けたんですから、ここはやっぱりベンチマークなど取ってみることにしましょう。

まずはリアルタイム3Dを評価するときの定番、3DMark2001 SEから。DirectX8.1を使っての描画能力が試されるベンチマークですね。数値は3回の3D Mark値の平均です。RADEON9700 Proでは純粋なハードウェア処理ではなくエミュレーションによる実行になるんですが、それでも段違いのパワーを見せつけてくれました。ただ、このベンチマークもあまりに有名になりすぎて、逆に当てにならないような気もします。メーカー側がこのスコアを高くするようなチューニングをしている…という噂も聞きますし。

3DMark2001 (1024×768, 32bit color)
RADEON8500 LE 7945
RADEON9700 Pro 11842

もう一つ、DirectX系のベンチマークをやってみましょう。スクウェアの放った話題のネットワークRPG・ファイナルファンタジーXIの動作確認用に配布されているオフィシャルベンチマークです。こちらも数値は3回のSCORE値の平均です。3DMark2001ほどの差は出ませんでしたが、RADEON9700 Proの方が明らかに高いスコアを出しています。どちらも、十分にゲームが楽しめるレベルであることは変わらないんですけどね。

FF XI Bench
RADEON8500 LE 3599
RADEON9700 Pro 4019

最後にちょっと趣を変えたOpen GL系のベンチマークをやってみます。こちらはSo-netの「愛玩メールソフト」・PostPet V3の動作確認用に作られたPostPetMark1.11です。メールソフトにそんなハイスペックを要求しなくても…という論議はさておき、このベンチマークでも両者の差は予想外に小さいものでした。

PostPetMark1.11
RADEON8500 LE 2718
RADEON9700 Pro 2909

総合してみると、何だか拍子抜けしそうな結果になりました。「な?んだ、大したことないやんか」と言いたいところですが、3次元CGのベンチマークが全てビデオカードの性能差を明確に示せるわけでもないと思いますしね。それ以前に、後の二つはアプリケーションの動作試験用ですから、負荷が軽すぎて差が出ない…というのが実態だと思うんですが。

DirectX9では、ビデオプロセッサ内部での描画をプログラミングする自由度が上がり、より高度な表現が出来るようになるのだそうですね。DirectX9が市場に登場して「RADEON9700にしか描けない絵」が出てくると、ようやくこのビデオカードの真価は発揮されるのでしょう。ビデオカードの性能競争の基準そのものが、これまでのスピード基準から変わっているのを感じます。



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