今年もフィギュアの冬

昨日・12月3日は、アクトシティ浜松大ホールでベートーヴェンの第九を歌いました。今年もほぼ満員に近いお客様たちの前で、無事歌いきることが出来ました。今年の指揮者は松尾葉子さん。リハーサルまでは、まるで私たちを煽るようなとにかく速い指揮。それに合わせて緊張感が高まった私たちに対して、本番では微妙に抑えつつも(それでも十二分に速かったと思いますが)躍動感溢れる演奏を作り上げてくれました。「女性としては」なんて形容は全く必要ない、素晴らしい指揮者です。

演奏会後の打ち上げでは、練習皆出席の方、チケット販売枚数の多い方、連続出演回数の記念など、いろいろな表彰が行われます。なかなかこうした表彰には縁がない私なんですが、来年もステージに上がれば「5年連続出演」で初めて表彰してもらえることになります。来年に向けての励みになりますね…と、気が付けばすっかりやる気の私。もはや中毒のレベルかも。


この第九演奏会のこともあって、見られなかったテレビ中継があります。12月1日から大阪・なみはやドームで行われた、フィギュアスケートのNHK杯です。世界各地を転戦するグランプリシリーズの最終戦として位置づけられているこの大会。いよいよ来年2月に迫ったトリノ冬季オリンピックに向けて、出場権争いにも注目が集まります。

前からときどきWeeklyの話題に取り上げているとおり、フィギュアスケートは大好きな競技のひとつです。仕事でも最近ちょっと忙しかったりして、テレビ放送のある時間には帰宅できなかったんですが、ニュース番組やスポーツ紙の記事はちゃんとチェックしていました。ようやく見られたのが今晩のエキシビジョン。上位入賞の選手たちが、競技としての枠を外したところで、伸び伸びとした楽しい演技を見せてくれました。


女子シングルは、全てのスポーツの中でも日本人選手たちが世界のトップレベルで大活躍している競技の一つです。女子としては世界初の4回転ジャンプで注目されて、今やすっかり人気、実力ともに日本のエースとなった安藤美姫選手は、今回は精彩を欠いて4位。それでも、世界で6人だけが出場できるグランプリシリーズのファイナルには残りました。ここまで封印し続けた4回転ジャンプ。大舞台に向けて、そろそろ見せてくれると期待しています。安全策だけでは、世界では戦えません。

今回の優勝者は中野友加里選手。彼女にも3回転半ジャンプであるトリプルアクセルという武器があります。今回のフリー演技でも挑戦したものの、残念ながら失敗。しかしその後の演技は綺麗にまとめましたね。彼女もファイナルに駒を進めました。フランス杯で優勝した浅田真央選手もファイナル進出。実に6人中3人が日本人ということになります。しかも3人とも愛知県出身。あの伊藤みどり選手以来の伝統ですね。素質というよりも指導者に恵まれて…という面が強いとは思いますが。


男子シングルでも、女子ほどではありませんが日本人選手が世界を相手にがんばっています。今年は、織田信成選手がショートプログラム2位からフリーで逆転しての優勝となりました。これで男女シングルはアベック優勝。日本で行われたNHK杯だとはいえ、地の利だけではなかなかできることではありません。

織田選手といえば、その名前からも何となく連想できるとおり、最初は戦国武将・織田信長の末裔ということで注目された選手ですが、どんどん実力を付けています。未だにメディアでは「信長の…」という質問を振るインタビュアーが多いわけですが、もうそんな看板は必要ないでしょう。

ちょっと面白いのは、インタビューを聞いていると織田選手の側でもそういう取り上げられ方を結構楽しんでいるように感じられること。親子2代で同じ分野で活躍している人だと「親の七光り」などと言われ、それにかなり嫌悪感を露わにする人も見かけますが、さすがに400年以上も昔の先祖ともなるとほとんど他人のようなものですからね。気にしても仕方ないのでしょう。フリー演技の曲に「座頭市」を選んでしまうあたりには、まさに自らの血筋をパロディーにしてしまう彼の茶目っ気を感じます。


トリノオリンピックのフィギュアスケートでの日本選手出場枠は女子で3人、男子はたった1人。出場権を決めるために、グランプリシリーズなどの成績を元にしてポイントを与え、これを集計するのだそうです。ポイントの多い選手から順番に選ぶ…ということなら話は簡単なんですが、日本スケート連盟は「ポイントのみで選ぶとは限らない」というところを妙に強調しています。

大会ごとに出場選手のレベルが一定でないから、順位でポイントを与えるこのシステムだけでは決められない…ということだそうですが、それなら何のためにポイント制なんか取っているのかがよくわかりません。確かに、大きな国際大会では最近の実績だけでは測れない要素が影響することもあると思うんですが、いかにも胡散臭さを感じてしまいます。

こうしたことは他の競技でもよくあることですよね。明確な基準がなかったり、基準があったとしても例外を認めていたりすると、裏に何か工作があるのでは?とついつい勘ぐってしまいます。まあ、どう決めたところで疑問や不満は出てきてしまうわけですが。

フィギュアスケートは昔から大好きな競技です。今回のNHK杯では、ほとんどテレビでの放送が見られず残念でした。まあ、とりあえず録画はしてあるので、これから少しずつでも見てチェックしようと思っていますが。

競技そのものの面白さはもちろんあるわけですが、世界のトップで戦っている日本人選手が多いこともフィギュアスケートに注目する要因の一つだと思います。日本人選手には芸術点よりもジャンプなどの技術の高さで勝負しようとする選手が多いような気がしますね。もともと個性をアピールすることが苦手な国民性が影響しているのかも知れません。



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コメント

“今年もフィギュアの冬” への3件のフィードバック

  1. 水上紫緒のアバター
    水上紫緒

    演奏会、お疲れ様でした。とってもすばらしい演奏でした。そうですか、もう来年は五年表彰なのですね。私は来年こそは!と思っていますが……どうでしょう。来年参加できれば、私も五年目になるんですが、連続じゃないところが悲しいです。

    エキシビジョン、ほとんど終わりごろでしたが見ました!フィギュアスケートは私も好きでいつも楽しみに見ています。アメージンググレイスのあの澄んだ歌声に合わせて、中野選手の可憐で美しい演技にうっとりでしたね!そうそう、織田信成選手がパジャマ姿で出てきたときには、あまりのかわいらしさに目が釘付けになってました(笑)しかし、見れば見るほど信長にそっくりだなぁと思いませんか?まだ少年の幼さが残る笑顔で、でもジャンプは力強くて。解説でも言ってましたが、そのアンバランスなところがまた彼の魅力なんでしょうねぇ。

  2. かば姉さんのアバター
    かば姉さん

    自分には絶対できないと思ってしまうけど、音楽とスケーティングのバランスを楽しみます。
    中国ペアのマツケンサンバには笑ったけど、大技を堪能させていただきました。(笑)
    なによりエキシビションは、選手がのびのび滑っていて楽しんでいるのがよくわかりますよね。
    グランプリファイナルも楽しみにしたいですわ

  3. S.S.K.のアバター

    紫緒さん、第九の演奏会は聴きに来てくれてありがとうございました。紫緒さんがお休みで留年(?)している間に、同級生に追いついちゃったんですね。お仕事も相変わらず大変なのでしょうけど、来年こそは是非ご一緒しましょう。

    織田君のパジャマ姿は、確かに世のお姉さま方のハートをわしづかみにしてしまいそうだな…と思いました。それよりも、やっぱり優勝が決まったときのあの号泣ぶり。泣いてあれだけ絵になるのも大したものです。手に持っているのが黄色と黒の縞模様、阪神タイガースのタオル…というあたりがこれまた何とも(笑)。天然なのか、緻密にウケを狙ってるのか。いずれにしても、彼の底知れぬ才能を感じさせてしまいます。

    かば姉さん、いつもいろいろお世話になってます(笑)。ペア競技は、やっぱり二人の共同作業による大技が見所ですよね。エキシビジョンでは、女性が男性を振り回す…という、普段とは違う見せ方の演技がしばしば見られます。まあ、あのくらいのことができないと、本番の演技もあんなにきっちり決められないはずなんですが。持ち上げる側だけではなく、持ち上げられる側にも相応の筋力が必要です。

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