果報は寝ずに待て

2月10日からイタリアのトリノで開催されていた冬季オリンピック大会は、27日の閉会式で幕を閉じました。先にもブログでちょっと触れたんですが、ウィンタースポーツはするだけでなく見るのも大好きな私なのに、今回は開催期間中にWeekly SSKでは一度も取り上げませんでした。

これには、ブログを開設したことも影響はしているのでしょうけど(実際に会期中に1件投稿しましたし)、やっぱり日本人選手のメダル獲得個数が少なかったことの影響は否定できません。この大会で日本人選手が獲得したメダルは、フィギュアスケート・女子シングルで荒川静香選手が獲得した金メダル一つだけ。期待されている種目の、多くの人々の待ち望んだメダルに、終盤になってようやく盛り上がったわけですが、それでも、マスコミでの取り上げ方など、全体的には盛り上がりに欠けたような気がします。

特に、開幕直後にスノーボードやフリースタイルスキーなどの成績が全然伸びなかったことが、全体の熱を冷ましてしまったような気がします。それも、全員予選落ちだったりして、メダル争いにすら絡めない…という状況では、マスコミも報道体制の作りようがありません。その後、期待のスピードスケートやジャンプでも成績が伸びず、テレビのキャスターたちにも不完全燃焼で欲求不満の色がありありと出ていました。

自信に満ちあふれた言動の選手が多かったのも、悪い方向に働いたかも知れません。特に日本では、こういう言動は嫌われる傾向にある気がします。実際に勝てればまだ良いのですが、結果が出せないとそこがやり玉に挙がったりします。しかし、彼らの強気な言動もメンタルコントロールの一環としてプラスに働く…という面を理解する必要はあると思います。

一昨年のアテネ夏季大会のときのようなメダルラッシュをどこかに期待してしまったのかも知れません。でも、4年前のソルトレークシティ大会のときと同じように、メダルがもらえた競技は少なかったものの、入賞した選手はそれなりにたくさんいます。特に今年目立ったのは、4位入賞の選手が5人もいたこと。この中には、アルペンスキーで半世紀ぶりに入賞…という快挙もあります。4位から3位になるためには大きな壁があるんだ…という意見もあるでしょうけど、少なくとも応援する側がここにこんなに冷たく線を引いてしまうのは、絶対間違っていると思います。


報道の熱さには関係なく、興味のあるものは見る…というのが本来の私のスタンスなんですが、今回のオリンピック期間中はいろいろと忙しいことが多く、テレビで生中継を見られるだけの余裕はありませんでした。日本とトリノの時差は8時間。日本時間では深夜から早朝に掛けて山場の来る競技が多く、生中継を見ようと思えば、ただでさえ足りない睡眠時間をさらに削らなければなりません。

そんな私が、この大会で初めて朝5時前に起きてテレビの生中継を観戦したのが、フィギュアスケートの女子シングル・フリー演技。日本選手唯一の、荒川選手の金メダルが決まったアレです。既に前半のショートプログラムで好成績を挙げていましたから、ある程度期待が持てる…ということはあったんですが、何故か彼女が金メダルを取りそうな気がして、早く起きてみたんですよね。

結果は皆さんもご存じの通り、荒川選手の逆転勝利。やっぱり、生中継で見なくちゃいけないのかな…と思ってしまいました。そういえば、開会式のときに世界三大テノールの一人・パヴァロッティは「誰も寝てはならぬ」と歌っていたじゃないですか。…まあ、実際には私が見ているかどうかなんて全然関係ないんですけどね。

荒川選手は、その「誰も寝てはならぬ」が歌われるオペラ「トゥーランドット」の曲をフリー演技の曲に選びました。この曲は彼女が一昨年の世界選手権で優勝したときの曲で、縁起を担いだとも言えるわけですが、この曲に決めたのは開幕直前に現地入りしてからだったとか。つまり、開会式で歌われることは知らずに、急遽同じ曲に変更したことになります。もちろん偶然だとは思うんですが、きっと彼女は運命じみたものを感じたに違いありません。これも精神的にプラスに働くはずです。


ところで、今回の金メダルとともに有名になった荒川選手の得意技が、上体を大きく後方に反らせながら滑走するイナバウアー。その後まだ10日ほどしか経っていないのに、早くもフィギュアスケート以外の各方面で「イナバウアー」が連呼されています。ひょっとすると今年の流行語大賞には顔を出してくるかも知れません。

しかし、この技は技術点の採点基準の中で加点要素とならないのだとか。現在のフィギュアスケートの技術点は、技の一つ一つやそのコンビネーションにそれぞれ基礎点が定められていて、これが実際に成功したかどうかに実施点が付けられ、これらの合計となります。そもそも基礎点が定められていない技には点数が付きません。

荒川選手は、オリンピック前の試合でいろいろな演技構成を試しながら、どんな構成で点数が出やすいのかをリサーチしていたのだとか。まさに競技での勝利に掛けた執念だと思うわけですが、そんな中でもイナバウアーは入れてきたわけです。点数だけにこだわるのではなく、自らの「魅せる滑り」へのこだわりも大事にしたのでしょうね。

競技前のインタビューでは「オリンピックの雰囲気を楽しみたい」と答えていた彼女でしたが、それはその舞台までの準備を用意周到にしてきた自信の表れだと思います。まさに不断の努力。「果報は寝て待て」ではなかったんですね。

今回の記事は、タイトルだけがずいぶん前から決まっていて、記事は後からいろいろと積み上がってきました。トリノオリンピックの開会式で、パヴァロッティの「誰も寝てはならぬ」を聴いてからずっと、オリンピック記事でこのタイトルを使おう!と思っていたんですよね。記事になるのはずいぶん遅れてしまいましたが(笑)。

今回の大会でメダルが1個しか取れなかった…と騒いでいますが、2002年の前回大会でも2個しか取れていないんですよね。トップレベルのアスリートは紙一重の世界で戦っているんですから、こういうことだってあります。一見いい加減で自信過剰なだけに見えるスノーボードの選手たちも、当然普段からの努力を欠かさなかったはずです。彼らの全力で挑んだ日々をもっと評価してあげなくては。

4年に1度の一発勝負に賭けなくてはならない彼らへのプレッシャーは尋常ではありません。少なくとも、国の代表にメダル獲得を望むのなら、国がサポートをもっと厚くするべきです。…と私はかねてから言い続けているわけですが、夏の大会向けにはずいぶん進んできたものの、ウィンタースポーツ向けにはまだまだのようですね。

資金源として期待されていたtotoも、今やじり貧状態だそうです。私自身も最近はtotoは買っていないんですよね。いくら何でも、あまりにも当たらなさすぎます。新方式の導入、コンビニやネット経由での購入…と、策は打たれているんですが、今後どうなっていくのでしょうか。



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