ウィルコムから、「次世代PHS」として準備されてきた新しいデータ通信サービス・WILLCOM CORE XGPの開始が発表されました。4月から始まっていたエリア限定サービスが、期間を「9月30日まで」と区切っていたので、10月1日からのことについて何らかのアナウンスがあるはず…と思って待っていましたが、残り1週間になってからのギリギリの発表でした。
しかも、サービスエリアはエリア限定サービスのときとほぼ変わらない山手線の内側の一部。2010年3月までは基本利用料の4,380円とPRIN接続料の935円をいずれも免除、募集人数も東京23区内在住のウィルコムユーザー400人に限定…と、内容は「エリア限定サービスを半年延長しただけ」と言わざるを得ません。もう少し規模を拡大してサービスが始まるのではないかと思っていただけに、落胆は大きいですね。
WILLCOM CORE XGPのライバルと目されていたモバイルWiMAXは、既にUQコミュニケーションズにより3大都市圏でのサービスが始まり、Webサイトでのサービスエリア案内によると、年内には静岡県内の主要部でも使えるようになりそうです(もちろん下田市は対象外ですが…涙)。ずいぶん差を付けられています。
しかも、ここに来てウィルコムが債務返済の延期を求める事業再生手続きを進めていることが明らかになりました。まだ倒産したわけではないので、サービスは継続される予定ですが、巨額の投資が必要な通信事業にとって、大きな不安材料です。WILLCOM CORE XGPのサービスエリア拡大は、2010年初頭にも発表される予定…となっていますが、これもおそらく資金計画次第なのでしょう。
大きなシェアを獲得すればするほど有利になっていくのがこの業界の構造であることも考えると、現時点から事態を劇的に好転させるのは至難の業ではないでしょうか。WILLCOM CORE XGPが山手線の内側からサービスエリアを拡大できるのか、それどころか来年、再来年と生き残れるのか…よっぽどのどんでん返しがない限り、見通しは厳しそうです。
この記事も、ウィルコムのAIR-EDGE回線を使って投稿しています。月々の利用料金は、他社のモバイルインターネット接続と比較するとまあまあ安いんですが、さすがに0.1~0.2Mbpsという接続速度は他のサービスと比較するとあまりに遅すぎます。巷のインターネットを利用したサービスの多くが、もっと高速なブロードバンド接続を前提に作られるようになってきて、速度の遅さが大きなストレスになりつつあります。
これまでは、WILLCOM CORE XGPへの期待も込めて継続して利用してきましたが、これに当面は期待できないとなると、もう少し高速な通信速度が確保できるサービスへ移行した方がよいのかも知れません。様々な選択肢を念頭に検討してみましょう。モバイルWiMAXや3G携帯電話回線だけでなく、AIR-EDGEの枠内でももう少し高速化の余地はありますが、ウィルコム自身の将来性がどうかという問題もありますし…頭が痛いです。
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