ろくじゅうよん・かける・に

半期に一度の(笑)

大バーゲン…ではなくて大散財キャンペーン中のSSK Worldです。今季も無事ボーナスがもらえた喜びを噛みしめながら、半年間がんばってきた自分へのご褒美をいろいろと買い集めます。今回のテーマは「アーティスト・S.S.K.復活」。特に本格的な音楽活動の復活を目論んでいるんですが、その中で自作PCへの大幅なテコ入れをすることにしました。今回の最大のポイントは「パワフルな計算能力の確保」。月並みに見えるかも知れませんが、私にとってのパソコンがどんなツールかを考えると、ここが大事なポイントです。

もともと、最初にパソコンが欲しいと思った理由が「音楽制作に使いたい」でした。当時は、MIDI信号で電子楽器をコントロールして、多くのパートを同時に演奏させるためにパソコンを使っていました。しかし、現在はハードディスク上に音声を録音してMTRの代わりに使うようになった他、録音した音声にエフェクター処理を行ったり、それ以前に音そのものの合成をしたり…というところまでも含めて、CPUが音に関するほとんどを一手に処理してしまいます。こうなると、「PCがパワフルなほどできることが増える」という形が生まれてきます。録音・再生できるトラック数、同時に適用できるエフェクター数…優秀でシンプルなオーディオインターフェースさえあれば、あとはCPUの計算とハードディスクの読み書き次第です。

私の趣味の中にもう一つ、限りなく計算能力が要求されるものがあります。それは3次元CG。1枚の絵をレンダリングするために短くても数分、下手をすると何時間もかかってしまいます。こうなると、もう「適切なレベル」なんてものはなく、速ければ速いほど嬉しい…ということになりますね。こちらの場合、CPUの計算能力の他、膨大なデータを展開するためのメモリの容量、さらにそれを補助するハードディスクも重要です。

Athlon 64 X2 4400+と付属CPUクーラー

元気な2番手

パワフルな計算能力の要になるのはやっぱりCPUです。今回私が指名したCPUは、AMD社のAthlon 64 X2 4400+。これまで一貫してIntel社のCPUを使ってきた私なんですが、製造元のブランドにこだわらずに考えた結果、乗り換えを決断しました。Pentium 4を一回り大きくしたようなパッケージと、銅製ベースにヒートパイプと80mmファンを装備した巨大なCPUクーラーが印象的です。

Intelに次いでこの業界2位のAMDは、最近とても元気です。かつてはIntel製品用のソケットにそのまま挿せる安価な互換CPUで対決してシェアを伸ばしたことがありますが、1999年に独自ハードウェア仕様のAthlon(あすろん)を発表してからは、巨人・Intelに対して計算能力で真っ向からの勝負を挑み続けています。

相変わらずシェアは圧倒的にIntel優位なんですが、AMDは存在感を発揮し続けています。2番手に元気のある業界は、トップの地位が圧倒的でも活力を維持できるような気がします。日本の自動車業界がそうですよね。2位の日産自動車が復活するのに合わせて元気を取り戻してきたような気がします。トヨタ自動車がぶっちぎりの1位にいる構造もよく似ているでしょう?

搬入口も生産ラインも2つ

Athlon 64 X2の「64」は64bit CPUのこと。これまでの32bit CPUの2倍の桁数を一気に計算できる64bit化は、今後のCPUの進化におけるキーワードとなっています。AMDは、一般向けの64bit対応CPUではAthlon 64で先行。Intelが後から事実上のAMD互換となる製品を出さざるを得なくなりましたが、これはMicrosoft社が「わざわざ両社に別のWindowsは用意できない」と圧力を掛けたとか掛けないとか。PC業界の力関係は、ソフトウェア主導になってきています。

そして、「X2」はそのAthlon 64が一つのパッケージ上に2つ内蔵されていることを示します。一つのCPUを二つに見せかけているPentium 4のHyper-Threadingとは違い、正真正銘のデュアルコアCPUです。前に挙げた例えと同じ表現をするなら、Athlon 64 X2は搬入口も生産ラインも2つある工場…ということになります。製品名のX2は「えっくすつー」と読まれることが多いようですが、イメージはやっぱり「あすろんろくじゅうよん・かける・に」だと思いますね。現在はIntelにも「64bit対応のデュアルコアCPU」であるPentium Dがありますが、性能面ではAthlon 64 X2が優位に立っています。詳しい話は、またの機会があれば。

最後の「4400+」はモデルナンバーと呼ばれ、CPUの総合的な性能を相対値で示したもの…とされていますが、要するに「Pentium 4 4.4GHz相当」の力があることを示します。個々のコアの動作周波数は2.2GHzで、2倍するとちょうど4400なんですが、実際にはそんな単純な数字ではありません。デュアルコアになっても、計算能力が単純に2倍になるわけではありませんしね。実際に、シングルコアの場合には動作周波数よりもずっと高いモデルナンバーが付けられていますし、数字相応の能力を発揮するようです。

Athlon 64 X2は「4800+」が現在の最高クラスですが、さすがにCPUに10万円近くを出費するだけの根性はありませんでした。ちなみにこの4400+でも購入価格は約6万円。普通にパソコンを使う人たちからすればきっと理解不能でしょう。このくらいのお金があれば、ちょっとしたパソコン一式が揃っちゃいますからね。「2.2GHz・1MBのL2キャッシュ」という同じ仕様を持つシングルコア版・Athlon 64 3700+の2倍強という価格設定になっています。これは非常にわかりやすいですね。ちょっとくらいおまけしてくれてもいいのに…という気はしますが。

P4GD1(左)とGA-K8N Ultra-9

何でも×2

CPUを換えたことで、一緒に換えざるを得なくなったのがマザーボード。ソケット形状からして全く違いますからね。ここでは、GIGABYTEのGA-K8N Ultra-9(写真右)を選びました。欲しい機能はほとんど内蔵されている「てんこ盛り」マザーです。それにしても、これまで使っていたP4GD1(写真左)と見比べると、相変わらずGIGABYTE製品は派手な色遣いが目立ちます。

4台の日立ハードディスク

GA-K8N Ultra-9に採用されているnForce 4 Ultraチップセットでは、3Gbpsの転送能力を持つ新世代のシリアルATA IIインターフェースが4系統用意され、これを使ってRAIDを組むことが出来ます。そこで、今回はこれに対応した日立のハードディスクを選び、80GBを2台、160GBを2台の計4台用意しました。それぞれ2台を一組にして、ストライピングで運用します。重要なデータは玄箱にバックアップを取っていますから、ここは思い切って速度重視です。

メモリはDDR SDRAMが使われ、PC3200のデュアルチャネルに対応…となっていますから、これまでと全く変わりません。そのまま流用が出来るわけですが、今回は1GBを2枚追加購入しています。2系統にデータを分けてアクセスすることで速度を稼ごう…というデュアルチャネル仕様は、RAIDのストライピングと全く同じ発想ですね。考えてみるとCPUの中身にはコアが2つ、ハードディスクも2つずつ、メモリも2つずつ。最近のPCの高速化技術は「かける・に」が全体に流れるテーマになっています。

Windows XP Professional x64 EditionとShade 8 Professional(x64版)

一番効果のある2倍は?

メモリの増設にこだわったのは、OSにWindows XP Professional x64 Editionを購入したから。64bit CPUであるAthlon 64 X2のポテンシャルを発揮するために必要な64bit OSです。先ほど、「2倍の桁数を一気に計算できる」と説明しましたが、64bit化の最大のメリットは、メモリアドレスの指定に使える桁数も倍増することで、扱えるメモリの大きさが劇的に増えることです。32bit版のWindows XPでは、ユーザープログラムの扱えるメモリは最大2GB。これがx64 Editionでは一気に128GBに増やされています。だからこそメモリを増設したかったわけです。

もっとも、アプリケーションも64bit環境に対応していなければ恩恵が受けられません。今回は、キャンペーン中ということで、3次元CG作成ソフトであるShade 8 Professionalのx64対応体験版が付いてきました。もっとも、既にShade 8 Professionalの製品版ライセンスは持っていますから、これは別に要らなかったんですが。

このx64 Edition、先にブログでも触れたとおり、見た目はWindows XPとほとんど同じでも中身は全くの別物。デバイスドライバの整備やアプリケーションの対応もまだ完全ではありません。完全にこちらに乗り換えてしまうのはあまりにも不安ですし、だいたいそれ以前に使えなくなってしまう周辺機器も出てきてしまいます。そこで、とりあえず従来の32bit版もインストールして、併用することにしました。80GBのハードディスク2台で作ったストライピングアレイを80GBずつのパーティションに分けて、32bit版・64bit版の両Windows XPを入れてみましょう。

…と、こんな風にして始まった今回の自作PCグレードアップなんですが、この後に数々の困難が待ち受けていようとは、このときには知る由もありませんでした。ここで手こずってしまったせいで、いろいろな予定が大幅に狂ってしまいました。…詳しくは順次報告します。しばしお待ちを。

これまでになく「とんがった」ハイパフォーマンスPCを目指し、久しぶりに自作魂が燃え上がりました。それにしても、安定動作するまでにずいぶん手こずってしまいましたね。これから少しずつ整理しながら経過を報告しようと思っています。

今回の大散財シーズンはほとんどがパソコン周辺。ふと我に返ると、とんでもない金額をつぎ込んでいることに気付き、ちょっと凹んでいる私です。年末ジャンボでも当たらないかなぁ…(笑)。



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コメント

“ろくじゅうよん・かける・に” への3件のフィードバック

  1. かば姉さんのアバター
    かば姉さん

    どたばた、というよりジタバタって感じですか?(笑)
    「な~んで~?」って頭抱えてる姿が目に浮かびます・・。
    今回の散財シリーズは見事にPCのためのシーズンになったわけですね。来年は、その成果を期待しちゃいましょう。
    PCという道具が、宝箱になるのか。それともひっくり返したおもちゃ箱になるのか、まあ、s.s.kさんに限って言えばオブジェにはならないですね(爆)
    いろんな可能性を求めてとことんこだわるその姿勢には学ぶところ大です。

  2. 水上紫緒のアバター
    水上紫緒

    でも楽しそうだなぁと思ってしまいます。
    大散財とは言っても全部必要なものなら散財ではないでしょう?部屋の中が散在してるから、大散在シーズンっていうとか?(笑)全部、パソコン関係っていうのがS.S.Kさんらしいですけどね。しかし、かなりハイパフォーマンスなPCが出来上がりそうですね。私のはAthron2000+ メモリ1GB HDDは160GB、普通に使うなら十分ですが、S.S.Kさんには全然物足りないのでしょうね(笑)宝くじ、当たってるといいですね♪

  3. S.S.K.のアバター

    ★かば姉さん:
    ジタバタ…確かにそれはピッタリかも知れませんね。頭を抱える日々が続いてましたから(笑)。ようやくパソコンの動作も落ち着きました。これからどんどんこき使っていくつもりです。乞うご期待。とりあえず、遅れてる年賀CGを何とかしなくては。

    ★紫緒さん:
    大散在シーズン…これまた見事な形容かも知れませんね。一時は、6畳間に足の踏み場がなくなるくらいの状態でしたから(再び笑)。今回の買い物は、音楽制作に使うためのパソコンソフトや周辺機器が多いんですよね。パソコンなしでは使えないものばかりですが、「パソコン周辺」の一言で括ってしまうのはちょっと違うのかも知れません。

    そうそう、年末ジャンボ当たってましたよ…300円(涙)。またこの次に期待しましょう。

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