決める男、決められない男

金曜日・8日に、サッカーのキリン・チャレンジカップが開催されました。日本代表がアルゼンチン代表との試合に臨み、日本代表が何と1対0でアルゼンチン代表を破ってしまいました。これにはびっくりしましたね。まさか勝てるなんて思っていませんでしたから。
アルゼンチンといえば、現在世界ランク5位、今年のワールドカップ南アフリカ大会ではベスト8…などと説明するのも白々しいくらいの、世界に名だたるサッカー王国。代表の選手たちも、こんな時期にはるばる日本まで連れてこられ、長距離移動と時差ボケで本来の動きからはほど遠かったのでしょうけど、それを思いっきり割り引いても、日本代表にとっては大金星です。
ワールドカップでは、予選を勝ち抜きベスト16に残る健闘を見せた日本代表でしたが、この大会後に辞めた岡田武史前監督の後任がなかなか決まりませんでした。結局、新監督にイタリア人のアルベルト・ザッケローニ氏が決まったのは8月もほとんど終わる頃。9月上旬から組まれていた日本代表の強化試合では指揮を執ることができず、この日の試合が「ザック・ジャパン」の初陣となりました。
それにしても、この「ザック・ジャパン」という言葉からは、どうも強そうなイメージが浮かびません。いろいろ考えてみたんですが、どうも「機動戦士ガンダム」に登場するジオン軍の量産型モビルスーツ・ザクの語感と思いっきり被っているのが原因のようです。そういえば、妻の紫緒は、「ザッケローニ」という名前をテレビで聞いたとき、「ザビ家の鬼?」と聞き返しました。夫婦そろってガンダム世代です。


勝敗そのものにも驚きましたが、それ以上に驚いたのは、実にまともな試合展開。前半19分に流れの中から奪った先制点を、最後まで守りきりました。ワールドカップでも、堅い守りが機能したからこそ勝ち残れたわけですが、ワールドカップ後の試合では選手がかなり入れ替わっています。それでもちゃんと戦えたということは、組織的な守りの動きはもちろんのこと、一人一人の実力が底上げされているのでしょう。そもそも、監督が替わって戦術も変わっているわけですから、同じメンバーがいることの意味がどのくらいあるのかもわかりませんが。
守備のことよりもうれしかったのは、先制点の取り方でしたね。長谷部誠選手のミドルシュートをゴールキーパーがはじき、そこに走り込んだ岡崎慎司選手がねじ込みました。最後の一蹴りだけ絡んでゴールを奪うのを「ごっつぁんゴール」なんて表現で揶揄する人もいますが、ゴールを奪える場所に体を運んでいけること自体、一つの才能です。何より、どんな形であれ狙ったゴールを決めてこそ、なんですから。
ワールドカップ本戦の予選リーグ、対デンマーク戦で岡崎選手が奪った3点目も、そんな一蹴りで決めた得点でした。彼を見ていると、そのプレースタイルといい、風貌といい、あの「ゴン」中山雅史選手を彷彿とさせます。決めてほしいところで、決めてくれそうな男です。
近年、「ストライカー」と呼べる選手の不在に悩まされてきた日本代表ですが、最近は、そんな殻を破ってくれそうな選手がどんどん出てきています。もっと何か見せてくれるのではないかな?と期待させてくれますね。
余談ですが、今回の1点は、静岡県藤枝市出身の長谷部選手から、静岡県のJ1チーム・清水エスパルスに所属する岡崎選手につながって生まれたゴールです。昔ほど言われなくなった気はしますが、まだまだ静岡県は「サッカー王国」と呼ぶのにふさわしいタレントにあふれています。


ザック・ジャパンは、これ以上ないほどの派手なデビューを飾りました。勝ったことはもちろん嬉しいんですが、あまり浮かれてはいません。まだまだ世界のトップとの実力差は大きいと思っています。
ただ、自信を持って積極的に戦えば、一矢報いることができることは示してくれました。国内リーグとは違い、基本的に国際試合は同じチームと何試合も繰り返して対戦しない一発勝負です。とにかく、その一戦で勝ちさえすれば良いのですから、チャンスは十分にあるはずです。
次のワールドカップはまだ4年後。そのときに今のメンバーがそのまま出ていることはまずあり得ないでしょうし、そもそも監督のクビだってどうなっているかわかりませんが、今は夢を見させてもらいましょう。ここ一番でも、ビシッと決めてくれるのではないか?と期待してしまいます。


サッカーから野球に目を移してみると、プロ野球のパ・リーグでは、この3連休にクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが西武ドームで行われています。
昨日・9日の初戦では、リーグ3位の千葉ロッテマリーンズが、延長戦の末に逆転勝利を挙げました。2試合先取制で、先勝すなわち王手となるファーストステージですから、この1勝の意味はとてつもなく大きなものです。CSが始まって以来、リーグ3位のチームが日本シリーズに進んだことはありません。リーグ1位の福岡ソフトバンクホークスは、昔からどうもCSを苦手としていますし、ひょっとすると何か起こるかも知れません。


一方、セ・リーグはようやく開催場所が決まったところです。阪神タイガースは、7日の今季最終戦に勝利すればリーグ戦2位が確定し、ファーストステージをホームの甲子園球場で開催できるはずでした。しかし、この試合でタイガースはいいところなく完封負け。自力で本拠地開催を決めることはできませんでした。
この日の試合に勝利した読売ジャイアンツは、逆に翌8日の最終戦に勝利すればリーグ2位が確定し、東京ドームでファーストステージを戦えることになりました。その試合は、8回まで終了した時点でジャイアンツが3対4でリード。しかし、9回に同点に追いつかれ、さらに延長10回には3点を勝ち越されてしまいます。結局そのまま7対4で敗戦となり、リーグ戦の順位は3位に。ファーストステージは甲子園球場で開催されることになりました。
特定の選手や監督に責任を求めるのは、あまりに酷な気がします。しかし、両チームとも、一番大事な場面で「決める」ことができる男が不在だったことが、最後に明暗を分けたような気がしています。
リーグ1位の中日ドラゴンズでは、選手たちがそれぞれ、大事なところで淡々と「決めて」きた印象があります。これに比べると、何とも不安をたっぷり残してリーグ戦を終えた両チームですが…さて、結果はどうなることやら。16日から、セ・リーグでもファーストステージが始まります。



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