土は動かすべからず

このところ、週末にはどうもすっきりしない天気が続いています。姫様道中が嵐に襲われたのは記憶に新しいところですが、これに限らず、最近撮った写真を見ると青空を探すのに苦労します。この週末も、土曜日の午後から日曜日の午前中にかけて雨が降りました。平日は働きに出ている私にとっては、週末はじっくりと腰を据えて家の仕事が出来る貴重な時間なんですが、これでは全くはかどりません。

私は、学生時代にはアーチェリー部に所属していて、3月から4月は春のリーグ戦で毎週末に遠征に出ていましたが、週末になるごとに雨…という年がありました。誰が雨男(雨女)だったのかは定かではありませんが、悪天候はずいぶん恨んだものです。もっとも、春の天気はしばしば周期的に変化し、その周期はほぼ1週間。「三寒四温」とはよく言ったものです。タイミングがちょうど合ってしまったんですね。

アーチェリーという競技は、雨天でも中止にはなりません。アウトドア競技の宿命として、自然の様々な状況には臨機応変に対応していく必要があります。そこで動じずに、ダメージを最低限にとどめられるのが優れた選手なのでしょう。ちなみに、アーチェリーの場合、雷が発生する状況では試合中止となります。突起物の多い、導電性のある道具を持って行う、雷を呼び寄せてしまうような競技ですからね。さすがに生命の危険を冒してまでするものではありません。


先日から我が家の庭で懸案となっているのが、作りかけの状態で止まっている花壇。私自身はやる気満々で、この週末は久々に他の用事も無く時間が空いたので、土とレンガを買い出しに行って、バリバリ働くつもりだったんですが、妻からストップがかかり、作業は見合わせることに。買い出しはまた日を改めることにして、草取りなど、他の作業をして過ごしました。

作業をやめた理由は、「土用に入ったから土を動かしちゃダメ」というもの。「土用」というと、丑の日にはウナギを食べる…というくらいのイメージしかない人が多いのではないかと思いますが、元々の意味はもちろん「ウナギを食べる日」ではありません。

そもそも土用とは、それぞれの季節の節分(立春、立夏、立秋、立冬の前日)までの18日間ほどに割り当てられた期間のことです。古代中国の五行思想では、万物の元素は木・火・土・金・水の5種類から成っていて、それぞれが常に影響を与え合っているとされます。昔の人たちは、暦の四季に五行から春は木、夏は火、秋は金、冬は水…と対応させたわけですが、これでは土が仲間はずれで余ってしまいます。そこで、それぞれの季節が始まる前の、季節の変わり目を18日ずつかき集めて(こうすると1年の日数がほぼ5等分になります)「土の季節」、つまり土用としたわけです。

現在、国立天文台が毎年の暦を発表する中で、「土用の入り」となる日も発表されています。現在の定義では、立春は「太陽の黄経が315度のとき」というように、日付は太陽の天球上での位置を均等割した基準で決められていますが、土用については、例えば春の土用は立夏を迎える黄経45度を基準にして、その前18度分(つまり黄経27度~45度)の期間と定められています。この定義だと、土用の入りの日自体が前後するのはもちろん、その期間も17日~19日の範囲で変化します。

2013年の場合、立夏は5月5日。そして春の土用の入りは4月17日と発表されています。現在は春の土用の期間中。そして、ゴールデンウィークの終盤までは土用が続くことになります。


土用の時期には、土の「気」が強まっているので、土を大きく動かすこと(掘削工事など)は避けることとされています。これを破ると、「気」に当てられて心身の健康を害することになる…ということなのだそうです。そんなの迷信だろう?とも思うわけですが、何か重大なことが起こって後からいろいろ言われないように、一応守ろうとは思っています。土建業者の方々も、もちろん土用は非常に気にされていて、工事の工程表を組むときにも、この時期に土工作業が来ないように調整するようです。

我が家の建築工事は2012年7月半ばに地鎮祭を行ったわけですが、その直後、7月19日から8月6日までの期間が夏の土用でした。8月7日に現場を見に行ったときには、既に基礎工事のために地面が掘削されていた上に、コンクリートが流し込まれていたような気がするんですが、これは「土用の前に着工していれば、土用の間に継続して工事をすることは構わない」というルールのようです。

また、土用の期間中でも、土の神様がいなくなるので土を動かしても良いという、「土用の間日」というのがあるのだそうです。春の土用の場合には、干支が巳、午、酉の日がそれに当たります。今日・4月21日の干支は丁巳(ひのと・み)。ということは、今日なら花壇を掘り返しても良かったことになります。そもそも、花壇の掘り返し自体ずいぶん前から始めた作業ですから、土用を気にしなくても続行して構わなかった気もしますし…きっと、妻は私に「毎週末がんばりすぎだから、ちょっと休んで」と言いたかったのかな?と思ったりもします。

暦に従ってとはいえ、2週間以上も仕事が止まってしまっては困ってしまいます。現実的には、そんな事態が起こらないようにいろいろと逃げ道を作ってあるのかな?という気がします。結局のところ、暦だって人間が便利のために作ったものですしね。


実は、昨日・20日には家族に内緒でこっそりと花壇の土を動かして穴を埋めたんですが、今日は一日中どうも頭が痛くて、思うように調子が出ませんでした。もしかして、本当に土の気に当てられてしまったんでしょうか?

庭には塩を撒いて清めておきましたが、どうにも体調が戻らず、頭痛もまだ取れません。土の神様、仕事もちょっと立て込んでいるので、お願いですから明日はちゃんと出勤させてください(涙)。

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