画面で喋っています

リビングのテレビをBRAVIA KJ-55X9500G(以下X9500G)に替えてから、もうすぐ5ヶ月を迎えようとしています。美しい大画面はもちろん楽しませてもらっているのですが、実はそれよりも大きく変わったと感じるのが、音の聞こえ方だったりします。

KJ-55X9500Gのスピーカー位置(赤○がフルレンジ、黄色○がツイーター)

X9500Gシリーズ(ただし49型は除く)のスピーカーは、画面裏側下部に通常のフルレンジスピーカーがひと組あるほかに、画面上部の左右に高音域を担うツイーターが装備されている…という構成になっています。

ツイーターの音はこの穴から出てきます

最近の超狭額縁テレビのほとんどでは、スピーカーは画面裏側の下部にあることが多いのですが、画面が大きくなってくると、画面と音の出てくる位置のズレがだんだん大きくなっていきます。高い位置にもスピーカーを置くことにより、全体として音の定位が上に移動し、画面の中に収まるようになってきます。結果的に「画面から音が出てくる」という感覚が明確になることを狙っているのだそうです。

SONYでは、このツイーターを「サウンドポジショニングトゥイーター」、音響設計全体は「アコースティックマルチオーディオ」と名付けてブランディングしています。とはいえ、本当に画面そのものを振動させて音を鳴らしてしまう同社有機ELテレビの「アコースティックサーフェスオーディオ」ならいざ知らず、以前から音にこだわる液晶テレビの中には画面横にスピーカーユニットを備える製品は結構あったわけで、さほど目新しさは感じません。

それはともかく、X9500Gではこの構成がきちんと機能していることは確かで、実際にテレビを見ていると、画面の真ん中あたりから音が出ているような感覚は得られています。 特に、人物の声は画面に映っている辺りから聞こえてくるように感じて、聞き取りやすいですね。


この「画面から音が出てくる」感覚を、さらに先鋭化した形で感じられるのが、先日のアップデートで機能追加されたDolby Atmos(どるびーあともす)に対応するコンテンツ。Dolby Atmosは、前後左右に加え上下方向も加味された立体音響を実現する、最新のサラウンド音声フォーマットです。

従来のドルビーサラウンドは、5.1ch、7.1chなど設置するスピーカー数に合わせて、前後左右の各スピーカーから出力する音を記録していたのですが、Dolby Atmosはこれらとは根本的に違う手法で立体音響を実現します。音は、ミックスダウンされる前の「どんな音が」「3次元空間のどこから出ているか」という組み合わせで記録され、再生する際にシステムのスピーカー構成に合わせてリアルタイムで割り振られます。モノに紐付けて音を記録する…という意味で、「オブジェクトオーディオ」とも呼ばれます。

この方法の強みは、システム構成にかかわらず、きちんと設置・設定してあればどんな音響機器でも計算で正確な位置に音を定位できること。一方で、これを実現するためには高い演算性能が必要になります。技術の進歩のおかげで、実現できるようになった方法ですね。


我が家にある唯一のDolby Atmosコンテンツが、ブルーレイレコーダーと一緒に購入した、4K ULTRA HDブルーレイの「アラジン」実写版。家庭用のDolby Atmosだと、背景音が従来の7.1chなどのマルチチャンネルで記録されている上に、主要な音のオブジェクトオーディオが重ねられているのだそうですね。

というわけで、いちばんよくわかるのが、オブジェクトオーディオで優先的に割り当てられているであろう、登場人物たちのセリフの定位感の精度。アラジンの口から言葉が発せられるように聞こえますし、ランプの魔人・ジーニーが画面狭しと飛び回れば、声も正確に追従して動き回ります。

背景音も、前方の4つのスピーカーだけで鳴っているとは思えないくらい、後ろ側に回り込んでいる感覚があります。映画の音を楽しむために、ホームシアターは何らかの形で再構築しようと思っているのですが、このくらい鳴ってくれるのなら、あえて外部のスピーカーは用意しなくても十分かも知れません。

もっとも、重低音はやや物足りなく感じるので、何かしら手は打ちたいと思っています。ただ、相当しっかりと設置しないと、今の正確な定位感は再現できないかもなぁ…と弱気になっています。何しろテレビ本体に取り付けられているスピーカーの位置精度にはかないませんからね。

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