トコトン騙されてみる

冬のボーナスで「派手に散財なんてできない」などと言いながら、ついついもうひとつ、自分にご褒美を買ってしまいました。今回のターゲットは、リビングの4K液晶テレビの周り。ココの音響環境の改善を狙ってのお買いものです。

BRAVIA KJ-55X9500Gは、画面の裏側下部以外にも画面上部の左右にスピーカーを装備した4スピーカー構成になっていて、「画面から音が出る」という音の定位感については、非常にこだわった製品になっています。その狙いは十分奏効していると思うのですが、低音域の厚みについては物足りなさを感じることが結構あります。薄型の液晶テレビでは、スピーカーボックスの容積を稼ぐのは困難でしょうから、どうしても限界はあるのだと思います。

ただ、そう感じてしまうのは、昔からマルチスピーカーのホームシアター環境に接してきたからではないかな?とも思います。5.1chサラウンドのホームシアターを自室に導入したのは2002年でしたが、その前から、実家のリビングのテレビにサラウンド用のリアスピーカーを繋いでいた(そんな製品もあったんです)時期がありました。テレビの音にこだわりたかったのは、家系なのかも知れません。

特に映画をテレビで観るのが好きでしたから、画面は大きさに、音は包み込まれる感覚と重低音にこだわりたかったのです。マイホームを建てるときにもリアスピーカー用に配管を通したくらいだったのですが、その後の機器の更新にホームシアター側が対応しきれなくなり、ここ数年は残念ながらテレビのスピーカーで音を聞いている状態でした。


ホームシアター用の機材を取り巻く状況もずいぶん変わりました。音源として提供される音声には7.1chが使われるようになり(BS 8K放送は22.2chなんてとんでもないチャンネル数を送れます)、さらには音が鳴っている「位置」を情報として持ち、再生環境側で解釈して定位させるオブジェクトオーディオも登場しています。前後左右だけでなく、上下にも音を定位させることになり、このために天井にスピーカーを吊り下げたり、スピーカーを上向きに設置し、音を天井から跳ね返らせて「上からの音」にするイネーブルドスピーカーが使われたりします。

これらの環境を整えようとすると、当然スピーカーの数が増えます。例えば、今どきのホームシアターで結構見かける「7.1.2ch」は「水平方向に7個、低音用(サブウーファー)1個、上に2個」という意味で、スピーカーは合計10個です。それはアンプに必要なチャンネル数が増えることでもあり、機材に必要なスペック、価格はさらに上昇することになります。設置や設定の難しさも相まって、導入の敷居は以前よりも相当高くなった気がします。

一方で、格段に進歩してきたと思うのが、テレビの前に1本の棒のような形で設置する「サウンドバー」タイプの商品。この棒だけ、あるいはサブウーファーの箱との2点構成でサラウンド環境を整え、最近ではオブジェクトオーディオの解釈まで行える商品が出てきています。

後ろにも、上にもスピーカーを置かないのに、どうして立体音響が実現できるのか?と不思議になりますよね。上に向けたイネーブルドスピーカーを内蔵している製品もあるようですが、前後左右、あるいは上下から鳴る音が、左右の耳にどう届くかを計算して、それに近い音を左右から鳴らしている…という仕組みのものが多いようです。確かに、どんなにたくさんのスピーカーで囲んでも、最終的に受け取るのは2つの耳。耳を騙せさえすれば、それでいいのです。

サウンドバーは、価格的にも、セッティング面でも、マルチスピーカーのホームシアターシステムより格段にお手軽です。今回は、私もサウンドバーにトコトン耳を騙されてみることにしました。


今回選んだのは、ソニーのHT-X8500。左右のスピーカーとサブウーファーが一体化された、2.1chタイプのサウンドバーです。Dolby AtmosとDTS:Xという、オブジェクトオーディオの2大規格に対応し、上下方向も含んだ3次元の立体音響が体感できる…と宣伝されています。クチコミの評価が高く、業界の各賞も受賞しているのが決め手になりましたが、テレビがソニー製なので相性面でも有利かな?という判断もありました。

ソニーストア

今回は、メーカー直販のソニーストアで購入することにしました。直販サイトが「ソニースタイル」と呼ばれていた頃から、20年近くのお付き合いになりますが、数回しかお買いものはしていないのに、年に数回「お得意様クーポン」を配信していただいています。

今回は、割引クーポンと共にメーカー保証を延長または拡大できるクーポンをいただいていたので、保証を通常保証のまま5年に延長して購入しています。災害なども補償対象になる「ワイド保証」で3年保証にする選択肢もあったのですが、そちらは家の火災保険でカバーできるはずです。巷で言われる「ソニータイマー(メーカー保証が切れると故障する、という)」対策なら、通常保証が延長できた方が有利な気がします。

商品の梱包箱に直接荷札付きで届きました

商品は、梱包された箱に直接荷札を貼り付けた状態で届きました。長さ1mほどの箱には把手が付いていて、少々重くはありますが、店頭で購入しても持ち帰ることは十分可能でしょう。

内容物はシンプル:この他にはマニュアル類が

箱の中身は、バータイプ一体型の本体とACアダプター、HDMIケーブル1本、そしてリモコン。あとは初期設定用マニュアルと詳細マニュアルが同梱されています。

置いてつなげば出来上がり

テレビの正面すぐ前にちょうど収まるサイズ感、デザインの統一感は、さすがは同メーカー製品同士の組み合わせと言えそうです。初期設定用のマニュアルに従って、ブルーレイレコーダーとテレビの間に挟み込むような形で接続してみました。それだけで基本的に設定は完了。テレビのスピーカーからの音は止まり、代わりにHT-X8500から音が出てくるようになりました。


サブウーファーが内蔵されていることもあり、低音域の厚みは明らかにテレビよりも増しています。人の声が聞き取りやすくなりましたし、音楽も音の温かみが増しているような気がします。

そして、意外なのが、音がちゃんと画面から出ているように聞こえること。テレビ内蔵のスピーカーがこの点では優秀だったこともあり、外部にスピーカーを繋いだら「画面の下から音が聞こえてくる」のでは残念だなぁ…と心配していたのですが、全くの杞憂でした。HT-X8500では、「Vertical Surround Engine」が上下方向の定位をコントロールして、オブジェクトオーディオに対応しているようですが、普段のテレビ音声でもこの仕組みが生かされているのかも知れません。

テレビ番組を見ている範囲では、HT-X8500から出てくる音には全く違和感はありません。HDMI CEC(ブラビアリンク)対応で、テレビの電源に連動して電源をON・OFFできますし、番組のジャンルに応じて設定の切換もできているようなので、基本的にはテレビを観るときには常時HT-X8500を使う…という形にしても良さそうです。

いちばん気になるのは、Dolby Atmos記録のブルーレイソフトで、ホームシアターとしての本領が発揮できるのか?…だったのですが、実はこれを確認するのに意外に手こずったんですよね。これについては、また回を改めてご紹介しましょう。

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