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シンプルが故に厄介

先日購入したサウンドバー・HT-X8500。テレビから出てくる音と比べると、特に重低音が強化され、ずいぶん豊かな音に変わった…とは感じていたのですが、それでもスッキリしない部分が残っていました。というのも、HT-X8500の潜在能力がフルに発揮されているのかどうか、どうもわからなかったのです。

HT-X8500本体で、動作状況を確認できる表示と言えるのは、上面に付いている6個のLEDのみ。一応6個それぞれに名称は書かれていて、基本的なところはこれで確認できるのですが、詳細な設定については、操作に合わせてこの6個がどう点灯しているかの組み合わせで状態を確認しなくてはなりません。

この製品の最大の魅力となるのが、Dolby AtmosやDTS:Xなどのオブジェクトオーディオによる音声データに対応し、三次元的な立体音響を体感できる…という点だと思います。ところが、ブルーレイレコーダー・BDZ-FBW1000の側で、Dolby Atmos対応の4K ULTRA HDブルーレイを再生しても、HT-X8500の「(ドルビーのダブルDマーク)ATMOS」と書かれたLEDがどうしても点灯させられないのです。

HT-X8500がDolby Atmosの音声データを認識していないのは間違いないと思うのですが、それがレコーダー側の原因なのか、HT-X8500側の設定の問題なのかが、これだけでは全くわかりません。テレビ画面を通して、入力されている音声フォーマットなどが表示されれば一発なのですが、そんな機能もありません。

HT-X8500のリモコン:これ自体はシンプルなのだが

設定を変更しようとしても、これが結構難解。詳細な部分については、リモコンのボタンを長押しすることで全く別の機能の設定を呼び出す形になっています。このあたりの操作方法やLED表示の説明については、添付の取扱説明書に記載されていますが、説明書がなければとても設定操作は不可能です。

パッと見た目はシンプルな構成で、しかも高機能…というのがこの製品の魅力になっているわけですが、実はこういうところが意外に面倒。すんなり設定が完了すれば問題ないのですが、つまずくと厄介です。


BDZ-FBW1000をHT-X8500に接続:映像信号はKJ-55X9500Gにスルー

購入直後は、同梱の初期設定用マニュアルの最初に記載されているとおり、レコーダーのHDMI OUTをHT-X8500のHDMI INに接続し、HT-X8500のHDMI OUTからテレビ・KJ-55X9500GのHDMI入力へと接続しました。レコーダーからの映像信号は、HT-X8500を通り抜けてテレビに向かいます。4K画質の映像でもそのまま通せる「4Kパススルー」機能があるので、レコーダーから出力された4K映像はテレビでも4K品質で見られることになります。

テレビチューナーやNintendo Switchなどの音声は、テレビのHDMI 3からHT-X8500のHDMI OUTに「逆流」します。この端子には、音声信号を映像信号と逆向きに戻せるARC(Audio Return Channel)機能があるので、他に音声用の配線を行う必要がありません。この機器の組み合わせなら、多チャンネルのより高度なフォーマットの音声も流せるeARC(Enhanced ARC)にも対応しているので、NETFLIXやAmazonプライムビデオなどのネット配信のDolby Atmos音声付きコンテンツでも、HT-X8500で立体音響を鳴らすことができます。

…となるはずなのですが、これだとレコーダーから出力される音声はHT-X8500のところで完結するので、今回のようにトラブルが発生している疑いがあっても、確認が非常に困難です。しかも、テレビでは映像が映ったり映らなくなったりを繰り返し、これまた原因不明となっていました。レコーダーでは、メニュー画面や番組表ではフルHD、コンテンツ再生は解像度に応じてフルHDと4Kで出力が切り替わっているようなのですが、これがテレビに正確に伝わっていません。


BDZ-FBW1000をKJ-55X9500Gに接続:音声はHT-X8500にeARCで流す

そこで、接続方法を変更して、レコーダーはテレビに直結し、音声だけをeARCでHT-X8500に送る形にしました。これなら、一旦すべてがテレビを通る形になり、とりあえず映像は今までどおりにちゃんと映ります。あとは音声の対応のみです。

レコーダーからの音声を「ダイレクト」で出力

各機器の設定も改めて確認しました。レコーダー側では、「BD音声出力」を「ダイレクト」に設定し、マルチチャンネルのデータをステレオにミックスせずに出力させます。

テレビからのeARCの出力を有効にするために「オート」に設定

そして、テレビ側では音声をeARCでHT-X8500に出力できるように、「eARCモード」を「オート」に設定します。これを「切」にしておくと、ARCでの出力となり、可逆圧縮のハイレゾフォーマットやオブジェクトオーディオは、そのままでは出力できなくなってしまいます。

ようやく「ATMOS」が点灯

これで4K ULTRA HDブルーレイを再生してみたところ、ようやく「ATMOS」のLEDが点灯してくれました。出てくる音自体も一皮剥けました。上下も含めて、画面上の期待した位置にしっかりと音がハマるDolby Atmosならではの定位感は、HT-X8500でもちゃんと実感できます。

横から後方まで回り込むようなサラウンドの音場についても、意外なほどしっかり感じられるのですが、リアルに後方にスピーカーがある環境と比べてしまうと、どうしても物足りなさはあります。それでも、低音域がかなり強化されていることもあり、映画の音に対する満足感は確実に上がります。

3万円台の追加投資で得られる体験としては、これはなかなか美味しいのではないでしょうか。ただし、eARC対応のテレビでないと、接続でちょっと手こずるかも知れません。ソニーはeARC対応に最も積極的なメーカーのひとつ。案外、「同メーカー同士なら相性が良いのでは?」というワタシの勘は間違っていなかったのかも知れません。



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