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本来の接続、本来の性能

我が家のテレビの下にサウンドバーを置いて使い始めてから、4年目に入っています。テレビサウンドバーブルーレイレコーダーは全てソニー製品で固めていますが、幸いいわゆる「ソニータイマー」が作動することもなく、日々いろいろな映像コンテンツを楽しませてもらっています。

同じメーカーの製品同士ということで、各機器間の連携もバッチリ…と言いたいところなのですが、実はここまで抱え続けていた不満がひとつあります。機器間の接続ケーブルが、本来想定していた経路でつながれていなかったのです。

サウンドバーのHT-X8500には、HDMIの入力端子と出力端子がひとつずつあります。ブルーレイレコーダー・BDZ-FBW1000の出力からHT-X8500の入力へ、HT-X8500の出力からテレビ・KJ-55X9500Gの入力へ…とケーブルを接続すれば、映像信号がテレビまで届くだけでなく、テレビからeARCで音声信号を送れる(戻せる)ようになります。

テレビにはケーブルを1本接続するだけで、テレビチューナーで受信した番組も、レコーダーで録画した番組やブルーレイディスクのビデオコンテンツも、HT-X8500から音が出せる仕様です。もちろん、単なるステレオの音声だけではなく、マルチチャンネルやオブジェクトオーディオの音声信号も行き来して、HT-X8500の立体音響再現能力をフル活用できるはずでした。

ところが、4K Ultra HDブルーレイから出力されるはずのDolby Atmosの信号が、この接続ではどうやってもHT-X8500に認識させられず、BDZ-FBW1000をテレビに直結したら何故か認識される…という事態が発生。いろいろ設定など確認してみたのですが、どうしてもわからず、テレビのeARC対応HDMI 3端子にはHT-X8500だけがつながり、映像信号は全く通っていない…という、何だかもったいない状況が続いていました。


そんなことも半分忘れかけていたのですが、先日、突然BDZ-FBW1000からの映像が全く映らなくなってしまう…という事件が発生。妻から「リモコン踏んづけちゃった」との申告があり、何らかの指示が誤って伝わってしまった可能性が高かったのですが、何しろ設定画面も見えないので、このままでは手の打ちようがありません。

HDMI信号フォーマットには「標準」と「拡張」がある

いったんHDMIケーブルを抜いて差し直してみたら、テレビ側が「新しいHDMI機器の接続」を認識して初期設定画面が立ち上がり、何とか状況は復帰。ただ、HDMIが「標準フォーマット」に切り替わってしまい、これでは4K Ultra HDブルーレイやBS 4Kなどの広色域・HDRの映像が転送できません。しかし、元の「拡張フォーマット」に戻すと、また画面が映らない状況に。これでは面白くないので、改めて設定を見直してみることにしました。

本体を見るだけでは設定の詳細を掴むのが困難なHT-X8500。ともかく、まずは工場出荷時の状態にリセットします。電源が入っている状況で、本体の電源ボタンと音量-ボタンを同時に長押し(5秒以上)すると、全てのLEDが点滅して電源が切れます。電源ケーブルを抜き差しすれば、初期化は完了です。

改めて他の機器の電源を入れ直してみたところ、とりあえず画面は映りましたが、相変わらずHDMIは標準フォーマットでしか映りません。ただ、この状態でもいつもの「アラジン」実写版はDolby Atmosの音声を出力し、HDRでの画面表示が有効になります。もしかして、これならサウンドバーにつないでもイケる?と思い、BDZ-FBW1000のHDMI出力をHT-X8500のHDMI入力につなぎ直し、もう一度初期化してみました。

HDMI(右から2番目)とDolby Atmos(いちばん左)が同時に点灯!

BDZ-FBW1000で「アラジン」を再生すると、HT-X8500上のLEDは、音源がHDMI入力からであることを示す「HDMI」と「Dolby Atmos」が点灯します。もちろん、面白いぐらい画面上に音が定位するDolby Atmosらしい「鳴り」を実現。確かに、想定どおりに動いています。

テレビ側の「画面表示」ボタンで、外部入力からテレビに送られている映像の情報を出力してみると、BDZ-FBW1000がHT-X8500の先につながっていることが、しっかり認識できています。4K Ultra HDの画と音の情報が、ちゃんとテレビまで届いているのも確認できます。実はそんなことを確認するまでもなく、まず画面の明るさからして全然違います。HDRが効いているからなんですね。

BDZ-FBW1000をつないでいたテレビのHDMI 4端子が空いたので、先日リビングに移動させたPCからの接続を、側面のHDMI 1からHDMI 4に移動させました。これで、ビデオカメラや一眼カメラをHDMI 1につないで、即席の試写会ができるようになりました。


基本的には満足度が高い作業だったのですが、ちょっと気になっていたのは、BDZ-FBW1000で録画した(あるいは受信した)BS 4K放送ではHDRが効いていないらしい…というところ。画面もちょっと暗い気がしましたし、テレビの画面表示には「HDR(HLG)」という表示が出ても良さそうなのに、全く出てきません。レコーダー側には「HLG→SDR」なんて表示が出てきます。SDRはHDR(High Dynamic Range)ではない…という意味で、HDR信号が来ているのにわざわざ無効にしているようにも見えます。

ちなみに「HLG」(Hybrid Log Gamma)は、BS 4K放送に使われている、4K Ultra HDブルーレイの「HDR10」とは別方式のHDRフォーマット。リアルタイムでの伝送に有利な仕組みだそうで、パッケージソフトに使われるHDR10ではなくこちらを採用したのは、おそらく技術上の理由があるのでしょう。

様々な動作を見た限り、HDR10はテレビまで送れるのにHLGは送れず、どうやらブルーレイレコーダーを出る時点でHLGは変換されてしまっています。それぞれを別々に設定する項目は、どこにも見当たりません。HDR10は標準フォーマットでも使えるけれど、HLGは拡張フォーマットでないと送れない…ということなのでしょうか。

それにしても、わざわざ別方式を採用するから、こういう面倒なことになるんだよなぁ(涙)。とはいえ、複数規格の間で競争があることも大事ではあるわけで、そもそも立体音響だって現状はDolbyとdtsがありますし、さらに遡ればブルーレイディスクとHD DVD、VHSとベータマックス…歳がバレるなぁ(苦笑)。


…と、少々話は脱線しましたが、「拡張フォーマットでしっかりつながれば、HLGもテレビで扱えるようになるのではないか」という仮説の下に、改めて状況を確認してみました。拡張フォーマットでつながるようにするためには、レコーダーからの出力、テレビの入力が共に拡張フォーマットを扱える状態にしておく他、HDMIケーブルが18 Gbpsの通信に対応していることが条件になります。現在使っている2本のケーブルは、いずれも18 Gbpsへの対応が確認できているSONY純正の「プレミアムハイスピードHDMIケーブル」。接触不良などもなく、ここには問題はなさそうです。

リモコンの「ニュース」ボタンでHDMI信号フォーマットを切替

となると、間に挟まっているサウンドバーの問題か?ということで、HT-X8500のわかりにくい設定マニュアルを再度じっくり読み直したところ、HDMIの信号フォーマット切替が設定項目にあり、しかもデフォルトは標準フォーマットであることがわかりました。早速設定を変更。リモコンの「ニュース」ボタンを5秒以上押し続けるごとに、フォーマットの設定が切り替わります。

設定を切り替えた後で、BDZ-FBW1000の「かんたん初期設定」を再度実行してみたところ、「18Gbps対応が確認できました」との表示が。設定完了後に詳細設定画面で確認してみると、これまではHDMI出力モードが「4Kブラビア[4K/HDR]」と表示されていたのが、「4Kブラビア[4K/HDR18G]」に変わっています。

そして、この状態ならテレビ側のHDMIを「拡張フォーマット」に切り替えてもちゃんと画像が映ります。HLGのHDR情報は変換されずに送信されて、テレビの側もしっかり受け取っています。ときには眩しさも感じるほどの、れっきとしたHDRです。もちろん暗い画面の描写もレベルが変わります。


これで、本来の接続方法で、本来の全ての機器の性能がしっかり発揮できる状態に、ようやくたどり着けたようです。BS 4Kの録画はほとんどしていなかったので、これまでHDRが効いていないのには気付きませんでした。3年以上もの間、いろいろ損していたことに気付いたのはちょっと残念ですが、これから取り返しましょう。

ただ、現状でもときどき、レコーダーからの画面が映らずに音だけ出てくる…という症状が出るんですよね。電源を入れ直したり、4K Ultra HDブルーレイを再生したり(HDRフォーマットが切り替わるので)すると直るのですが…全てソニー製品で揃えていても、18 Gbpsという通信速度は厳しいのでしょうか。

まあ、しばらく様子を見ます。他の接続ケーブルとの位置関係を変えたり、余っているフェライトコアを取り付けたりすると良いかも知れませんね。案外、そうしたアナログ対策が効いたりします。



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