レッツノート・CF-SV8の内蔵SSD交換用に、1 TBのSSDを探すことにしました。前回も整理していますが、必要になるのは「PCIe Gen3x4互換の、NVMe仕様のM.2接続SSD」。見た目は板ガムくらいのサイズの小さな基板に半導体パーツが載ったモノですが、その正体は大容量・超高速を誇るPC内蔵用の記憶媒体です。

これまた前回も触れましたが、例えばAmazon.co.jpで「nvme m.2 ssd 1tb gen3」などと検索してみると、実に数多くの製品が並びます。こんなにたくさんあったら、どれを選んだら良いのか迷ってしまいそうですが、たったひとつの選択基準を設けるだけで、大幅に絞り込むことができます。それは、「使用するパーツを自前で用意できる半導体メーカーの製品を選ぼう」ということ。

M.2 SSDの上には実際にデータを記録する「NANDフラッシュ」の他に、データの読み書きを制御する「コントローラー」、読み書きするデータを一時的に保管して外部とのやりとりを高速化する「キャッシュ」として使う「DRAM」などの半導体が搭載されています。これらを他から買ってきて組み立てているメーカーよりも、自社生産しているメーカーの方がパーツの性能を引き出せそうな気がする…と思っていたわけですが、それ以前の問題として、自前のパーツで製品が作れることは「パーツの品質を担保できる」ということであり、必然的に高品質な製品が作りやすくなります。買う側からすると、失敗作を掴まされにくい…というわけです。

先に挙げた3つのパーツをすべて自社(または自社グループ内)で生産できるメーカーとして、パッと思いつくのはSamsungとMicron(製品ブランドはCrucial)。最近は基板上にDRAMを載せずPC側のメインメモリーを活用するHMB(Host Memory Buffer)を使うことで低コスト化を図る製品が増えていますが、NANDフラッシュとコントローラーの2つなら、Western Digital(SanDisk)も内製できる力があります。他には、NANDフラッシュを生産しているメーカーとしてKIOXIA(キオクシア;旧東芝メモリ)やSolidigm(ソリダイム;元はIntelのSSD部門)あたりもあります。ただし、内製できるメーカーがすべてそうしているわけでもなく、時にはあえて他社パーツを組み合わせることもあるようです。


予算は「1万円程度」ということで、特別に納得できる要素があるのなら1万3千円くらいまではなんとかしよう…という気持ちでいました。安いだけではなく、性能の方も最低限現在のレベルは維持したいところ。標準で内蔵されているSSDのベンチマークが基準になってきます。既にシーケンシャルの読み出しでは3 GB/s超えしていましたから、そこは譲れないところです。

条件に合致するモノとしては、超メジャーどころではSamsung 980がありますね。シーケンシャルの読み書きはいずれも3 GB/s超えで、PCIe Gen3x4での上限に迫る性能となっています。HMBの採用で、基板上にはチップはNANDフラッシュとコントローラーがひとつずつ、計2つしか載っていない…という超シンプル設計になっています。

WD Blue SN570も、Samsung 980と同様に3 GB/s超えの性能を持ちながらも、1万円ちょっとで買える普及価格帯の製品です。これまた同様のHMB採用による、シンプルなレイアウトの基板も特徴のひとつ。もちろん、それが低価格化にも寄与しているはずです。

ただ、HMBを採用した製品は、SSDとメインメモリーの間に挟まるCPUへの負荷が高くなるのではないか?というのが懸念材料です。第12/13世代Coreプロセッサーのような最先端の高速・メニーコアCPUをぶん回しながら使うのなら問題ないのかも知れませんが、今回は対象が少々年季の入ったPCということになるので、余裕のないCPUに余計な負担は掛けたくないところです。

DRAMを搭載した上でこれらと同じ価格帯で販売され、しかも3 GB/s超えのスペックを持つのが、KIOXIA EXCERIA PLUS G2。日本メーカーの製品ということもあり、私としてはコレを推したいところだったのですが、基板の両面にチップが搭載される、いわゆる「両面実装」の設計になっていることが問題でした。CF-SV8では、両面実装の製品だとスペースが足りなくて取り付けることができません。ノートPC向けだと、そうした方向の条件の検討も必要になってきます。


片面実装でDRAM搭載のモデル…ということで探していたところ、「SK hynix GOLD P31」というモノを見つけました。SK hynixは個人ユーザー向けの商品ではこれまであまり見かけなかったメーカーですが、半導体業界では最大手の一角であり、SSDのすべてのパーツを内製できる数少ないメーカーのひとつです。メーカー製PCの内蔵SSDでも名前を見かけたことはありましたが、個人向け商品が日本で手に入るようになったのは、ここ数年のことではないかと思います。

このGOLD P31も、NANDフラッシュ・キャッシュDRAM・コントローラーがオール自社製パーツという構成になっています。SK hynixといえば、IntelからSSD事業を買い取ってSolidigmを始めた会社でもあるわけですが、それとは別の話で、もともと持っていた自社技術を集積したものになります。

海外サイトではレビュー記事もいくつか出ていて、バランスの良いハイパフォーマンスの割に低消費電力…というノートPC向けの素性が好印象でした。日本語の記事としては、今年に入って「ちもろぐ」さんから出ましたから、コレが読みやすいでしょうか。

実は、いちばん印象に残ったのは、他社製品のような「ローエンド感」をあまり感じないパッケージングでした。まだPCIe Gen3x4が完全にローエンドに追いやられる前の2020年にデビューした商品ということもありますが、当時最先端のパーツを集めて丁寧に作られています。


昨年末あたりから、このSK hynix GOLD P31は有力候補だと思っていましたが、決定的だったのはAmazon.co.jpの初売りで1万円を大きく割る売値のタイムセールが実施されたこと。同クラスのライバル製品たちも軒並み値下がりしていましたが、SK hynix GOLD P31はSamsung 980よりも、WD Blue SN570よりも安くなっていました。

実際の交換作業は4年保証が切れる2月に行う予定でしたが、ちょうど他にも初売りで買いたいモノがいくつかあったので、せっかくだから購入してしまおう!と一念発起。他に必要になるものも合わせて、一気に手配しました。これで初期不良のチェックも、データ移行作業の試行も行える状態になりました。

こうして、いよいよSSD交換に向けて本格的に動き出した…わけですが、続きはまた今度。長い文章は苦手なのです(涙)。



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