自作PCは増殖する(2)

ALTIUM ALCADIA X-2JV OMEGA(左)とALTIUM S8 The Spirits of JAPAN(右)

WinDyはOMEGAまで待て

前回からちょっとご無沙汰してしまいましたが、自作PC増殖作戦・第2ラウンドです。実は、新しいケースは既に昨年末に発注してあって、1月24日には手元に届いていました。それがこのALTIUM ALCADIA X-2JV OMEGA(写真左)。このコーナーではお馴染みのソルダムのWinDyブランド製品です。これまで使っていたALTIUM S8 “The Spirits of JAPAN”(写真右)と同様にアルミ素材をふんだんに使った贅沢な仕上がりが特徴ですが、並べてみると一回り大きいのがわかります。

ALTIUM ALCADIAシリーズは、側面のパネルを二重構造にして、側面後部から取り込んだ吸気をこのパネルの間に通して前面からケース内に入れる…という、実に手の込んだ冷却機構を持っています。しかし、製品の発売直後には「あまりにも高価」「思ったよりも静かではない」などの批判が噴出しました。高価なのはこの複雑な構造では仕方ないところもありますし、騒音については「同じ騒音レベルでより多くの吸気が確保できる」と捉えるべきかも知れません。いろいろな意見が出るのは仕方ないところかも。

「OMEGA」とは、前に弟・ささっちのためにケースを購入したときにも触れましたが、生産終了直前に大バーゲン価格で売られるバージョンです。いくつかのオプションパーツを標準で装備して、本来なら5万円を大きく超えるような仕様なんですが、販売価格は電源抜き仕様で2万円台半ば。実に半額以下でした。この価格を見てしまうと、通常版を買うのが馬鹿馬鹿しくなってきませんか?。WinDy製品は、OMEGAが出るまで購入するのを待つのが賢明なのかも知れません。

ALTIUM ALCADIA X-2JV OMEGAは大人気だったらしく、新モデルのXRシリーズが登場してからも、当初の限定台数を大幅に超えて注文が受け付けられていました。生産が追いつかなかったのか、当初は「1月15日過ぎ」とアナウンスされていた発送時期が、結局1週間ちょっと遅れたことになります。予約販売品の納期が守られないのは、業界によっては良くある話なんですが、今回の例は「売れてるからもっと売ってしまえ」と注文を増やして結局生産が遅れる…という、あまり感心できないパターンに見えます。

統一規格なのに違う!

いろいろとケチも付けましたが、それでも製品の品質が確保されているのはソルダム製品ならでは。ただでさえ精度が高くて部品同士が隙間無くはまっている上に、この製品の場合は密閉用のパッキンも入っていて摩擦抵抗が大きいので、分解・組み立てには正直なところ手間がかかります。メンテナンス製の高さを狙った製品ではありませんから、仕方ないところですけどね。

マザーボード側(左)とケース側のIEEE1394端子

基本的にはケース付属の説明書通りに組み立てていけば迷うことはありません。ただ、一つ手間取ったのはケース前面にあるIEEE1394端子とマザーボードとの接続。2列×5本の10ピン端子なんですが、ピン配置は全く同じなのに、マザーボード側で抜いてあるピンとケース側で埋めてあるピンが違って差せないんです。仕方がないので、ケース側のピンが埋めてある端子に、ピンバイスで穴を開けて対応しました。

芸術的?な配線処理

空冷性能にこだわったケースですから、ケース内の配線の取り回しには気を遣いました。このケースでは、マザーボードを取り付けるスペースのすぐ横に、ケーブル類をナイロンストラップで留めるための部品が取り付けられています。ここにほとんどのケーブルをまとめ、フロッピーやDVDドライブに使うフラットケーブルも隅に追いやって固定していますから、ケース内の風通しはずいぶん良くなっているはずです。

また買っちゃった(笑)

組み立ての中で、一つ問題があったのがDVDドライブの取り付け。ALTIUM ALCADIA X-2JV OMEGAには、光ドライブのトレイに合わせて開閉する、ベイリーフと呼ばれるアルミ製の扉が装備されています。ドライブのデザインを問わない優れものなんですが、これまで使っていたDVR-A09だと、デザインにこだわったフロントパネルが災いして、ベイリーフと干渉してしまうんです。

ベイリーフと干渉するフロントパネルを取り外して使用

せっかくなら、よりデザインに統一感の出るベイリーフを使いたいので、とりあえずトレイ側のフロントパネルを取り外してケースに取り付けました。しかし、これではドライブの密閉性が損なわれてしまい、動作に悪影響が出てきます。実際に、この状態で使っていると、CDやDVDの書き込みに失敗する例が頻発しました。

DVR-ABN16L(左)とDVR-A09(SV)

以前使っていたDVR-ABH8に交換しても良いのですが、ここだけ古いのも何だかなぁ…ということで、新しいドライブに交換することにしました。ベイリーフとの相性を考えて、外見は普通でも性能的にはちょっと面白いものにしようと思い、アイ・オー・データのDVR-ABN16L(写真左)を選んでみました。

DVR-ABN16Lは、DVD-Rのレーベル面にデザインを焼き付けられる「Labelflash」対応ドライブです。店頭に展示されていた制作サンプルを見ると、仕上がりにはなかなか高級感がありますね。専用ディスクが必要ですが、また試してみたいところです。新機能が載っていても、DVDやCDへの書き込み性能には全然妥協がありません。個人的にはCD-R書き込み48倍速が嬉しいですね…相変わらず大量にCDを作ることが多いので。

VL System・L.I.S 2 Premium

多機能にもほどがある

先にWeekly SSKでも紹介しましたが、韓国・VL System社のL.I.S 2 Premiumも今回導入した新パーツです。ALTIUM ALCADIA X-2JV OMEGAには、大小合わせて実に5台ものファンが装備されています。もともと低回転の120mm径のファンはそのまま回して、L.I.S 2では92mm径以下のファンをコントロールしています。

L.I.S 2 Premiumの外観上最大の特徴が、鮮やかなブルーの蛍光表示管。20字×2行のスペースに、ファンの状態以外にもメモリやハードディスクの使用量にCPU負荷、OSのバージョンやIPアドレスなど様々な情報、メディアプレイヤーの再生ファイルに関する情報やレベルメーター表示…と、実に様々なものが表示できます。というよりも、この充実した情報表示と比べれば、ファンコントロールの方がおまけのようなものです。

情報表示を自動的に切り替えていく順番や間隔を自由に設定したり、文字単位だけでなくドット単位でカスタムの表示を自作したり(さらにこれを自動切り替えに組み込むことも可能)も出来るので、いろいろと遊んでいるところです。USB接続で制御している割にはシステムへの負荷が少なく(通信は最低限にして自律動作するのが基本なのかも)、x64用のドライバもちゃんと用意されているなど、パワフルな自作ユーザーのツボをくすぐるアイテムといえそうです。

2台になった自作タワー

さて、どう使う?

こうして、新しいケースに新しいパソコンが組み上がりました(写真左)。これまで使っていたパーツも元のケースの中に戻り(写真右)、2台のパソコンが使える状態になりました。どう使っていくかはこれから考えますが、確実に言えるのは2台を同時には操作出来ないこと。おそらく片方は、長時間動かし続けなくてはならないときや、もう片方が動けなくなったときのバックアップとして働くことになります。

使い方以前に困っているのが置き場所をどうするか。現在は、写真のように床の上に小さく固めて置いてあるんですが、それでも意外に場所を食ってしまうものです。相変わらず物置状態となっている寝室に何とか設置スペースを作りたいと思っているんですが、そうなるとLANケーブルも配線したいところですし…それ以前に、まずは何とかしてあそこを「居住スペース」にしなくては。

今回は、自作タワーPC増殖のために新ケースを導入したお話。さんざん前振りだけしておいて、載せるまでに1ヶ月以上もかかってしまいました。最近はいろいろ忙しくて、なかなか腰を据えて原稿を書けなかったんです。実はまだまだ溜めてるネタがあるんですが、徐々に出していきますよ。お楽しみに(笑)。

それにしても、パフォーマンス重視の自作PCなら「動きゃええやん」という発想もアリなのに、ついつい私は見た目にこだわってしまうんですよね。自作を始めた頃は、「安価にパソコンを手に入れたい」という動機もあったわけですが、最近は自作しても必ずしも安く上がらない…それどころか、ソフトのことまで考えると完成品よりも確実に高く付くようになりました。そうなると、むしろ特定の部分のスペックやデザインなどへの「こだわり」が自作の目的になってきます。WinDyのアルミケースもそうですが、静音化のための水冷クーラーなども、まさにこうしたこだわり向けの商品ですよね。



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