返された手のひら

11日から始まったサッカーのワールドカップ南アフリカ大会は、会期の半分が過ぎました。既に予選グループリーグが終わり、昨日からは決勝トーナメントが始まっています。
4大会連続4回目の出場となる日本代表は、既に私も取り上げているとおり、14日に初戦の対カメルーン代表戦に勝利。先週末の19日には、対オランダ代表戦に臨みました。キックオフは日本時間で午後8時半でしたから、無理な夜更かしの必要はありません。この対戦はテレビで観戦することにしました。
世界ランク4位の強豪国が相手ですから、厳しい試合になるであろうことは予想していました。結果は0-1での敗戦。後半にミドルシュートで1点を失いましたが、その後はオランダ代表の攻撃をしのぎきり、さらには攻め上がって決定的な場面も作りました。印象的だったのは、リードを許した後でベンチが次々に攻撃的な選手交代を見せ、これに呼応して選手たちの攻めの姿勢もさらに強くなったこと。これが奏効して、最終的には点差を最小の1に抑えたと言っても良かったのではないかと思います。リーグ戦の勝敗には得失点差も絡んできますから、負けるにしてもどんな負け方になるかは重要です。
国の名前を背負った代表ともなれば、問われるのは常に最終的な結果。「善戦むなしく」や「内容は良かった」などの言い訳は許されませんが、それでも今のチームのできる中で最善の結果は残してくれたのではないかな?と思いました。3戦目の対デンマーク代表戦で引き分け以上の結果を残せば、自力で決勝トーナメント進出…という状況にしたわけですからね。


その対デンマーク代表戦が行われたのは、日本時間で金曜日・25日の午前3時半から。デンマーク代表は、予選グループEの中では世界ランクは日本の次に低いんですが、それでもヨーロッパ予選ではリーグ戦をトップで勝ち抜いて本戦出場を決めています。この試合もやはり厳しい展開が予想されました。
この日は、もちろん朝から仕事に行かなくてはなりませんでしたから、この試合をライブで見てしまうと後で体に響きそうでした。気にはなっていたものの、「もし見られれば見てみようか」程度に思っていたんですが、真夜中にふと目が覚めて、手元の時計を見てみると午前3時20分。ともかく布団の中でケータイのテレビをつけてみると、試合会場では君が代が流れていました。体は正直…というよりも、あまりの体内時計の正確さにびっくりです。
そのままワンセグ観戦を始め、前半17分、本田圭佑選手の芸術的なフリーキックで日本代表が先制したところで、妻の紫緒が起きました。といっても、彼女の場合は体内時計というわけでもなく、裏のお宅から歓声が聞こえてきたので目が覚めたようです。この後は居間のプラズマテレビで観戦となりました。


結果は、皆さんご存じの通り日本代表が3-1で勝利。決勝トーナメントへの進出を決めました。2本のフリーキックで前半のうちにリードを奪い、後半にPKで1点差に詰め寄られた後も、終了直前にさらに1点を取って突き放す…という、綺麗な勝ちゲームの展開。こんなにすっきりとした後味の日本代表の試合は、ずいぶん久しぶりです。日本代表にワールドカップへの道が見え始めてからのここ10数年を振り返っても、もしかするとベストに近いゲームだったかも知れません。
先にもちょっと触れているとおり、私は今回のワールドカップには正直なところほとんど期待していませんでした。これは私だけの話ではなく、巷でも今大会の日本代表には不満の声の方がずいぶん多かったようです。特に、今年に入ってから練習試合などでも全然勝てず、「史上最弱」だとか、岡田武史監督はどうして辞めないんだ?とか、かなり過激な表現がメディアを飛び交っていた記憶があります。
実にひどい評価を受けていた日本代表ですが、いざ大会が始まってみると、史上最弱どころか、成績ではこれまでの最高である2002年日韓共催大会でのベスト16に並びました。実際に持っている力がどうなのかはともかく、評価は試合の結果によってなされるわけで(世界ランキングも、直近4年間の国際試合の結果をポイント化します)、この点では既に史上最強ということになります。
脳内では3月頃までには岡田監督をクビにしていたであろう人々が、一転して懺悔モードに突入しています。SSK Worldのタイトル風に表現するなら、至る所で「ごめんよ、岡ちゃん。」状態です。さらには「岡田監督は名将」との評価まで出てきています。何とも派手な手のひらの返しぶりですね。監督や選手たちの能力やポリシーが突然豹変したわけではなくて、変わったのは私たちの見方だけのはずです。もっとも、巷の低評価が彼らの行動に影響を与えた面もあるでしょうし、一面的な評価はできないところですが。
繰り返しになりますが、ナショナルチームに求められるのは最終的な目標に対する結果。それさえ付いてくれば、途中の強化試合の勝敗は直接関係するわけではありません。まだ決勝トーナメントの戦いが残っている段階で、評価を定めるのは早すぎる気がしますが、少なくとも岡田監督と選手たちは与えられた仕事には応えていると言えそうです。もっとも、結果を見るだけで過程の方は必ずしも評価されているとは限りませんから、これはこれで危うい面もあるんですが。
私は、まだ完全に手のひらは返さないでおこうかと思っています。日本と世界の差は厳然として存在すると思っていますしね。ただ、これまでの試合内容を見ていると、今後につながっていきそうな気はしています。先に「求められるのは最終的な結果」と言ったのと矛盾する気もしますが、今回でワールドカップが最後ではないはずですし、将来への期待はさせてもらいましょう。


ところで、対デンマーク代表戦で、裏のお宅からは試合終了までずっと歓声が聞こえていたんですが、どうもタイミングが我が家より早いんです。日本代表の2点目となる遠藤保仁選手のフリーキックも、蹴る映像が届く前に「ハイッター!」という声が。ハラハラ、ドキドキの感覚は少々削がれてしまいますが、これはこれでちょっと面白いですね。
テレビ放送がデジタル化されて、電波が届いてから画像が出るまでには、どうしてもデコードに要する時間分の遅延が発生します。遅延時間は、演算性能の差でどうしても端末による差が出てきてしまい、例えば我が家でもケータイのワンセグ映像はプラズマテレビよりも1秒近く遅れます。
裏のお宅では、我が家よりも新しい最新機種のテレビで見ていたのでしょうか。それとも、もともと遅延がほとんど起きないアナログ放送だったのか。ちょっと訊いてみたところ、テレビは数年前の製品だそうなので、おそらく答えは後者なんですが…さすがにそこまで突っ込んでは訊けません(笑)。



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