昨年末に、音楽製作ソフトウェア(DAW)の「SONAR」を開発・販売していたCakewalk社が店じまいしてしまったことを話題にしています。SONARユーザーのひとりでもあるワタシにとっては、まさに青天の霹靂でした。何しろ、その1年前には永久にアップデート無料!という「ライフタイムフリーアップデート」の権利を購入していましたからね。1年で終わりかよ!とツッコむしかありませんでした。
かつて同社を買収したGibson社が、リストラの一環としてCakewalk事業を継続しないことを決めた…ということで、経営判断で仕方なかったのかも知れませんが、何とも残念な思いをしたものでした。そういえば、そのGibson自体も倒産寸前らしいとの噂を聞きましたが、いったいどうなっているのでしょうか?
…というのはともかく、幸いSONAR自体は使えなくなったわけではなく、今でもちゃんと起動することは可能です。仕事で使っているわけでもありませんし、せっかく買ったソフトなので、これからも細々と趣味で使っていくのかなぁ?と思っていたんですが、そんな私のところに、思わぬ案内がありました。
私宛に届いた英文のe-mailの差出人は、「The BandLab Team」となっていました。BandLabという名前には聞き覚えがありました。Webブラウザー上から音楽製作ができて、しかもそれを世界のユーザーたちと共有できてしまう…という、「クラウド型DAW」とでも呼ぶべきWebサービスで、シンガポールにあるBandLab Technologies社が提供しています。
2月に、BandLab Technologies社はGibson社が保有していたCakewalk社の資産を取得したのだそうです。彼らは「CakewalkをBandLabファミリーに迎え入れた」と表現しています。そして、間もなく(今後数週間で)これに関連する今後の展開について何らかのアナウンスが行われる予定のようです。
メールによると、「これまでの購入履歴などを引き継ぐために、BandLabのアカウントを取得しておいてね」とのこと。というよりも、メール中のリンクにアクセスすると、BandLabのWebサイトにつながり、それまでCakewalk社に登録していたIDやパスワードを使えばそのままログインできてしまいます。当然、BandLabのWebサービスは利用可能。Google PlayからAndroid版のアプリをダウンロードして使うこともできます。
BandLabは、Webブラウザー上で動いているとは思えないほど軽快に音楽製作が行えて、しかも世界各地のクリエイターやパフォーマーとの共同作業までできてしまう…というとんでもないサービスなんですが、個性豊かなソフトウェア音源やエフェクターを組み込んでいくSONARのような作業は単独では困難です。それぞれの強みが補完し合える関係ではないかと思います。
さすがに、まだあまりにも時間が経っていませんから、両者の強みを積極的に統合した新製品がすぐに出てくるとは思っていませんが、単に「SONARが復活する」のにとどまらない化学反応を、思いっきり期待させてくれます。近々行われるであろう何らかの発表を、楽しみに待とうと思います。
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