昨年末にテック系Webメディア界隈で話題になったネタに、「NVMeネイティブドライバー」があります。もともとは、Microsoft社が「Windows Server 2025向けに一般提供を開始した」と公表したのですが、実はWindows 11でも既にこのドライバーは含まれた状態になっていて、有効化すれば使えてしまうことが明らかになったのです。
そもそも、NVMeはSSDをPCI Expressに直結し、超高速で読み書きするために規定された通信方法なのですが、実はこれまでのWindowsでは、NVMe接続のSSDを直接コントロールするのではなく、デバイスドライバーがSCSI(すかじー)接続のデバイスとして見えるように変換して動かしていたのだとか。SCSIは20世紀からあったとても古い規格で、SSDの能力を生かすには力があまりにも足りません。
「NVMeネイティブ」というのは、この「SCSIへの変換」をすっ飛ばして、直にNVMeの方法を使ってコントロールすることを指します。間に「通訳」が入らなくなるだけでも効率化する上に、SSDの潜在能力をフルに発揮させるように新しく規定された指示を直接出せるわけで、性能がアップするのは当然です。速くなるだけではなく、必要な「仕事」が減るので電力の節約も期待できそうですね。良いことずくめです。
同時並列処理に強いNVMe(65,535のキュー(行列)にそれぞれ65,535の命令を並べられます!)を使えることで、特にランダムアクセスの性能が飛躍的に伸びることが確認されています。ただ、不具合も相当深刻なもの(システムが起動できない、とか)も含めていくつか出ているようで、Windows 11で有効化されていないのは、これらの検証がまだ済んでいないからのようです。
今回のネタの肝は、「完全に無料で、ちょっと設定を変更してやるだけでSSDが劇的に高速化する」という「美味しさ」にあります。とはいえ、レジストリエディターという超マニアックなツールで、難解な設定の書き換え(といってもたったの3行だけなのですが)が必要になるので、誰にでも簡単にできるものではありませんし、オススメするわけにも行きません。
とはいえ、SSK Worldが人柱になって検証してみるのにはうってつけのテーマ。早速、試してみることにしました。レジストリに所定の値を設定すると、NVMeネイティブのドライバーが強制的に有効化されます。


設定がウマく行けば、NVMe SSDのぶら下がるデバイスマネージャー上のグループが、「ディスク ドライブ」から「ストレージ ディスク」に変更されます。


デバイスドライバーのファイル名も、「disk.sys」から「nvmedisk.sys」に変更されます。そもそもSSDは「ディスク(円盤)」ではないと思うのですが…まあ、それ以上は突っ込まないことにしましょう。


さて、本当に高速化したのか?ということなのですが、CrystalDiskMarkで比較してみたところ、キューの深い…つまり実行待ちしている命令が多いアクセス(画面で言うと2段目と3段目ですね)に関しては、違いがわかるレベルの高速化(1~2割速いかな)が認められます。とはいえ、巷で報告されているような「80%速い」と言うレベルにはほど遠いのですが…。
実は、私のThinkPad X13 Gen 6 Intelに内蔵されている「SAMSUNG MZVLC1T0HFLU-00BLL」は、どうもベンチマークの値が安定しないようで、どこまで信じてよいのかわからない部分もあります。また、ランダムアクセスの数値が巷で公開されているベンチマークよりかなり低いと感じていて、これも気になっています。そもそもベンチマークの動かし方に問題があるのか、あるいは発熱が大きすぎて性能が安定しないのか…。
いずれにしても、まだ正式には公開されていない機能ですし、この数値どおりなら、不具合が発生するリスクを取ってまで使うほど劇的な高速化でもありません。とりあえずレジストリ設定を削除して、元に戻しておきました。そのうち、Windows 11でも正式にサポートされることを期待しましょう。

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