Sonomaなレッツノート

遅れてきた本命たち

レッツノートの2005年夏モデルが発表されました。例によって、各社の夏モデルが出揃った後に満を持しての登場です。今回は、すっかりお馴染みのFlashによるティザー広告ではなく、ブログを使っての情報公開が行われました。個人Webサイト向けのツールとして注目されているブログですが、企業がユーザーの意見を集めたり、企業同士が広告手段として利用したりする場面が増えてきています。商業化が行き過ぎてしまうと、トラックバックが単なる広告リンクになってしまいそうでちょっと面白くないんですが。

これまでと同じ4機種のラインナップ。デビューから一度もモデルチェンジがなく、一部では「消えるのでは?」と噂されていたTシリーズは、12時間の超長時間バッテリー動作を看板に生まれ変わり、CF-T4となりました。同じく新設計筐体となったCF-W4と基本的には同じベースのようですね。100kgの荷重に耐えるタフボディや無線LANハードウェアスイッチの新設なども共通となっています。

残りの2機種、CF-Y4とCF-R4では従来の筐体がそのまま使われていますが、中身の方は一新されています。CPUやハードディスク、無線LANといったところは従来通りですが、全機種でチップセットは915GMSに変更。いわゆるSonomaプラットフォーム対応機になりました。「自作PCドタバタ日記」でも時々触れていますが、チップセットが更新されることにより得られる機能や性能の向上は非常に大きなものがあります。今回の場合、統合ビデオ機能の向上、メモリアクセスの高速化などにより大幅なパフォーマンスアップが見込めます。

今年初めに発表されたSonomaプラットフォームですが、その直後に各社から発表された今年の春モデルでは、レッツノートも含め軽量モバイルノートパソコンにはほとんど採用されませんでした。どうやら私の思ったとおり消費電力の大きさが原因だったようです。しかし、この夏の新製品では、ThinkPadDynabookといったモバイルパソコンの有名ブランドにもSonoma採用機が登場してきました。各社とも時間をかけて開発を進めていたんですね。

軽量・長時間動作は総合力

レッツノートのすごいところは、消費電力の大きなSonomaプラットフォームになっても、タフボディが進化しても、「軽量・長時間動作」という看板に全然妥協がなかったこと。CF-W4では、1,199gと先代のCF-W2から100g近くもの軽量化を実現した上で、バッテリでの動作時間は8時間に延長されています。CF-R4でもアンダー1kgとバッテリ動作時間の9時間は死守し、「最軽量のSonoma機」の称号を手にしました。CF-T4の12時間動作に至っては、開発陣の皆さんの執念すら感じます。

カタログを見ていくと、一つ重要なポイントに気づきます。それは標準バッテリーの仕様。CF-R4のバッテリーを見ると、形はCF-R3用と全く同じように見えるんですがCF-R4専用品となっています。もうちょっと細かく見ると、容量が7.2Ahから7.8Ahに増えています。重量も310gから320gに増えていますが、容量の増加分と比べれば抑えられています。

バッテリーでの動作時間を延ばすために、省電力化はもちろん大事だと思うんですが、最も手っ取り早い方法はバッテリーの容量を大きくすること。限られたサイズや重量の中で容量を大きくするために、レッツノートでは常に最新型の大容量バッテリーセルを採用している……と聞いたことがあります。製造コスト面では不利になるはずですが、大事なところでは妥協がありません。

松下電器は、グループ内にリチウムイオン充電池を作る部門を持っています。また、CF-W4に内蔵されているDVDスーパーマルチドライブも、グループ内で生産しているからこそあんなに無茶な(笑)軽量化ができるのだと思います。用途に合わせた各部品を他社から調達してきて、自分は組み立てるだけ…という、いわゆる水平分業型が多いパソコン業界ですが、自前の高度にカスタム化した部品を使う垂直統合的アプローチが、他社製品の追随を許さない製品を生み出しているのだと思います。

乗り換えのタイミング

これまで3台のレッツノートを使ってきましたが、最初のCF-S21は2年間、2代目のCF-B5Rは3年間現役として働き、今のCF-R2Aは購入してからもうすぐ2年になります。時期的にはそろそろ次世代への乗り換えを考えてもいい時期かな?と思っていました。

私がノートパソコンの乗り換えを考えるときの判断基準はいくつかありますが、重要視していることの一つがハードウェアの大きな変更。CF-B5Rのときには「トラックボール復活」というインターフェース面の変更がありましたし、CF-R2AのときにはCentrinoプラットフォームという内部構造の大変革がありました(私の買ったモデル自体はCentrino非準拠でしたけど)。考えてみると、ちょうど全体が入れ替わった時点で新機種を購入…という流れになっています。

私にとって、もし今回乗り換えるのなら対象はやっぱり筐体の小ささにこだわってCF-R4になると思いますが、CF-R2Aと比較するとCF-R3のデビュー時に筐体が変わってバッテリ動作時間が大幅に延び、今回のモデルチェンジでチップセットが入れ替わり…ということで、「ちょうど全体が入れ替わった時点」です。CPUクロックだけでも900MHzから1.2GHzと33%高速になっていますが、他の要素も考えると性能アップはそれ以上に大きいと考えられます。

最近の技術トレンドを見ると、少なくとも今後2~3年はこのクラスのパソコンに劇的な性能向上があるとも考えにくいですし、ちょうど買い替え時かも知れません。

今頃になって効果実感?

ただ、もう一つの判断基準の方で問題があるんですよね。それは、内蔵バッテリーの「へたり具合」。充電・放電を繰り返すとバッテリーは劣化してくるもので、日常的に持ち歩いてバッテリー運用をしている私の場合、1年?2年くらいで劣化が目立つようになってきます。バッテリーの価格はノートパソコン全体の価格の1割強くらいしますから、意外に大きな買い物です。新機種に乗り換えるのとどっちが満足度が高い?と考えたくなります。

これまでの経験だと、そろそろ目に見えてバッテリーが劣化してくる頃なんですが、今回はもうすぐ2年になるというのに劣化が実感できません。リチウムイオン充電池の技術が進んできたのかな?…と考えながら、ふと思い出したのが昨年試してみた「お助けシート」。当初は動作時間の延長を実感できず、貼り付けたまま存在をすっかり忘れていたんですが、もしかするとバッテリーの劣化防止にはちゃんと効果があるのかも知れません。

ともかく、こちらの判断基準からすると、まだCF-R2のバッテリーが十分現役なのに乗り換えるのはもったいないのでは?と思ってしまいます。ただ、裏を返すとまだ元気な状態のCF-R2を新機種のバックアップとして待機させることができて心強い…ということも言えるんですよね。思い切って買ってしまうのも一つの手かも知れません。まあ、いずれにしても最大の問題は資金調達なんですけどね。



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