レッツノートの2020年夏モデルが発表されました。新型筐体のモデルは登場しませんでしたが、春モデルのときに第10世代Core搭載のCF-SV9が登場したのに続き、CF-LV9・CF-QV9も投入され、4機種中3機種が「*V9」世代になりました。
春モデルのときに登場したCF-SV9は、Comet Lakeとはいえ最上位でも4コア8スレッドのCore i7-10510U止まりでしたが、今回は3機種共に6コア12スレッドのCore i7-10710Uが投入されました。特に、重量900gそこそこの2in1であるCF-QV9でも6コアになったわけで、「小型軽量だから」はパフォーマンスを我慢する理由にしない!という確固たる意思を感じます。テレワーク導入が進んでいることを、「パワフルなモバイル」の追い風にしたいところでしょう。
残るCF-RZ8は、第8世代のYシリーズCoreプロセッサのままで継続投入されていますが、さすがに設計の古さが気になるようになってきました。とはいえ、明らかにニッチな製品であるRZに、果たして後継は登場するのか?…現時点では、何ともいえませんね。
定格の動作クロックが1.8~4.9GHzとなっていたCore i7-10510Uに対して、Core i7-10710Uは1.1~4.7GHz。コア数が4から6に増えたことで、ベースのクロック周波数がかなり低くなりましたが、Turbo Boost時は大差ありません。
となると、いかにベースより高クロックな状態を有効に使えるか?ということになってくるわけですが、今回パナソニックでは「Maxperformer(まっくすぱふぉーまー)」と銘打って、CPUの能力を最大限引き出していることをセールスポイントにしています。これは、独自の冷却機構と電力制御のチューニングの組み合わせで、Turbo Boost時のフルパワー状態がより長く続けられるようにしたり、CPUの温度に応じて動作周波数を細かくコントロールしたりしているのだそうです。
2年ほど前に、VAIO(株)が「他社Core i7より高速なCore i5」とアピールしていたVAIO TruePerformance(ばいお・とぅるーぱふぉーまんす)と、ネーミングも含めて何となく似ているなぁ…とは思うわけですが、説明を見る限りでは、Maxperformerの方がより積極的に電力をコントロールしているように読めます。クロック周波数や動作電圧を上下させるのにも、CPUにとっては到底無視できないほど(1μsでも数千クロックに相当するわけで)の待ち時間が発生するはずで、これが吉と出るか凶と出るかは何ともいえないところですが、製品として出てくるのですから、それなりの効果はあるのでしょう。いずれにしても、両社とも以前からCPUの能力をできる限り引き出すために行ってきた工夫に、改めて名前を付けてマーケティングに使っているだけ、ということなのかも。
バッテリーが大小二種類から選択できるCF-LV9・CF-SV9の場合、大容量のLバッテリーを使うとより高いパフォーマンスが引き出せるそうで、バッテリー動作でもACアダプターと同レベル…と謳っています。単に動作時間が延ばせるだけではない、重量が増えて辛くなるだけでもない、新しいアドバンテージです。それなら、100g重くても我慢できる場合があるかも?と思えます。
私がCF-SV8を購入してから1年少々が過ぎましたが、ここにきてようやく、新機種に明確な差を付けられたなぁ…と感じています。とはいえ、CF-SV8の基礎体力が落ちたわけではなく、ストレスを感じないハイパフォーマンス機であることも、これまでと変わりありません。引き続き、大事に使っていきましょう。
初めまして、記事を拝見しました。
私もSV7を会社で使っているのですが、SV8も良いですよね。
実は、個人所有(外に持ち出したりします)のため、SV9を購入予定です。
どうせならプレミアムエディションと考えているのですが、
春モデル(4コア)と夏モデル(6コア)で迷っています。
今後、5年、6年大事に使おうと思っております。
気になるのが、夏モデルは、性能が高くなると思いますが、静音性が通常時の4コアに比べても煩くなると嫌だなと懸念しております。
※すごく高負荷の時は仕方ないでしょうけど。
このタイミングで購入するのではどちらが良いでしょうか?
迷っているため、ご助言頂けると助かります。
もし、このタイミングで主様がSV9を購入される場合は、どちらを購入されるでしょうか?
勿論、プレミアムエディション以外という選択肢もあるかと思いますが、プレミアムだったという意見も頂きたいです。
山田 さま:
あくまでも私が今新規に買うのなら…ですが、高額な出費ができるだけの余裕があれば、夏モデルのプレミアムエディションを選びたいところです。
基本的にモバイルノートPCは、最高性能で長時間回しっぱなしにして待つ作業よりも、操作しながら進めていく対話的な作業が多くなると思います。この場合、ピーク性能はなるべく高く、短時間で処理を片付けてアイドル状態に戻ってくれた方が、作業の能率も上がるし、結果的に消費電力面=スタミナでも有利だと思います。ファンがうるさく回る時間もおそらく短くなります。
プレミアムエディションの性能仕様・特典を見ていくと、通常モデルとの価格差以上の価値はあると思いますよ。40万円級のプレミアムエディションを購入するとしても、4年間(PCの法定耐用年数)使うと想定すれば、1日あたりに割り戻せば300円程度です。購入したときには、こんな検討もしています↓。
有楽町で決めましょう(3) https://www.sskworld.net/2019/01/yurakucho-letsnote3.php
教えて頂きまして、誠に有り難うございます。
CPUがコア6になった夏モデルの方が、長い目で見ても良さそうな感じでしょうか?
ちなみに、オプションも増えて迷っております。
販売員の方にも聞いたのですが、私が技術的に詳しくないところもあり、理解ができませんでした。
今回から「Secured-corePC」オプションを初回のみ付けれますがどうします?と
聞いて、迷っております。
販売員の方は、理論上ではずっと動いているのでCPUを少し使っているかも、それぐらいがデメリットでしょうか。という感じでした。
sskworld様がもし新規に購入する場合は、どのように判断されるか参考に教えて頂けますと幸いです!
また、最後にパソコンの購入時期って本当に悩みます。
6コアCPUが今回夏モデルで出てきましたが、今が買いなのか、レビューが溜まり、秋冬モデルまで待つのが良いのか。本当にパソコンって年に3回程度モデルチャンジするので難しいですね。
夏モデルは購入タイミングとしていかがなものでしょうか。何か考えがあれば、こちらも教えて頂きたいです。
「Secured-core PC」については今回初めて聞いたので調べてみたのですが、ファームウェアを攻撃するマルウェアに対応するための技術なんですね。どこまでハードウェア的に異なるのかもよくわからない(ファームウェアのバージョンが新しくなる、というだけにも読めるのですが)ので何とも言えないところなのですが、仕事を止めないための信頼性を高めるオプションとしては気になります。
購入タイミングは、CPU世代が変わったり、新規格(最近だとThunderbolt 3とか、Wi-Fi 6とか)に対応したりして、「できること」が増えるタイミングは大事にしたいと思っています。しかし、結局は必要になったときがそのとき…としか言えないかな?と思っています。ただ、買うならやっぱり最新モデルを第一候補にしますね。製品寿命も、サポート期間も旧モデルより長くなるはずですから。