20年ほど前に、「パソコンでテレビ」というタイトルで記事を書いたことがあります。当時は、自作PCにテレビチューナーの拡張ボードを搭載して、パソコンのディスプレイ上でテレビ放送を視聴したり、ハードディスクに番組を録画したり…ということをしていました。今回のお題は「テレビでパソコン」。もちろんやっていることは全く違うわけですが、やりたいことは20年経ってもあまり変わっていないような気もします。


我が家のリビングのテレビは、SONYのBRAVIA KJ-55X9500G。OSとしてAndroid TVを採用していて、これまでに何度かシステムのアップデートが公開されました。その中には、Androidのバージョンアップを伴う大規模な更新も含まれていて、昨年末には2度目のバージョンアップが配信されました。

これまで、システムアップデートが公開されたときには、USBメモリーを使ってローカルにアップデートプログラムを適用してきました。今回は、あえて別の方法で待ってみよう…ということで、とりあえず放置してありました。

12月上旬のある日、テレビを観ていたら右上に黒いポップアップ画面が現れました。「テレビの更新ソフトウェアがあります」とのこと。リモコンの方向キーで「更新」ボタンを選択して決定すると、このポップアップが消えて、アップデートのタスクが走り始めた…ようでした。何しろ、作業はバックグラウンドで行われて、テレビはそのまま視聴できていたので、よくわからないのです。ともかく、USBメモリーを使うときのように完全に動作を止めるわけではないのはありがたいところです。

Androidバージョンは10になりました。UIのハイライト部分の角が丸くなったり、設定画面の階層が変化していたり、OSのバージョンアップに伴う変化は結構いろいろあります。

ボリューム調節はどの出力を制御しているのか表示されるように

テレビとしての機能にも、結構いろいろ手が入ったようです。普段使っていていちばん目にするのは、ボリューム調節で出力先が表示されるようになったこと。些細なところかも知れませんが、使い勝手は良くなっています。


実は、アップデートが来るたびに改善されることを期待している…言い換えれば、非常に残念なアプリがひとつあります。それは、BRAVIA X9500Gに標準でインストールされている「メディアプレーヤー」アプリ。ホームネットワーク上の機器に保存されている動画・写真・音楽等を、LAN経由で再生するアプリです。

この機能を使いたい最大の目的は、ブルーレイレコーダーからNASにムーブして保管しているテレビ番組の録画データを視聴すること。しかし、コレをやろうとするとファイル一覧の読み込みが異常に遅く、しかも再生も不安定です。リスト表示に5分以上待たされ、番組を選択して再生は始まったものの、その後のコントロールが全く利かず、強制再起動するしかなくなることも多々あります。今回のバージョンアップでも、全くと言って良いほど状況は変わっていません。

他の端末のプレーヤーからは問題なく再生できるので、基本的にはテレビとNASとの相性問題なのだろう…と思っています。本来、DLNAやDTCP-IPといった業界標準規格を元にして動いているはずなのですが、多様な機器がある中で、他のメーカーの機器との接続を完全に保証するのはさすがに困難なのでしょう。しかし、同じSONY製のブルーレイレコーダーへのアクセスですら、相当イライラする重さを感じますから、やはりデキの良くないアプリではあるのだと思います。

Android TVなのだから、他のメディアプレーヤーを探してインストールする…という選択肢が採れるはずなのですが、コレもなかなか難しいですね。そもそも、デジタル放送に「ダビング10」など厳格な著作権保護の管理をしている日本の状況は、グローバルで見ると特殊で、ライセンス料の問題もあるのか、そこそこの値札が付いた有料アプリが数個ある…といった感じです。

このあたりの事情は、Windows用のアプリでも同じ。私も、パソコンで録画した番組が見られるように、有料のアプリをインストールしています。Windows 10以降の場合、ストアアプリは同じMicrosoftアカウントでログインしているユーザーが複数台のPCにインストールすることができます。私のパソコンをリビングにつないでしまえば、新しくアプリを買わなくても録画した番組が見られるようになるよなぁ…というわけで、前振りが長くなりすぎましたが、ようやく本題に入ることになります。


私のところには、数年前から出番がすっかり減ってしまい、休眠状態に近かったパソコンが1台ありました。2階のロフトで使っていたデスクトップPCのHP Pavilion Wave 600です。レッツノート・CF-SV8とたいしてパフォーマンスレベルが変わらないことに加え、Windows 11へのアップグレードには対応できないことが明らかになったのが決定的でした。

とはいえ、動画を再生する程度の用途なら十分使えます。2025年10月のWindows 10のサポート期限まで…ということになりそうですが、当面リビングでの動画プレーヤーとして使ってみることにしました。

さっそく、あまりにも個性的な三角柱の筐体をリビングのテレビの裏に移動させ、電源・HDMI・LANのケーブルを接続しました。純正のキーボードとマウスはいずれもワイヤレスなので、実はリビングのテレビのように本体と離れたところから使うには都合が良い構成。あとは電源を入れれば自動的にテレビがディスプレイとして認識され、当たり前のように起動しました。昔のテレビはパソコンにつないでもマトモにディスプレイとしては使えませんでしたが、あの頃とは全く違いますね。どちらかといえば、テレビが歩み寄ったのですが。

3840×2160ピクセルのいわゆる4K解像度の液晶パネルをしっかり認識した上で、拡大率は300%に設定されます。解像度をフルHD(1920×1080)に落とすと、拡大率は自動的に150%が推奨に切り替わります。「55型のテレビがつながっている」という、大画面を離れた場所で使う状況まで加味して、キチンと拡大率が設定されているようです。

画面拡大の機能がしっかり機能していれば、4K解像度で使った方がアイコンやフォントなどがキレイに見えるので望ましいと思うのですが、残念なことに、この機能には十分対応できていないアプリも結構あります。特に、今回は一番重要なアプリであるテレビ番組視聴アプリ・「sMedio TV Suite」の対応が今ひとつで、4K解像度だと番組一覧の文字が小さすぎます。フルHDに解像度を切り替えた事情は、実はこれだったりします。

フルHD解像度は、4Kで使うよりも画面描画の負荷が低く、ビデオメモリの消費も少なくできそうです。今回再生したいコンテンツには4Kのものはありませんから、そうした意味でもムダがありません。さらには、同じ4K解像度で見たいのなら、PCよりもテレビ側の「超解像」機能に拡大を任せた方が、PCへの負荷も少ない上にデキが良かったりします。特にアニメは、まるではじめから4Kのコンテンツだったかのように、キレイに補完しますね。

とりあえずは、イイ感じに動画プレーヤーとして機能しています。テレビの前でキーボードとマウスを操作するのにはまだ違和感が残っていますが、そのうち慣れることでしょう。むしろ、ネットで動画を検索する場合は、テレビの音声入力よりもキーボード入力の方が直感的に使えるかも知れません。とはいえ、妻はともかく、お義父さんには使いこなすのはちょっと難しそうですが(汗)。



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