今年に入ってからずっと、5月末に迎える卒FIT後をどうしていくのか?を考えてきたわけですが、深夜に電力消費を集中させてきた考え方を、昼間に発電した電気を使う方向に変えていく中で、非常に重要な電化製品がひとつあります。
我が家では、13年前に新築したときに、給湯器としてはエコキュートを導入しました。そもそも「エコキュート」というのは、エアコンや冷蔵庫、あるいはドラム式洗濯乾燥機などにも使われるヒートポンプという仕組みを使い、「空気の熱を使って」水を温めるタイプの電気温水器です。電気抵抗から熱を生み出してお湯を沸かすタイプの電気温水器よりも、はるかに省電力です。
基本的には、オール電化住宅向けの時間帯別電力料金を前提にした設計になっていて、電力会社やプランを選ぶとそれに応じた時間制御が行われます。電気代が安い時間にお湯をまとめて沸き上げて貯めておき、後からお湯が欲しいときに取り出していく…という形になります。蓄電池と同様に、電気のエネルギーを貯めておいて、時間をずらして使う機器の一つ…という見方もできますね。
しかし、13年前当時のエコキュートは、我が家の機械に限らずどれもそうだったのですが、沸き上げの時間は深夜のみしか設定できません。昼間にお湯が足りなくなれば、その場で沸かすこともないわけではありませんが、それはあくまでも緊急の対応です。オール電化住宅の電力消費の中では、給湯器の消費は空調の次くらいに多くを占めるのだそうで、冬場の暖房には薪ストーブも使う我が家の場合、おそらくエコキュートが我が家イチの電気食いです。コレを昼間に動かせれば実に都合が良いのですが、現状では対応は事実上不可能となります。
エコキュートの寿命は10年くらい(法定耐用年数は6年らしい)だそうですが、それを大きく超えた我が家のエコキュートも、最近ちょっと調子が良くありません。お湯を使っているつもりなのに、突然冷たい水が出てくることがあります。台所で食器洗いをしているときなどはともかく、風呂場でシャワーを浴びている最中にでも遭遇すると目も当てられません。
修理などして使い続ける選択もあるのかもしれませんが、使ってきた年数を考えれば、そろそろ新しいモノに交換した方が安心です。そして、現在の最新のエコキュートなら、実は卒FIT後にちゃんと対応できる機能を備えたものが結構いろいろ登場しています。
かつては深夜にしか沸き上げが行えなかったのが普通でしたが、最近の製品では、太陽光発電の活用を想定して、一部を翌日の昼に沸かす制御ができるものが増えています。しかも、インターネットから天気予報の情報を取得して、太陽光発電の電力を有効活用できるように自律的に調整する製品まであります。さらには、最初から昼間にのみ沸き上げを行う、「おひさまエコキュート」と呼ばれる製品も登場しています。
我が家くらい発電能力に余力があれば、太陽光発電の電力だけで、昼の間に1日分のお湯を沸かすことは十分可能です。雨の日などで太陽光発電の発電量が足りないと、「昼間の高価な電気を買って沸き上げざるを得ない」なんて事態も想定されますが、我が家にはこんな場合でも夜に電気を貯めておき、昼に使える蓄電池があります。そもそも、我が家のある浜松市は全国的に見ても日照時間がトップクラスの立地であり、昼間の発電量が足りない日はそれほど多くありません。「おひさまエコキュート」で、十分おトクに日々を回せそうです。
ちなみに、最近では昼間の電気料金の方が安くなる、従来とは逆の時間帯別電力料金制度が登場しているのですが、これまでも触れたとおり昼間に電気を買う場面が極端に少ない我が家の場合、コレに切り替えた方がよいのかどうかは、ちょっと判断が難しいところです。蓄電池の方に、深夜電力で充電した電力を朝に使い、昼間に太陽光発電で充電した電力を夕方に使う…と1日に2サイクル回すモードがあるので、これを活用するなら今まで通り深夜が安い方がウレシイのです。
実は、おひさまエコキュートには、その性質上従来のエコキュートより嬉しいメリットが他にもいくつかあります。そもそもエコキュートは、ヒートポンプにより外気温との温度差を作り出すことで熱湯を作る仕組みなので、外気温が高い昼の方がお湯との温度差が少なく、必要な電力は少なくて済みます。また、家庭でお湯をいちばん大量に使うのは、風呂を使う夕方からの時間帯だと思うのですが、昼間に沸き上げを行うおひさまエコキュートは、お湯を貯めておく時間が短くなるので、お湯が冷めることによるエネルギーの損失が少なくなります。意外に、良いことずくめです。
そしてもうひとつ、導入する際にも有利なポイントがあります。経済産業省資源エネルギー庁の給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)というのがあって、おひさまエコキュートなら最大13万円の導入補助の対象になります。予算がなくなったら終了…ということになるわけですが、今ならまだ十分余裕はあるのではないかと思います。
どちらにしてもエコキュートを更新しなくちゃならないなら、次はトコトン電気を自家消費するための選択として、おひさまエコキュートを選んでおくのが良さそうです。…それなら、どうするか?なのですが、続きはまた回を改めて。
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