予想の斜め上

日本プロ野球はクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが終了。両リーグともリーグ3位のチームがファイナルステージに進むことになりました。「下克上」という嫌なキーワードが、少しずつ現実味を持って近づいてきます。

今シーズンのリーグ優勝チームはどちらも、一見余裕の戦力で他を引き離していたように見えて、実は意外に危うさも抱えたチームのような気がしています。短期決戦の難しさもありますし、油断は出来ません。

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有終の美

昨日甲子園球場で行われた、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージ、阪神タイガース対広島東洋カープの一戦。昨日お伝えしたとおり、この試合はカープが制してファイナルステージに駒を進めたわけですが、敗退が決まったタイガースのファンたちにとっても、大いに盛り上がる場面がありました。
7-2の5点差で迎えた9回裏、2死1塁。代打に出てきたのは、今季限りで現役引退を発表している桧山進次郎選手でした。彼の一振りは、右翼ポール際に飛び込む芸術的な2点本塁打。リーグ戦ではホームランは1本もなかった「代打の神様」が、土壇場で意地を見せました。
残念ながらタイガースは試合に敗れ、結果的にこのホームランが彼の現役最後の打席となりました。「有終の美」と言えばカッコいいのかも知れませんが、日本一を目指して戦ってきたチームにとっても、彼自身にとっても、この打席は最後にしたくなかったはずです。悔しさは残ってしまったのではないでしょうか。

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前人未踏。

日本プロ野球では、この週末から、日本シリーズに出場するチームを決めるためのクライマックスシリーズ(CS)が始まっています。私は大嫌いなシステムですが、ルールですから各チームには是非とも頑張って欲しいものです。セ・リーグでは、リーグ3位で初のCS出場となる広島東洋カープが阪神タイガースを2連勝で下し、ファイナルステージへの進出を決めました。「史上最大の下克上」と呼ばれた2010年の千葉ロッテマリーンズに似た雰囲気があります。かなり不気味です。
しかし、CSの裏で、パ・リーグでは何とまだリーグ戦の試合が続いていました。まだ消化できていなかった残り2試合は、リーグ優勝を決めた東北楽天ゴールデンイーグルスと、CSに出場できないことが決まっていたオリックスバファローズとの対戦ですから、確かにここに組み込もうと思えば組み込めます。しかし、いくら何でもこれでは真剣勝負をしている2チームに失礼ですよね。本来なら、ダブルヘッダーを組んででも先に終わらせておくべきです。
ただ、この2試合は当事者たちにとっては全く別の意味を持ちます。毎年、リーグ戦が終了してからCSファイナルステージまでの日程が空いてしまい、リーグ優勝チームが試合勘を取り戻すのに意外に苦労するのをよく見てきました。しかし、今年のイーグルスはこの期間中に試合感覚を維持できる格好の機会をもらっていることになります。下位チームがイーグルスを倒してCSで「下克上」を見せるのは、かなり難しくなるのではないでしょうか。

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これも球団史上初

日本プロ野球パ・リーグでは、東北楽天ゴールデンイーグルスが球団史上初のリーグ優勝を達成しましたが、セ・リーグに目を移してみると、我らが中日ドラゴンズが、実に残念な「球団史上初」の実績を作っています。

2007年のシーズンから、ペナントレースの上位3チームの中から改めて日本シリーズに出場するチームを選ぶクライマックスシリーズ(CS)が導入されました。最初の年には、早速ドラゴンズがこのシステムに乗ってリーグ2位から「日本一」になったわけですが、あの年以来ずっとリーグ3位以内を維持していたドラゴンズも、今年は久々のBクラスが確定。球団史上初めて、CSに参加せずにシーズンを終えます。 続きを読む “これも球団史上初”

鷲の恩返し

木曜日・9月26日に、日本プロ野球パ・リーグの東北楽天ゴールデンイーグルスが、今季のリーグ優勝を決めました。この日の試合は、埼玉西武ライオンズにリードを許していたものの、中盤に逆転。マジック対象チームの千葉ロッテマリーンズが先に試合に敗れ、イーグルスはこの試合に勝てば優勝決定!ということになりました。

ここで、今や押しも押されぬ日本球界のエースとなった田中将大投手が、1イニング限定で抑えに登場。今季の貢献度MAXの彼を是非胴上げ投手に…という思いだったのでしょうけど、よりによって彼は1アウト2・3塁、一打サヨナラの場面を招きます。しかし、さすがはマー君、ここからを持ち前の集中力で退けて無事試合終了。星野仙一監督は7度宙を舞いました。

イーグルスのオーナー企業である楽天では、この週末は優勝セールの開催中です。星野監督の名前や背番号に引っ掛けて、「1,001円均一」「77%OFF」「ポイント最大77倍」などのキャンペーンが繰り広げられています。まあ、ドラゴンズファンの私にとっては、どこか懐かしい企画ばかりなんですが。

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どこまでも参考

ちょっと前の話になってしまいましたが、メジャーリーグ・ニューヨークヤンキースのイチロー選手が、21日(現地時間)のトロントブルージェイズ戦で、第1打席にレフト前にヒットを放ち、日本プロ野球時代からの通算の安打数を4,000の大台に乗せました。

前日の試合までで通算3,999安打としていた段階で、私にはこの日の第1打席で決めるという確信めいた予感がありました。しかし、残念ながらこの日は仕事。ライブでその瞬間を見ることはできず、昼休みのテレビニュースで結果を確認することになりました。 続きを読む “どこまでも参考”

ラミちゃん2000本

先日、山本昌投手のプロ野球最年長先発勝利の話題に触れましたが、もうひとつ、今シーズンになってから生まれた大事な記録に触れておかなくてはなりません。

横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス選手が、先週末・4月6日の対東京ヤクルトスワローズ戦で、日本プロ野球での通算2000本安打を達成しました。外国人枠で入団した選手(彼は既に日本でのフリーエージェントの権利も得て、外国人枠からは外れていますが)としては、史上初めての2000本安打達成となります。

ラミレス選手は、2001年にスワローズに加入。その後読売ジャイアンツ、そしてベイスターズと所属球団を移りましたが、常にチームの必要な戦力であり続け、楽しいパフォーマンスで「ラミちゃん」とファンに愛され続け、今年は13年目の日本でのシーズンとなっています。2007年には、セ・リーグ初、そして右打者で初のシーズン200本安打も達成しています。

いわゆる「助っ人」として常に大活躍することを求められ、ちょっと不振に陥ればすぐ解雇されてしまう外国人選手たちの中で、これだけ長い間日本でプレーし続けること自体が大変なことです。そんな過酷な評価を受け続けながらこれだけの期間プレー出来れば、当然いろいろな記録は積み上がって来るのでしょうけどね。

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投げるたびに記録

プロ野球・中日ドラゴンズの山本昌投手が、火曜日・9日にナゴヤドームで行われた対東京ヤクルトスワローズ戦に先発登板し、6回を1安打無失点に抑え、今季初登板を勝利で飾りました。これでドラゴンズの連敗は3でストップ。今季は開幕からどうも波に乗れていませんが、反攻へのきっかけにしてほしいところです。

現役選手最年長である山本昌は、今年がプロ入りから実に30年目のシーズン。47歳7か月での先発勝利は、自らの持っていたプロ野球最年長記録を更新したことになります。また、この日の登板で最年長登板のセ・リーグ記録も更新。実働年数27年(一軍戦に出場しないと「実働年数」にはカウントされません)もリーグ最長記録です。今後も、彼は登板するたびにこれらの記録を更新していくことになるはずです。

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またしてもファイターズが

昨日・27日から、日本プロ野球では日本シリーズが開幕しています。読売ジャイアンツと北海道日本ハムファイターズの対戦は、リーグ戦で優勝したチーム同士ですから、これで勝った方が日本一…と呼んでも異論はなさそうです。初戦はジャイアンツが大勝を収めたようですね。

もっとも、中日ドラゴンズファンの私としては、クライマックスシリーズでジャイアンツに初戦から3連勝して土俵際まで追い詰めたこともあってか、この対戦では今ひとつ気分が盛り上がりません。もっとも、リーグ2位から勝ち上がって日本シリーズに勝っても「日本一」と素直に喜べませんし、これで良かったのかも知れません。ドラゴンズには、今度こそは堂々とリーグ優勝してから日本シリーズで勝って、正真正銘の日本一になって欲しいものです。

今晩行われている第2戦の結果によって、その後の展開は大きく変わります。両チームがどんな試合を見せてくれるのか注目しましょう。…って、結局気になる私は、野球が本当に好きなんでしょうね。

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