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より軽く、より長く、より速く

先週実物と初対面してから…というより、今年の4月頃からずっと、FMV LIFEBOOK UHシリーズのことが気になっているワタシです。5年目を迎えたレッツノート・CF-SV8の後継として、有力候補のひとつ、それも最右翼にいる存在だと捉えています。

先週の記事リンクを紹介するX(旧 Twitter)で、「レッツノートと四半世紀を歩んできた中で、もしかすると最強のライバル出現かも」と書いたところ、富士通FMVサポート窓口(@Fujitsu_FMV_QA)さんからコメントをいただきました。見つけていただいたことに感謝しつつ、直販でショッピングクレジットが使えるといいですね…と、厚かましくもお願いしてみました。叶うとイイなぁ。

Webを巡ると、富士通の開発チームの皆さんのインタビュー記事をいくつか見ることができますが、1グラム未満の地道な軽量化でも積み上げて突き詰める姿は、まるでアスリートのようです。パナソニックも、NECも既に降りてしまった「世界最軽量」という闘いにひとり挑み続けている富士通の皆さんは、素直にカッコいいと思います。だからといって、製品を購入して応援できるかどうかは、また別の話なのですが(汗)。


製品紹介のWebページもじっくり読み込んでいます。これまでに何度も触れているとおり、世界最軽量モデルに象徴される「クラス随一の軽さ」がアイデンティティーであるFMV LIFEBOOK UHシリーズですが、仕様一覧を見るだけでも、軽くなりさえすれば何でも良い…とは決して考えていないことがよくわかります。

結構ビックリするのが、メインメモリーにLPDDR5-6400を16 GB搭載しているモデルがあること。「6400」というのは、毎秒64億回(6,400 Mbps)データが読み出せることを示す数字で、低消費電力版のDDR5メモリーであるLPDDR5としては、第13世代Core iシリーズCPUと接続できる最速のものです。32 GB載せるとLPDDR-6000になってしまいますが、それでも相当高速と言えます。

ちなみに、現行のレッツノート・CF-SR4に使われているメインメモリーは、一世代前のLPDDR4x-4266のようです。システムに組み込まれるとスピードはスペックどおりには行かないことが多々あるわけですが、少なくとも16GB版のLIFEBOOK UHはCF-SR4の1.5 倍高速にアクセスできるメモリーを載せていることになります。

今どきのCPUはパッケージ内にGPUを内蔵し、画面表示用にもメインメモリーを共用しているものが多いです。画面表示のためには常に大量のデータを転送しますから、ココの速度は結構大事。高速なメモリーは電力も消耗しますが、快適な操作性のためにこだわったのかも知れません。


メインメモリーの性能と比べると、違和感を覚えるのがSSDの性能とのバランスです。基本設計が同じFMV Zero(LIFEBOOK WU4/H1)については、SSD交換のために分解した…という記事が既に巷に出ています。CF-SV8と同様に、底板側のネジを全て外して底板を取り外せば、すぐ見える場所にM.2のSSDスロットがある…という構造で、わかってさえいれば交換は比較的簡単そうです。もっとも、ワタシは職場のパソコンがオンサイト修理で分解される光景も見ているので、その後大胆な構造変更はなさそうだし、これはイケそうだ!と思っていましたが。

…というのはともかく、この記事のおかげで標準で内蔵しているSSDが明らかになりました。Micronの2450という型番が付いたモデルで、インターフェースは一応NVMe PCIe Gen4x4なのですが、速度は最大で3 GB/s 台半ばと、かなりマイルドな性能です。製品紹介のWebページを見ると、低消費電力にフォーカスされている製品のようです。

最初は、薄型設計のLIFEBOOK UHなので、SSDの発熱に対して放熱条件が厳しいのかな?と思ったのですが、どうもそれだけではないようです。実際に、もっとパワフルな最大7 GB/s級のSSDでもしっかり動かせているようですし…。

もしかすると、これはSSDでも軽量化を図ったのかも知れません。Micron 2450はいわゆる「DRAMレス」設計で、基板上に載っているチップの数は少ないですからね。軽くなるだけではなく、消費電力の面でもパーツが少ないことは有利です。

とはいえ、そのせいでパフォーマンスが大きく落ち込んでは仕方ありません。必要になるのが、SSD上のDRAMの代わりにメインメモリーを使うHMB(Host Memory Buffer)が効果的に機能すること。そのためにはバックグラウンド処理の余力があるマルチコアのCPUと、高速なメインメモリーが必要になります。

LIFEBOOK UHのLPDDR5-6400を奢った構成は、実はDRAMレスのSSDへの対応を狙った選択なのかも?と思ったりもします。こうした選択ができるのも、「高性能のP-core+高効率のE-core」という構成を持つ第12世代以降のIntel Coreプロセッサーならでは。これが「今どきの設計思想」と言えるのかも知れません。


9月19~20日に開催されるIntel社のイベントで、これまでMeteor Lakeのコードネームで呼ばれてきた次世代プロセッサーが、「Core Ultra」ブランドを冠して正式に、詳細な内容まで発表されるようです。Meteor Lakeでは、CPUに引き続き2種類のコアが混載される他、周辺回路側のチップにもE-coreが載った構成になっているらしい…という情報があります。ますます、DRAMレスのSSD向けに適した構成と言えるかも知れません。

ともかく、ワタシの次の相棒をどうするかは、Core Ultraシリーズのデビュー待ちですね。それが載ったLIFEBOOK UHがどうなるかも興味がありますが、おそらく、今の筐体にそのまま新プラットフォームを載せ替えるだけでは、富士通の皆さんのプライドが許さないでしょう。今回も、一段と軽く仕上げてくると思います。

今も、ボクサー並みに本格的にカラダを絞り込んでいるに違いありません。デビューは年末から年明けくらいでしょうか。楽しみです。



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