Pixel 8のディスプレイが浮き上がってしまったので、修理をお願いすることにしたわけですが、実際に店舗に持ち込むまで、ちょっと日が空いてしまうことになりました。この間、「蓋が開いてしまった」状態のPixel 8を、水濡れ等によるさらなる被害から守らなくてはなりません。

そこで、Pixel 8をいわゆるフリーザーバッグの中に入れて密封しておきました。一緒に乾燥剤でも入れておけば完璧だったのですが、ちょうど持ち合わせがなく…。
実は、このままでも電源を入れれば結構使えてしまうのですが、バッテリーの膨張が想定されることも考えると、電源は切っておいた方が安心です。代替機として用意しておいたAQUOS sense7を、正式にリリーフ登板させることにしました。引っ越しに必要なPixel 8側の作業は、基本的に袋越しに操作しました。この状態のままでも、タッチ操作どころか画面内指紋認証すら可能だったのは驚きです。

予定どおりの12月3日に、iCracked(あいくらっくと) Store イオン浜松西に伺いました。iCrackedは「Google正規サービスプロバイダ」として、日本国内ではGoogle自身や各キャリアショップ以外で唯一、Google Pixelシリーズの正規の修理が行える業者となっています。
欧米では「修理する権利」の主張が進み、ユーザーが自ら修理できるようにメーカー側がパーツを提供するような動きも出ていますが、日本ではまだこれにはほど遠い環境です。特にスマートフォンのような無線通信機器では、ユーザーが勝手に蓋を開けて、ヘタに安いパーツで修理すると、場合によっては電波法違反の恐れもありますし…。当面は、こうした登録修理業者に頼るしかありません。
早速、窓口の店員さんにPixel 8を渡して、状況を確認していただきました。ディスプレイが持ち上がっていること以外には特に変形も、動作の異常も見当たらないことから、おそらくバッテリーの膨張により持ち上がってしまったのでは?という診断になり、バッテリーを交換することになりました。


修理の前後に、正常に動作するかどうか専用のアプリを使って確認するのですが、このときに「修理モード」というものに切り替えます。これは、一時的にインストールされているアプリや個人情報を切り離し、これらを「第三者によるアクセスから保護する」ようになっています。

最初に、本体を温めて、粘着テープで貼り付けられているディスプレイを剥がす…のですが、今回は既にディスプレイは一部が剥がれて持ち上がっているので、そのままプラスチック製のへらを差し込んで剥がしていきます。ThinkPadを分解するときにも役に立つ道具です。
剥がれたディスプレイを持ち上げて内部を覗くと、もうバッテリーが見えています。膨らんでいるのが一目瞭然…と、写真では非常にわかりにくいのですが、実物を見れば明らかでした。

バッテリーを、これまた貼り付いている接着剤を温めて剥がし、交換する新しいバッテリー(もちろんGoogleのロゴがプリントされた純正品です)と見比べると、さらによくわかります。包まれているフィルムが膨らんでいますし、裏側も膨らんでいるので平らなテーブルに置くと浮き上がっているように見えます。

新しいバッテリーを貼り付けて、元通りにネジを締めたり、粘着テープを貼り直したりしながら組み立てていきます。薄型、軽量な筐体を実現するために、接着剤で固定されている部分が結構あります。ディスプレイの固定が粘着テープなのは、簡単に高い防水性能(IP68)を得るための構造とも言えそうです。
組み立て後に再度動作確認を行い、修理モードを解除して改めて私が動作を確認し、これで修理は完了。1時間弱で、全て済みました。もっとも、私が覗き込みながらいろいろ質問攻めにしてしまったので、本来ならもっと早く済んだ作業なのかも知れません。

分解のために取り外したネジなどを置く台が、非常に気が利いていて良かったですね。分解した状態の図面が印刷してあり、外したネジをその場所に置くと、磁力で吸着します。私も、ほとんど同じもの(磁石はさすがに付いていませんが)を作って使ったことがあるので、コレの重要性は非常に良くわかります。

こうして、Pixel 8は無事元通りに直って我が家に帰ってきました。ダウンタイムが数日で済んだのは、ひとえに実店舗で対面で直していただけたからこそ。今や日々の生活に不可欠となっているスマートフォンですから、こうした対応をしていただけるのは、本当にありがたいことです。


Google正規サービスプロバイダでの修理ということで、Google ストアの所有デバイスのページの情報が、正確に更新されています。バッテリーの問題で修理を行い、完了している履歴が見られる他、注目しておきたいのは保証期間がもともとの来年2月16日までからわずかに延びていること。修理から3ヶ月は修理に対する保証が有効になるため、期間は12月3日の3ヶ月後の3月3日までということになります。
普通はなかなか見られないスマートフォンの中身を見せていただき、手際よいバッテリー交換作業も見られて、しかも保証の範囲内で無償修理でした。壊れてラッキー…とまでは言いませんが、ちょっと美味しい経験はさせていただいたかな、と思っています。iCrackedさん、ありがとうございました。
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