7月に、ThinkPad X13 Gen 6 AMDにLTE対応のワイヤレスWAN(WWAN)内蔵のオプション注文が始まったことを話題にしたところです。そのときには、いよいよ注文に向けての最終段階かな?と思っていたわけですが、そう簡単に話が進むようでは、SSK Worldではありません(苦笑)。
「ThinkPad X13 Gen 6・WWANの注文受付開始」の記事にコメントでお知らせしたのですが、注文の受付が始まってから1週間も経たないうちに、底面カバーに「アルミニウム」を選択しても、WWANの選択項目が出てこなくなってしまいました。さらにその翌日くらいからは、そもそも底面カバーが「マグネシウム」しか選べなくなり、注文受付開始前の状態に戻ってしまいました。
ちょうどこの時期に、X(旧Twitter)での私のブログ記事紹介の投稿にリプライをいただいたのですが、実際にLTE内蔵仕様を注文した方が、7月30日になって注文をキャンセルされてしまったのだそうです。理由は「部品調達が困難になった」とのこと。部品調達と言われても、同じ筐体でおそらく関連パーツもほぼ同じモノが使われているIntel版のX13 Gen 6では注文が続行されていたわけで、どういう意味なのか、実に不思議です。
その後しばらく様子を見ていましたが、AMD版のWWANオプションが復活したことは、ここまで一度もありません。一方で、Intel版はWWANも、タッチパネル画面も受注を続けていました。おそらく「部品調達」云々は方便で、もしかしたら本当にパーツの個数が限られているのかもしれませんが、それをIntel版とAMD版の間でどう配分するのか?で、生産台数やラインの割り振り、あるいは販売戦略などいろいろなモノが絡み合い、「AMD版のWWANは今は売らない」という判断になっているのでしょう。やっぱり、Intelが贔屓されているように見えます。結局、そういうことなのかしら。
状況証拠しかありませんが、これはどうやら相当時間がかかりそうだな…と思い始めていました。現在の相棒であるレッツノート・CF-SV8でバッテリーの劣化がいよいよ顕在化し始めたこともあり、あまり待っているわけにもいきません。ここは次善の策を考えてみることにしました。
「何をあきらめようかしら」ということで、一度は自分が求める条件を列記してみたのですが、その後いろいろとドタバタしつつ考えたところ、どうやら私の中での優先順位はこんな順番になっているようです。Geminiとやりとりしている間に丸裸にされたというか、なんというか(汗)。
必須要件(ココは譲れない)
- 最優先: 軽量な筐体(1.2kg以内、1kgを目指したい)
- x64プラットフォーム(ATOK無し、プリンタ不可は無理)
- ワイヤレスWAN(どこにいてもインターネットは欲しい)
- 耐久性: 3年間持ち歩ける安心感 (MIL規格準拠は大きな安心材料なんだなぁ)
- バッテリーライフ(朝から夕方まで走りきれる余裕を)
追加要件(コレがあると嬉しい)
- 画面サイズ: 14型(13.3型でも何とかなるかな)
- USB Type-A・HDMI・Thunderbolt 4/USB4×2(これらは現状でも結構よく使っている)
- タッチパネル: 選べるなら欲しいが、重量次第で妥協
- Copilot+ PC:ローカルAI機能に興味あり (ただし、ワイヤレスWANの方が優先)
- 購入価格は安い方がイイよね、それは
- SDメモリーカード内蔵は、ちょっと無理そうだなぁ(搭載機種は減っている)
劇的に順位が下がったのが「Copilot+ PC対応」。興味があることは変わっていないのですが、実際のところこれで変わるのは、Windows 11に標準で提供される数個の機能だけです。これ以外にも、サードパーティーアプリでのNPUの活用自体は個別に進んでいますが、これらには40 TOPSという要件はありません。能力に応じて、使える範囲でNPUを使ってくれます。
サードパーティーはそれぞれ個別のプラットフォームに対応するフレームワークへの対応、あるいはWindowsの機械学習APIであるDirectMLを通じてNPUを使っています。プラットフォーム別で見ると、現状ではやはり業界シェアで勝るIntelのNPU向けが強そうです。DirectMLの場合は、NPUに限らずCPUやGPUのリソースも活用されるので、NPUのTOPS値に留まらず、総合的な基礎体力が重要になります。
そもそも、現状の生成AI関係は、クラウドサービスで提供されているものが大部分ですから、少なくとも当面は、ローカルで処理できる強力なNPUよりも、どこでもネットにつなげるWWANの優先度が高くなります。Copilot+ PCが求めるような40TOPSオーバーのNPUが必須になる未来は、目指している人たちはいるけれど、本当に来るかはいろいろな情勢次第。そして、ハードウェア・ソフトウェア双方の普及を待たなくてはならないので、かなり時間がかかります。これから私が購入するであろう新しいPCのライフサイクル中にその時代が訪れるかどうかも、微妙なところです。
そう考えると、現状で結構強力なのがArrow Lake-Hベースのプラットフォーム。物理コア数が多いCPU、XMXを搭載したAIに強いGPU、個別対応アプリが多いIntelのNPUの組み合わせです。つまり、そのプラットフォームを採用するIntel版のX13 Gen 6も十分にアリ!ということになります。試しにCore Ultra 7 255H搭載で見積を作ってみましたが、割引率がAMD版より低いこともあり、他の装備を揃えると、Ryzen AI 7 350搭載よりも2、3万円は割高になります。ひとつ妥協を挟んだ上で高価なわけですから、結構悩みます。
それでも、一応事前には「AMD版は7月中旬からWWAN提供」とアナウンスされていたわけで、一体どうなっているのか聞いてみる権利くらいはあるだろう…と思い、またしてもレノボのチャットサポートにつないでみました。Webページの右下にあるチャットのポップアップから接続すると、最初は他の方が応対していても、私がログインした上で接続しているのがわかると、自動的に「専任担当」になったZさんに転送される態勢になっているようです。
「ThinkPad X13 Gen 6 AMDのWWAN、タッチパネルへの対応の⾒通しは、その後どうでしょうか?」と聞いてみたところ、販売時期はまだ決まっていないとのことでした。さらに続けてみたところ、
(S.S.K.) WWANは7⽉中旬に選択可能になる予定と聞いていましたが、問題があったのですか?Intel版では注⽂できるようになっているようですが。
(Zさん) はい。Intel版は現在ご選択可能になっております。AMD版は発売時期を延ばしております。
(S.S.K.) タッチパネル画⾯も、Intel版では注⽂受付が始まっているようですね。
(Zさん) はい。Intel版は無事に⽣産できるようになり、発売開始しております。
というやりとりに。事実を伝えていただいただけだと思うのですが、Zさんの「発売時期を延ばしております」「無事に⽣産できるようになり」あたりの言い回しが、妙に気になりました。やはり、単なるパーツの欠品では語れない何かがありそうです。
さらにやりとりは続いたのですが、相変わらずタッチパネルは「重くなるが具体的な数字はわからない」という話などした後で、
(S.S.K.) Intel版やX1 Carbonを安売りしていたようなので、そちらに変更しようか迷っていましたが、AMD版をもう少し待とうかと思います。Intel版で販売が始まっているので、あまり待たずに済むと良いな、と思っています
(Zさん) AMD版はなかなか発売の時期が決まらないので、Intel版をご検討いただくことがおすすめになります。
という流れに。Intel版の納期も相当長いのに、AMD版はそれ以上待たせるのが確実ということなのか?そもそも、AMD版は売りたくないんじゃないか?など疑問はいろいろとアタマの中を駆け巡りました。とはいえ、先に自らIntel版の見積を取っているわけですし、とりあえず「検討します」と返答し、この日のチャットは締めることにしました。
この後選びうる選択肢はいくつかありますが、さて、どうする?…というわけで、続きはまた今度。
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